して、掲げています。
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◎FRB、0・25%利上げ決定/打ち止めの可能性示唆
【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は3日開
いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、0・25%の利上げ
を決めた。相次ぐ米銀破綻で金融システム不安が高まっているが
インフレ抑制を優先する姿勢を改めて明確にした。
同時に公表した声明文には「追加策がどの程度必要か決定する
際には、これまでの金融引き締めの累積的な効果や経済や物価に
時間差で与える影響を考慮する」と記した。「追加の政策措置が
適切」としていた前回会合時の表現を修正し、利上げの打ち止め
を示唆する内容になった。
──2023年5月5日付、日本経済新聞
https://s.nikkei.com/3LCd4bA
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FRBパウエル議長は、これまで10回にわたって利上げを繰
り返してきています。しかし、米国のインフレは収まっておらず
その利上げの結果として、3月から5月にかけて、米銀3行が破
綻しています。銀行破綻については、パウエル議長にも責任があ
ります。パウエル議長は記者と次のやり取りをしています。
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記者:後悔はあるか
議長: 少しはある
──2023年5月5日付、朝日新聞
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パウエル議長の「少しはある」について、朝日新聞は、フラン
ク・シナトラの1969年の名曲「マイ・ウェイ」の「後悔、少
しはあるさ」という歌詞にひっかけて、反省の弁を述べたと書い
ています。
そこで、パウエル議長の本音を探るために、フランク・シナト
ラが歌った「マイ・ウェイ」の該当部分の歌詞を示します。
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Regrets, I’ve had a few
後悔、少しはあるさ
But, then again, too few to mention
けどね、ふれるほどでもないさ
I did what I had to do
わたしはね、やるべきことをやったよ
And saw it through without exemption
例外なく、やり通したんだ
https://bit.ly/3LX6ldN
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要するにパウエル議長がいいたかったことは、「わたしはね、
やるべきことをやったよ」ではないでしょうか。それにしても、
パウエルさんは、見た目は堅い人物に見えますが、歌にかこつけ
て自分の本音をいうとはなかなか洒落た人物のようです。
それはさておき、パウエル議長は会見で「われわれは終わりに
近づいている」とも述べています。これは6月には利上げを止め
ることを意味していると思われます。しかし、現在、米国のイン
フレは5%台とまだ高い水準にあります。FRBが悪戦苦闘して
いる割にはインフレは収まっていません。
そもそもこのインフレは何によって起きたのでしょうか。
世界がインフレに見舞われることは、実は久しぶりのことなの
です。しかも米欧の主要先進国で、8%〜9%の高い水準で物価
上昇が起きることは、近年ほとんど起きていません。むしろ、イ
ンフレ率が低すぎること──低インフレが問題になっていたはず
です。とくに日本は、インフレ率が低過ぎて、デフレになってし
まっています。この低インフレは、何によって起きたのでしょう
か。要因としては3つが考えられます。
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@グローバル化
A 少子高齢化
B生産性の停滞
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第1の要因として上げられるのは「グローバル化」です。
グローバル化が進行すると、世界中に貿易網が張り巡らされ、
企業は少しでもコストを安く生産できる場所を求めて生産拠点を
移動させます。企業は、もし、この動きに乗り遅れると、高めの
価格を設定しようとしますが、そういう企業は、直ちに他の企業
にとってかわられます。このような状況では、製品の価格は上昇
しにくくなり、低インフレの状態になります。
第2の要因として上げられるのは「少子高齢化」です。
少子高齢化の進行は、将来の働き手の減少を意味します。働き
手の減少は、将来の生産(GDP)や所得の減少につながること
になります。このような状況になると人々は、それに備えて貯蓄
をしようとするので、どうしても消費が減少します。これはイン
フレの下押し圧力になります。
第3の要因として上げられるのは「生産性の停滞」です。
情報通信技術やAIなどの一部の技術革新を除くと、技術革新
は頭打ちになっており、経済全体として捉えると、生産性の伸び
が停滞しています。生産性の停滞は、GDPの成長を鈍化させ、
低インフレの状況になります。
今日から新テーマです。これまで低インフレが問題であったの
に、なぜインフレなのかに迫ってみたいと思います。
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低インフレは、なぜ世界インフレになったのか
── 日本経済が置かれた特異な状況 ──
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──[世界インフレと日本経済/001]
≪画像および関連情報≫
●なぜ今、世界的インフレ懸念
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「なぜ急にインフレ懸念」と思われている方も多いことだ
ろう。そもそもつい最近まで世界には「デフレ懸念」が残り
各国の中央銀行は、インフレ率を目標の2%に引き上げるこ
とにさえ苦労していた。それ故の超緩和姿勢の長期維持だっ
た。しかも新型コロナウイルス禍以降の世界では、景気は跛
行(はこう)的だが全般に悪く、懸命の財政・金融政策で支
えられているのが現状。いくつかの国で経済復調の目は出て
いるが総じて弱く、支えをまだ外せない。
しかし、今世界のメディア(マーケット関連記事)で目立
つ言葉は「インフレ懸念」だ。例えば、2021年9月15
日の日経新聞のウォール街ラウンドアップの見出しは「なお
拭えぬインフレ懸念」となっている。懸念だけではない。主
要国ではないものの、世界の一部の国の中央銀行は政策金利
の引き上げを発表している。チェコや韓国だ。
では市場を見る我々として、この「急速に台頭してきたイ
ンフレ懸念」をどう見れば良いのか。そもそもどのような背
景からこの懸念が広まっているのか。そしてその懸念はどの
程度持続し、場合によっては深化(深刻化)するのか、でな
ければいずれ離散するのか。今回はマーケットを長期的に見
るためにも、この点を少し考えてみたい。
https://bit.ly/3AUgp0O
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苦悩するFRBパウエル議長