係のないテーマも取り上げています。今日は金曜日であり、自由
に書くことにします。
内閣改造がこの秋に行われるとメディアは報道しています。そ
んななか、9月6日に「朝日新聞デジタル」が、木原誠二官房副
長官を留任させる方向で調整していると報じています。
いわゆる「木原事件」を知らない人は少ないでしょうが、この
事件については『週刊文春』が詳細に報道しており、EJでは、
事件そのものについて述べることを控えます。しかし、その渦中
にある木原官房副長官を留任させる岸田首相の決断には非常にリ
スキーなものを感じます。
異様であるのは、この事件について『週刊文春』以外のテレビ
を含むすべての他のメディアが絶対に報道しないことです。事件
は、木原官房副長官の家族の死亡にかかわるもので、その家族に
ついて警視庁が事情聴取や捜査をすることについて、木原官房副
長官がその職権を使って、止めているというのです。
これを受けて、当時の警察庁の露木康浩長官は、この事件につ
いて、次のように述べています。
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この事件は、証拠上、事件性が認められないと判断している
──警察庁露木康浩長官
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普通であれば事件はこれで幕引きです。何しろ警察庁のトップ
が「事件性はない」と断言したからです。内閣官房副長官には警
察庁はもとより、主要マスコミを「黙らせる」力があるのです。
本来なら捜査も報道もこれで終わったはずです。しかし、この
事件を担当した警視庁捜査一課殺人犯捜査第一係・通称「サツイ
チ」に所属していた佐藤誠警部補(当時)は、警察官を退職した
うえで記者会見を開き、「事件性がある」と反論したのです。佐
藤誠氏は、「事件性はない」とした当時の露木長官に対して次の
ように怒りをぶつけています。
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警察庁長官のコメントは頭にきた。何が「事件性はない」だ。
あの発言は真面目に仕事してきた俺たちを馬鹿にしてるよな。当
時から我々はホシを挙げるために全力で捜査に当たってきた。と
ころが、志半ばで中断させられたんだよ。 ──佐藤誠元警部補
https://onl.bz/yFGKDVS
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しかし、露木長官の発言を受けてか、岸田首相は、これで「木
原はシロである」として、9月5日、それまで自粛していたAS
EAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議やG20ニューデリ
ー・サミットには木原官房副長官を同道させています。しかし、
マスコミは政府専用機に乗り込む木原副長官の姿を一部とらえて
いますが、何とかそれを隠そうとしているように感じられます。
まさしく忖度です。
この告発をした佐藤誠元警部補について、次のニュースが雑誌
『選択』/2023年9月号に出ています。
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木原誠二官房副長官の妻を巡る『週刊文春』のキャンペーン報
道に関して、警視庁が不穏な動きを見せている。妻の元夫の不審
死について捜査していた警視庁の元刑事が実名で登場したことが
注目を集めた。元刑事は、記者会見を行って何を探っているのか
(警視庁)て持論を展開したが、この直後から警視庁が「元刑事
の周辺について内偵を行っている節がある」(情報筋)。「元刑
事との接触者を特定しているほか、関係先に問い合わせなどをし
ている」(同前)という。
しかし、「警視庁担当記者は把握しておらず、どの部署が動い
ているかも判然としない」(同)。疑惑の焦点は元夫の不審死に
ついて、警視庁による捜査が不自然に打ち切られたことにある。
元刑事がどこまで核心を衝いているのかは不明だが、守秘義務に
反している可能性は否定できない。そのため「地方公務員法違反
で逮捕するつもりではないか」(同前)という見方が浮上してい
る。そうなれば疑惑の事件と同様、不自然な幕切れになりかねな
い。 ──『選択』/2023年9月号
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しかし、これほどの事件の関係者を事実を明らかにしないまま
本人がいかに優秀であるとはいえ、国の重要に任務につけていい
のでしょうか。この事件はこのままでは終わらないといえます。
それは、岸田内閣にとって命取りとなる可能性があります。
話を変えます。実は自民党にはもうひとつやっかいな事件があ
るのです。9月7日付の朝日新聞は、一面トップで、次の記事を
大々的に報道しています。
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◎秋本議員逮捕へ/6000万円受託収賄疑い
秋本真利衆議院議員(48)=比例東関東、自民党を離党=が
洋上風力発電事業をめぐって、「日本風力開発」(東京)の前社
長からも多額の資金を受け取ったとされる事件で、東京地検特捜
部は7日にも、秋本氏を総額約6千万円の受託収賄容疑で、逮捕
する方針を固めた。 ──2023年9月7日付、朝日新聞朝刊
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この秋本真利衆議院議員は、自民党では珍しい反原発・再エネ
推進派で、河野太郎デジタル相の強い引きで、千葉県の市議から
国会議員になり、「私の大切な右腕」としてかわいがられていた
人物です。
ここで注目されることは、秋本氏が、菅義偉前首相の側近でも
あったということです。つまり、菅グループのメンバーの1人で
もあり、法政大学の後輩であり、国土交通政務官に2度も起用さ
れています。つまり、特捜部は、秋本氏のもっと上を狙っている
のではないか、といわれているのです。今後どのようになってい
くか注目されます。 ──[物価と中央銀行の役割/019]
≪画像および関連情報≫
●秋本真利議員「再エネ疑獄」永田町で“延焼”の恐れ
・・・河野・菅・萩生田3氏は“無傷”でいられるか
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自民党を離党した秋本真利前外務政務官(4=比例南関東
ブロック、当選4回)が風力発電会社「日本風力開発」から
計3000万円もの資金を受け取ったとされる事件は、秋本
氏の国会事務所などへのガサ入れから1週間が経った。
東京地検特捜部は、秋本氏が資金提供の見返りに「日本風
力開発」を利するような国会質問をした可能性があるとみて
経緯を調べているが、当選4回のペーペー議員の関与だけに
とどまるのか。永田町では「他の議員に“飛び火”するので
は」と囁かれている。「狙いは『河野大臣潰し』ではないか
といわれています。秋本さんは河野大臣の側近で、原発推進
の自民党の中で共に『脱原発』を掲げる“異端児”。原発政
策の大転換を決めた岸田政権にとって目障りな存在です。岸
田官邸が河野大臣を黙らせるために、秋本さんを吊し上げる
絵を描いたのではともっぱらの噂です」(官邸事情通)
ある政界関係者は「河野大臣の後ろ盾で、秋本議員とも近
い菅前首相の力をそぐ結果になるのではないか」とみる。
萩生田政調会長の影もチラつく。秋本氏は2022年2月
の衆院予算委員会分科会で、既に公募が始まっていた秋田県
沖の洋上風力発電事業を巡って、「日本風力開発」の参入を
後押しするかのような国会質問をしていた。入札の評価基準
を「売電価格重視」だけでなく、「早期導入」にも重きを置
くよう見直した上で、手続きのやり直しを要望。当時、答弁
に立ったのが、経産相だった萩生田氏だ。
https://onl.bz/vu4YHSj
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木原誠二官房副長官