とするスマートフォンがどんどん普及しているからです。私事で
すが、今年4月末日に「アイフォーン3G」を購入し、既に5ヶ
月使ってきていますが、使い勝手は上々です。
EJでは携帯電話のテーマを過去に何回も取り上げています。
それは技術革新が最も顕著にあらわれるのが携帯電話であるから
です。EJの一番新しい携帯電話の記事は、2007年1月5日
から3月6日までの41回にわたる連載です。
2006年12月に番号ポータビリティ制度を利用して、19
99年5月から利用してきたNTTドコモからソフトバンクに切
り替えたのです。ソフトバンクの孫社長の携帯電話の改革に賭け
る意気込みに共感したからです。
このときの連載は大変反響を呼び、ブログでは多くの方からア
クセスをいただきました。この内容は、現時点でも背景を知るに
は役立つと思いますので、興味があればぜひブログを読んでいた
だきたいと思います。
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EJ第1993号〜第2033号
『ケータイ2.0/生き残るのはどこか』
― 知られざる衝撃の通信戦争 ―
http://electronic-journal.seesaa.net/category/2498896-1.html
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あれから2年半以上が経過し、孫社長の仕掛けたケータイの革
命は急激に進んでいます。そして、2008年7月11日――日
本でアイフォーンが発売されたのです。
そのとき、発売日前日からキャリアになるソフトバンクモバイ
ルの原宿表参道の旗艦店の前には長い行列ができたのです。東京
メトロ・明治神宮前駅近くから始まった行列は総延長900メー
トル、渋谷駅に近い東京電力・電力館前まで続いたのです。行列
した人数は約1500人といわれています。
しかし、発売当日の人気にもかかわらず、日本でのアイフォー
ンの普及は現在でも今ひとつであり、大きく伸びているとはいえ
ないのです。その理由は、日本のケータイの環境が世界に比べる
ときわめて特殊であり、「ガラパゴス」といわれていることに深
く関係しているからです。
しかし、ケータイの変革の波は、世界レベルで津波のように起
こっており、日本だけ特殊環境――けっして居心地の良くない環
境――のままでいられるはずがないのです。おそらく数年のうち
に劇的変化が起きることは確実と思われます。
そこで、EJの今回のテーマを次のように決め、本日から連載
することにします。最新情報を盛り込む予定ですので、ご愛読を
お願いします。今回は予告編です。
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『電話が変貌する!スマートフォン時代が到来する』
─iPhone革命とクラウド・コンピューティング─
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2007年6月29日――米国でアイフォーンが発売された日
です。米国でも、アイフォーンの販売を行う各地のアップルスト
アとAT&Tのショップの前には長い行列ができたのです。
予約受付を廃し、アップル社とコネのある人にも一切配慮せず
実際に並んだ順番でしか購入できないという販売方式をとったか
らです。そのため、行列には多くの有名人が並んだのです。
ニューヨークのソーホーにあるアップルストアでは、映画監督
のスパイク・リーや女優のウーピー・ゴールドバーグ、フィラデ
ルフィアでは、第97代目のジョン・F・ストリート市長までが
並んだのです。
このストリート市長は、フィラデルフィア市内全域を無線LA
Nによってカバーする計画を強力に推進するITに強い市長であ
り、そういう市長だからこそ、アイフォーンは誰よりも早く手に
したいと思ったのでしょう。
もっとも象徴的だったのは、シリコンバレーのサンタクララに
あるアップルストアの前に並んだスティーブ・ウォズニアックで
す。ウォズニアックといえば、アップル社の現CEOスティーブ
・ジョブズと一緒にアップル社を創立した仲間です。
実はウォズニアックのもとには、ジョブズCEOから翌日の土
曜日にアイフォーンを届けるというメッセージが入っていたので
すが、彼は明日まで待っていられないとして、発売日の午前3時
半から並び、子供の分を含めて自ら購入したというのです。
このようにして、米国国内でアイフォーンは、最初の2日間で
27万台、3ヶ月で100万台が販売されたのです。それから、
わずか一年間でアップル社は世界のベスト10圏内に入る携帯電
話メーカーになったのです。
アップル社がアイフォーンを発表したのは2007年1月9日
のことです。これに対して、アップル社の長年のライバルであり
アップル社のiPodに対抗して発売したマイクロソフト社の携
帯音楽プレーヤー「Zune」の開発者は、当時次のように論評
したのです。
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(そのような製品は)携帯電話として優秀か、携帯音楽プレー
ヤーとして優秀かのどちらかしかない。電話とメディアプレー
ヤーを一緒にした場合、デザイン上の問題が起こる。様々に異
なる入力をどう行わせるか、最適な画面サイズは何か、バッテ
リー駆動時間などだ。 ――大谷和利著
『iPhone をつくった会社』/アスキー新書/073
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その時点では、アップル社がどのような製品を出してくるか想
像もできなかったのだから仕方がないですが、マイクロソフト社
の開発陣の限界がよくあらわれています。電話と音楽プレーヤー
との一体化どころか、アップル社はネットをしっかりと視野に入
れていたからです。―[クラウド・コンピューティング/01]
≪画像および関連情報≫
●マイクロソフト社発表/2009年9月15日
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「Zune HD」 は有機ELタッチスクリーン、「NVIDIA Tegra
HD」プロセッサを搭載し、HDラジオ、ウェブブラウザなど
の機能を搭載する。16GB版が219.99 ドル、32G
B版が289.99 ドル。Zune HD に合わせて新版 Zuneソ
フトと各種サービスも提供開始した。新版ソフトは検索機能
やレコメンド機能を備え、最近追加したコンテンツやお気に
入りのコンテンツにホーム画面からワンタッチ、ワンクリッ
クでアクセスできるクイックプレイ機能などが盛り込まれて
いる。 ――ITメディア・ニュースより
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「Zune/マイクロソフト社」