日数が最短のオバマ米大統領はどうだったのでしょうか。果たし
て、リーダーシップを発揮できたのでしょうか。
テレビ報道だけで見ていると、何となくかつての米大統領より
も影が薄かったように感じた人が多かったのではないかと思いま
すが、結構がんばっているのです。
オバマ米大統領は、初日の夕食会で「核安保サミットの開催計
画」を発表して各国首脳を驚かせ、主要国経済フォーラム――M
EFでは自ら議長を務めて、温暖化問題に消極的な米国のイメー
ジ転換を図って次のように述べるなど、なかなか指導力を発揮し
ているのです。
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米国は温室効果ガスの主要排出国としての責任を果たしてこ
なかったが、そうした日々は終わりだ。――米オバマ大統領
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実はオバマ米大統領は、国内の状況があまりにひどい状態なの
で、どこかの首相と同じように外交で点を稼ごうとしているとい
われているのです。
米国のマスコミは、大統領就任後100日間は「ハネムーン期
間」と称し、その期間中に大統領がやったことについてはあまり
厳しい批判をしない慣習になっています。それでも現下の米国の
金融・経済は厳しい状態であるので、大統領のやり方によっては
ハネムーン期間であっても厳しい評価をすることがあります。
2009年4月29日――この日はオバマ氏が大統領に就任し
てちょうど100日目に当たるのです。米調査機関のピュー・リ
サーチ・センターは、米主要新聞、3大ネットワーク、『ニュー
ズウィーク』誌や公共放送7社による1261本の報道内容を調
査した結果を次のように発表しています。パーセンテージは、報
道のうち大統領に肯定的な内容の数字をあわわしているのです。
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オバマ現大統領 ・・・・・ 42%
ブッシュ前大統領 ・・・・・ 22%
クリントン元大統領 ・・・・・ 27%
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ギャラップ社の世論調査では、オバマ大統領の就任以来の平均
支持率は63%であり、非常に高いのです。しかし、この数字を
上回った米大統領がいるのです。それは、1977年のカーター
大統領の69%です。
注目すべきはこのカーター政権の米国なのです。このカーター
大統領の異常に高い高支持率はどの後どうなったでしょうか。そ
れは大きな失望に変わったのです。どうして、そのようなことが
起こったのでしょうか。カーター政権については、ひとつの事例
研究として検証してみたいと思います。
振り返ってみると、昨年の11月4日に行われたオバマ候補に
よる大統領選勝利演説で彼は次のように述べています。
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今こそが大切な時なのです。今こそ、われわれは人々をもう一
度職に就け、子どもたちのために機会の扉を開け、繁栄を取り
戻し、平和という大義を推進し、アメリカン・ドリームを再生
すべきなのです。そして、再確認すべきなのです、基本的な真
理を。すなわち、多数からひとつへであり、われわれは一つな
のだということを。息をし続ける限り、われわれは希望を持ち
続けるのだということを。われわれが冷笑主義と疑いで応じら
れる場所や、われわれにはできないと言ってくる人たちに対し
て国民の精神を端的に表す不朽の信条でわれわれは応じます。
大丈夫、われわれにはできる、「Yes,we can.」と。
ありがとう。皆さんに神の祝福を。そして神がアメリカ合衆
国を祝福しますように。
――2008年11月4日大統領選勝利演説より
『オバマ演説集』朝日出版社刊
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とても見事な演説です。しかし、「われわれはできる」といい
ますが、一体何ができるのでしょうか。
最近は、現実の世界とネットの世界では、世論が180度違う
ことがよくあります。民主党の小沢問題にしても現実世界の新聞
紙上では「説明責任を果たしていない」とする人が80%となっ
ているのに、ネットの世界では逆転しています。
『ウォールストリートジャーナル』誌がウェブサイトでブログ
を使って実施している調査によると、オバマ大統領の支持率はさ
んざんなのです。
最高ランクは「A」ですが、それは10%に達しておらず、最
下位の「F」は76.6 %にもなっているのです。これも逆転の
調査結果です。
もっとも『ウォールストリートジャーナル』誌の調査ですから
一般的なイメージでの人気ではなく、オバマ政権による金融危機
への対応に不満が高まっているものと考えられます。これは、オ
バマ大統領の責任というより、前任者の責任に帰すべきですが、
国内の大統領に対する評価は低迷気味なのです。
ところで、オバマ氏とは何者でしょうか。
政治のリーダーとしてどのような思想を持ち、どのような政策
を実践しようとしているのでしょうか。
このように問われると、オバマなる人物について、米国人でも
あまりにも不明部分が多くてわからないという人が多いのです。
大統領選のときから、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポ
スト、ロサンゼルス・タイムズという大手新聞、そしてCBS、
NBC、ABCの3大テレビネットワーク、CNNテレビなどは
民主党側に立った報道が多く、オバマ候補の影の部分については
ほとんど報道が行われていないのです。
明日から、少しずつバラク・オバマなる人物の正体に迫ってい
きたいと考えています。 −―[オバマの正体/01]
≪画像および関連情報≫
●オバマ大統領/ハネムーンは終わった
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今週水曜日に発表されて調査によると、特にここ数ヶ月間に
行った自動車産業での救済、政府の急激な出費、その他の経
済政策について、オバマ大統領の資質に国民が疑問符をつけ
始めている。今年の1月から大統領としての仕事を始めた彼
だが、今まで比較的安定した支持率を保っていたが今回の調
査では前回より5%支持率を落とし56%という数字になっ
ていると、NBCニュースとウォール・ストリートは伝えて
いる。
http://amefuji.blog22.fc2.com/blog-entry-112.html
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ラクイラでのオバマ大統領