トランプ現象、英国の欧州連合(EU)からの離脱、世界各地で
イスラム国によると見られるテロの続発など、世界でただならぬ
動きが起きています。
ベンジャミン・フルフォードの本に、その変化を如実に示して
いる次の2つの指数が紹介されています。2つの指数は添付ファ
イルをごらんください。
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1.オンス・バーレル指数
2. バルチック海運指数
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1の「オンス・バーレル指数」は、金1オンスでどのくらいの
量の石油(バレル)が買えるかを年代ごとに示したものです。こ
の数値は、国際的に大きな経済危機が起きると、必ず跳ね上がる
のです。要するに金価格が上がり、原油価格が下がればこの数値
は上昇するのです。
グラフにあるように、チェルノブイリ原発事故、米ソ冷戦崩壊
ラテンアメリカ債務危機、アジア通貨危機、リーマンショックで
は、数値はすべて跳ね上がっています。心配なのは、2016年
になると、この数値が今までにないほど跳ね上がっていることで
す。何が起ころうとしているのでしょうか。
この数値はドルベースです。ドルの価値を維持するために、金
の価格と原油の価格は、つねに何らかのコントロールが行われ、
その数値が大きく上昇しないようにされています。いわばドルの
生命維持装置のようなものであるといってよいと思います。
それにもかかわらず、この数値が上昇するのは、この生命維持
装置が機能不全に陥ったことを意味しています。それが経済危機
であるというのです。つまり、今後途方もない経済危機が起きる
可能性があることを予告しているといえます。
2の「バルチック海運指数」は、大量の石炭や鉄鉱石、穀物を
梱包せずに運ぶ、ばら積み船運賃の国際市況のことです。これは
世界で実際に行われている経済活動をあわわしています。
この数値が上がっていれば、経済活動は活発であることを示し
下がっていれば、世界の経済活動が停滞していることを意味しま
す。したがって、経済を見るプロはこの数値を参照するのです。
海運は隠しようのない、かつコントロールしようのないデータ
なのです。なぜなら、それはGPSで確認できるし、海上保険も
あるので、誤魔化しようがないからです。したがって、この数値
が高ければ経済活動は活発であるし、停滞しているようだと、数
値は下がるのです。
現在、この数値が驚くほど下がっています。既に過去最低記録
を更新していますし、一般に報じられているよりもはるかに経済
は停滞していることを示しているようです。何が起ころうとして
いるのでしょうか。
ところで、なぜプロは、特殊性の高いこれらの指数を重視する
かということについて、ベンジャミン・フルフォード氏は次のよ
うに述べています。
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景気の動向を示す経済統計や指数は、どれもこれも嘘と捏造が
まかり通っているからだ。ちょっと操作をするだけで簡単に誤魔
化すことができる。
たとえば物価指数や平均株価などが典型であろう。株価でいえ
ば、どんな不況でも業績を上げている企業は存在する。ニューヨ
ークダウ平均を上げたければ、業績悪化で株価の下がった企業銘
柄を外し、業績が上がっている企業を選び直せば、いくらでも平
均値を上げることができる。とくに現在は量的緩和をしてお札を
刷りまくって、それを市場に投入している。
物価指数や平均所得も同様で、所得が下がっている場合、物価
指数の調査対象を「安い商品」に切り替える。そうすれば「名目
上」所得は上昇する。ゆえに景気は上昇している、と大々的に報
じるわけだ。 ──ベンジャミン・フルフォード著
『99%の人類を奴隷にした「闇の支配者」最後の日々/アメ
リカ内戦から世界大改変へ』/KKベストセラーズ
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冒頭に述べたように、2015年〜2016年にかけて、世界
中でいろいろな出来事が起きています。よく考えると、そのほと
んどは米国の変化と関係があります。それはオバマ政権になって
から少しずつ顕在化してきたものでしたが、米国は明らかに内向
きになり、孤立主義になりつつあります。それは、今年の11月
に行われる米大統領選の結果によって、決定的な変化になること
は必至の情勢です。
次期米国大統領は、果してヒラリー・クリントン氏か、ドナル
ド・トランプ氏か──この結果を現在予測することは、非常に難
しいことですが、いずれにしても、米国は大きく変化するはずで
す。そこでEJの今回のテーマは、米国を取り上げます。
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「世界の警察官」をやめて米国はどう変わるか
──内向きの米国で世界はどう変わるか─―
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このテーマであれば、前回のテーマである「現代は陰謀論の時
代である」とうまく繋がってきます。この世界は誰が支配してい
るのかに深く関係するからです。
今回の英国のEUからの離脱によって、冷戦後に出現した世界
秩序が崩壊に向って歩みを進める先駆けになり、米欧の「大西洋
同盟」が危機に瀕する可能性があります。
日本にとって、今回の米大統領選の結果ほど安全保障に影響を
与えるものはないと思います。在日米軍はどうなるのか、日米安
保同盟はどう変化するのか。米大統領選の進行に合わせて、明日
から書いていくことにします。
──[孤立主義化する米国/001]
≪画像および関連情報≫
●下げ止まらないバルチック指数/世界景気懸念で日本株は
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[東京2014年7月22日ロイター]・・ばら積み船運賃
の国際市況を示すバルチック海運指数が下げ止まらず、1年
半ぶりの低水準となっている。船の供給過剰や季節要因が主
因だが、世界の貿易量の伸びが鈍化しているのではないかと
市場では警戒感が強い。高まる地政学リスクも、貿易のネガ
ティブ要因だ。連休明けの日本株は反発したが、世界経済の
減速懸念が強まるなか、ここ最近のレンジ内の動きに、とど
まっている。 http://bit.ly/29Dvx9y
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2つの重要指数