2020年12月22日

●「3波は既にピークアウトしている」(第5396号)

 何があってもGoToトラベルを続けるといっていた菅首相が
一番ショックを受けたのは、12月14日に発表になったNHK
の世論調査だそうです。12日には支持と不支持が逆転した毎日
新聞の世論調査も発表されていたのですが、毎日新聞は政権への
敵対度が高いと官邸は認めているので、NHKとはショック度が
違うようです。NHKの世論調査は「精度が高い」として、その
結果には強い関心度を持っているようです。14日のNHK世論
調査をまとめます。
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・NHK世論調査によりますと、菅内閣を「支持する」と答えた
 人は、先月の調査より14ポイント下がって42%、「支持し
 ない」と答えた人は、17ポイント上がって36%でした。
・新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感
 じるか聞いたところ、「大いに感じる」が40%、「ある程度
 感じる」が45%、「あまり感じない」が10%、「まったく
 感じない」が2%でした。
・新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応について、
 「大いに評価する」が4%、「ある程度評価する」が37%、
 「あまり評価しない」が40%、そして、「まったく評価しな
 い」が16%でした。
・政府は、観光需要の喚起策、「GoToトラベル」を延長する
 方針です。このまま続けるべきだと思うか、いったん停止すべ
 きだと思うか聞いたところ、「続けるべき」が12%、「いっ
 たん停止すべき」が79%、「わからない、無回答」が9%で
 した。              https://bit.ly/3apokHq
─────────────────────────────
 菅首相がこの調査で一番ショックだったのは、GoTo継続を
求める声が、わずか12%だった一方、一時停止を求める声は実
に79%に上がっことです。菅首相としては、これほどの反対を
押し切って、GoToをこのまま続けることは不可能と判断した
ものと思われます。
 この世論調査の結果を見ると、何となくあの緊急事態宣言によ
る「ステイホーム」が正しく、もう一度それをやって感染を押さ
え込む必要がある──というような雰囲気が現在日本に広がって
いるような気がします。確かにあの緊急事態宣言で、4月〜5月
にかけて、一応感染が押さえられたように見えたからです。
 そうではないという意見があります。4月〜5月にかけて感染
者数が減少したのは、ステイホームのせいではなく、あのとき緊
急事態宣言などせず、そのままにしておいたら、感染は3月末に
は、ピークアウトとして、その後自然減になっていったという学
者がいます。「週刊新潮」が一貫して取り上げている「目玉焼き
モデル」の考案者、あの宮沢孝幸准教授です。再登場です。
 テレビでは一向にこの人の名前は出てきませんが、宮沢氏は京
都大学のウイルス・再生科学研究所に所属している感染症のプロ
であり、宮沢説は、私は一聴に値すると思います。宮沢准教授は
このところ感染者数が増えている理由について、次のように述べ
ています。
─────────────────────────────
 感染者数がなかなか減らない理由の1つは、同じ第3彼のなか
の波、つまり第3の1波の終わりと、第3の2波の始まりが、重
なっているから。しかし第3の2波の高さは、第3の1波より低
くなると思われます。
 それに東京の新規感染者数は、数字上は600台でも、実際は
500人程度です。PCR陽性者数が増えているのは、濃厚接触
者を積極的に検査して無症候者を拾い上げているから。加えて、
他府県から送られてきた検体を都内の民間クリニックが検査し、
陽性反応が出たら都の陽性者としてカウントされているんです。
             ──「週刊新潮」/12月24日号
─────────────────────────────
 東京の感染者数は、「週刊新潮」発行時点より増えて、800
人台を超えています。しかし、菅政権が決断したGoToキャン
ペーンの一時停止について、宮沢准教授は「ナンセンス」である
として、次のように述べています。
─────────────────────────────
 GoToトラベルも12月28日から1月11日まで一時停止
になりましたが、ナンセンスです。GoToが良かったのは、あ
れだけの人が移動しても、感染の波はこの程度で収まるとわかっ
た点。停止すれば人々の心が冷え込みます。旅先で歓楽街に行か
ない、行ってもどんちゃん騒ぎやカラオケは控える、という対策
をすれば十分なのです。  ──「週刊新潮」/12月24日号
─────────────────────────────
 会食好きの菅首相にぜひアドバスしたいことがあります。毎日
こまめに会っている人たちのなかに、宮沢孝幸准教授を加えたら
どうでしょうか、と。きっと、よいヒントが得られるのではない
かとと思います。
 ところで、それに日本の新型コロナウイルス対策がそんなに劣
悪なものか考え直す必要があると思います。英国の民放チャンネ
ルのリポーターを務めるジャーナリストのツイッターに6・3万
件もの「いいね」が付いたそうです。5月11日のことです。
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 日本の人口 1億2600万人
 コロナ死      624人
 イギリスの人口 6600万人
 コロナ死   3万1855人
 これは、どんな見積もりだったとしても驚くべき結果である
─────────────────────────────
 元国連職員、谷本真由美さんの本に出ていたものです。谷本さ
んにいわせると、いま世界は、日本のコロナ死の数が人口に比し
てあまりにも少ないので、注目のマトになっているそうです。
         ──[『コロナ』後の世界の変貌/140]

≪画像および関連情報≫
 ●「GoTo停止は意味がない。コロナ第3波は峠を越えた」
  京大ウイルス学者・宮沢孝幸氏の見解
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   コロナ第3波による「医療崩壊」の危機が連日報じられて
  いる。PCR検査によって炙り出された新規陽性者数は高止
  まりし、死者・重症患者ともに過去最高を更新。受け入れ上
  限に近づく病床の逼迫を危ぶむ声は日に日に大きくなってい
  る。「コロナ第3波」が猛威を振るっている――。
   医療現場からも、悲痛な叫びが聞こえる。大阪府のコロナ
  中等症専門病院・大阪市立十三市民病院では、11月末まで
  に医師と看護師ら32人が大量退職。北海道旭川でも、地域
  最大の基幹病院・旭川厚生病院で大規模クラスターが発生。
  「医療崩壊」を懸念する声も日に日に高まっており、日本医
  師会の中川俊男会長は「地域医療が瀬戸際に追い込まれる状
  況にあり、全国どこでも、起こる可能性が非常に高い」と主
  張。政府分科会の尾身茂会長も「ステージ3相当の地域は、
  GoToを含めて、人の動き・接触を控えるべき」と国会で
  答弁し、政府を牽制した。
   そして政府は12月28日から来年1月11日まで、Go
  Toトラベルの一時停止を発表。国を挙げた「抑圧政策」に
  再び舵を切ったようだ。そんななか、「すでに第3波はほぼ
  ピークアウトしている」と断言し物議を醸しているのが、京
  都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授だ。
                  https://bit.ly/2LIscJc
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「目玉焼きモデル」による感染拡大・収束のメカニズム.jpg
「目玉焼きモデル」による感染拡大・収束のメカニズム
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2020年12月23日

●「マスク軽視が米の感染拡大の原因」(第5397号)

 12月20日のことです。エズラ・ボーゲル米ハーバード大学
名誉教授が亡くなったそうです。米国では、有数の知日派であり
1979年に刊行された『ジャパン・アズ・ナンバーワン』は大
ベストセラーになったことで日本人にも幅広く知られています。
当時の日本人、かくいう私もそうですが、この本を読んで、内心
自信を深めたものです。
 エズラ・ボーゲル氏は、中国にも詳しく、中国に関する次の著
作もあります。
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        エズラ・ヴォーゲル著/益尾知佐子訳
            『現代中国の父/ケ小平』上
    エズラ・ヴォーゲル著/益尾知佐子・杉本孝訳
            『現代中国の父/ケ小平』下
                日本経済新聞出版社
─────────────────────────────
 日本経済新聞編集委員の大石格氏が、10年ほど前にボーゲル
氏に最近国際社会における中国の振る舞いが傲慢になっているの
ではないかと尋ねたところ、次のように答えたといいます。
─────────────────────────────
 いまの体制がいつひっくり返るかと心配で、彼らは夜もおちお
ち寝られないのだ。中国の外交姿勢が強硬になったのは、経済成
長でいい気になっているからではない。大国化すればするほど、
統治体制を維持するのが難しくなり、国内世論の動向に神経をと
がらせているからだ。        ──エズラ・ボーゲル氏
        2020年12月22日付、日本経済新聞より
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 先日、『世界のニュースを日本人は何も知らない』(ワニブッ
クス「PLUS」新書)という本を書店で見つけて、購入しまし
た。パラパラっとめくって読んでみると面白かったからです。1
と2の2冊セットです。
 著者の谷本真由美氏は、元国連職員で、シラキュース大学大学
院にて国際関係論および情報管理学修士を取得しています。日本
イギリス、アメリカ、イタリアなどの世界各国での就労経験があ
り、現在はロンドンに滞在しています。
 この本の「2」で、コロナ禍に関係する「マスク論」がとても
面白いので、これについてご紹介します。
 アンソニー・ファウチという人をご存知でしょうか。米国政府
のコロナアドバイザーで、米国立アレルギー感染症研究所(NI
AID)の所長です。トランプ大統領の側近も務めていましたが
大統領がコロナに関してデタラメなことをいうと、直後にそれを
訂正する、あの特徴的人物です。
 そのアンソニー・ファウチ所長は、2020年3月、マスク着
用が感染防止になることを否定し、テレビやインターネットで、
「マスクを付けるな」といいまくっていたのです。そのため、米
国では当初マスクの着用は否定されていたのです。何しろ、米国
立アレルギー感染症研究所の所長がそういっていたのですから、
当然といえます。
 確かに、3月まで米国はそういっていたのです。それを4月に
大修正を図っています。4月2日の「AFP=時事」によると、
次のようにその修正を認めています。
─────────────────────────────
【AFP=時事】これまで「マスク不要」とのメッセージを自国
民に向けて発信してきた米国だが、この勧告を見直す動きが出始
めている。これは、新型コロナウイルスとの闘いで、より大きな
成功を収めている一部のアジア諸国を見習ってのことだ。
 その背景にあるのは、無症状感染者の多くが気付かずに感染を
広めてしまっている状況だ。一般的な外科手術用マスクを着用す
ることで、薄い障壁がもたらされ、拡散を低減する助けになる。
この効果は手作りの代替用マスクでも同じだ。
                  https://bit.ly/3rjoZ3e
─────────────────────────────
 コロナ対策の先頭に立つファウチ氏のような専門家が、「マス
ク不要論」を唱えていたのですから、米国人が当然のようにマス
クを着用するのに大きな遅れが出るのは当然です。これが感染を
世界一にしてしまった大きな原因のひとつです。これについて、
谷本真由美氏は次のように述べています。
─────────────────────────────
 ところが日本や台湾、韓国では死者が少なく、感染者数も伸び
ていないことから、4月以降にアメリカは突然、手のひらを返し
たようにマスク着用の重要性を強調しはじめたのです。7月に入
ると、「店舗ではマスクを着用しなければならない」「交通機関
でも着用するように」と、一気にマスク重要論を唱えるようにな
るのですが、東アジアに比べれば、なんと遅い対応でしょうか。
 結果、感染が大爆発し、多くの人が亡くなりました。それでも
アメリカでは謝罪する人は大変少なく、諸外国のメディアもなぜ
かこの件にはほとんど異議を唱えていないのです。
                     ──谷本真由美著
      『世界のニュースを日本人は何も知らない2』より
            (ワニブックス「PLUS」新書)』
─────────────────────────────
 2020年7月上旬の時点で、公共の場で米国人がマスクを着
用している割合は約73%。これに対して日本は86%、シンガ
ポールは90%と大きな差があります。この73%も、61%の
アフリカ系、63%のヒスパニック系の着用が貢献したもので、
白人の着用率は41%に過ぎないのです。
 欧州はもっとひどいのです。英国人は36%、オセアニア州の
オーストラリアはたったの20%です。これらの国では「政府は
個人生活に介入するべきではない」と考える人が多く、マスク着
用率はどうしても低くなってしまうのです。
         ──[『コロナ』後の世界の変貌/141]

≪画像および関連情報≫
 ●新型コロナ、マスク着用率95%で米国死者数は3分の1に
  ───────────────────────────
   米国では、2020年2月初旬に新型コロナウイルス感染
  症(CОVID−19)による初の死亡者が記録されて以来
  9月21日までの累計死者数は19万9213人と報告され
  ている。そんななか、米国ではマスクの着用について今でも
  論争の的となっており、米国居住者で“常に”公共の場でマ
  スクを着用しているのはわずか49%である。州レベルで見
  ると、バージニア州、フロリダ州、カリフォルニア州での着
  用率は60%超の状況である。このように人口全体でのマス
  ク着用率95%の達成および維持は高い閾値のように見える
  が、ニューヨーク州のように達成している地域もある。
   今回、社会的距離の確保やマスク着用などさまざまな生活
  規制がどのような効果を生み出すのかを検証するため、米国
  ・IHME/CОVID−19フォーキャスティングチーム
  の研究員らが独自のCОVID−19死亡数予測モデルを作
  成した。その結果、米国全土で2021年2月28日までに
  CОVID−19による累積死亡者数は、51万1373人
  (46万9578〜57万8347)にのぼると予測された
  のである。一方で、マスクの着用が普遍的となれば、202
  0年9月22日〜2021年2月末までの間に、12万95
  74(8万5284〜17万0867)の命を救うことがで
  きると研究者らは明らかにした。 https://bit.ly/3nGtCSM
  ───────────────────────────
アンソニー・ファウチ所長.jpg
アンソニー・ファウチ所長
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2020年12月24日

●「なぜ欧米人はマスクを敬遠するか」(第5398号)

 マスクの話を続けます。2020年4月の話です。英国の民放
ITVの「GMB」という番組で、マスク論争が行なわれたので
す。GMBというのは「グットモーニング・ブリティン」という
番組です。司会を務める保守系のコラムニストのピアーズ・モー
ガン氏は、リモートで繋がっている複数のトップクラスの専門家
たちとマスクについて論争を繰り広げたのです。
 モーガン氏は、かねがね英国政府の新型コロナ対策には不満を
もっており、とくにマスクについては、「なぜ、着けないのか」
について疑問を感じていたので、それについて専門家から意見を
引き出したのです。その結果、専門家たちの意見は、次のような
ものだったといいます。
─────────────────────────────
 ・イギリス国民は、マスクの使い方を知らないから、使わせ
  るべきではない。
 ・もし、マスクを強制したら、手洗いを怠ったり、外出自粛
  を守らなくなる。
 ・そもそもマスクにウイルス予防効果があるというエビデン
  スは存在しない。           ──谷本真由美著
      『世界のニュースを日本人は何も知らない2』より
            (ワニブックス「PLUS」新書)』
─────────────────────────────
 英国人がなぜこういう考え方をするのかというと、もともと英
国人にはマスクをつける習慣がないことと、英国政府がWHОの
ガイドラインにしたがっていたからです。当初、WHОのガイド
ラインでは「健康な人がマスクをしても感染を予防できる根拠は
ない」といっていたからです。
 ところが東アジアの諸国では、明らかにマスクを着用する人が
多く、その因果関係はともかく、コロナによる死者も少ないこと
から、6月頃から「他人に感染させないために、マスクの着用を
推奨する」というようにガイドラインを改めたのです。感染抑止
の司令塔であるWHОからして、このようにしっかりしていない
ので、世界中で混乱が起きているのです。
 日本では、夏に日差しの強い日に色めがねをかける人は多いも
のの、冬や夜でも色めがねを掛けている人は「ヤバイ人」という
イメージがあります。日本人にとっては、「目を隠す」ことは、
あまりよいイメージではないのです。
 ところが欧米人にとっては、目ではなく、口元を隠す人は「ヤ
バイ人」のイメージなのです。そういう意味で、口元を隠すマス
クについて、あまり良いイメージは持っていないのです。これに
関して谷本真由美氏は、次のように述べています。
─────────────────────────────
 そもそも、彼らはマスクに対して大変な抵抗があるのです。な
ぜかというと、イギリスをはじめ欧州では、「マスクをする人=
異常な病気にかかった人」というイメージがあるからです。「マ
スクは一風変わった東洋の習慣」どころか、「マスクをしている
人間は、はっきりいって頭がおかしい」という感じです。
 これまでも、空港や街中でマスクをつける日本人や中国人は、
一定数のイギリス人のあいだで笑いのネタにされていました。東
洋にはそういう習慣があると知っている人も多いのですが、それ
でも「マスクをすると表情が見えず、気色が悪い」ので、「科学
的ではない馬鹿げたことをする東洋人はやっばり未開地の人間だ
ね」というのが彼らの本音です。──谷本真由美著の前掲書より
─────────────────────────────
 もうひとつ、欧米人にとっては、マスクをすることは、口を隠
すことになるので、他人とコミュニケーションをとるうえで不都
合なのです。なぜかというと、欧米人が誰かとコミュニケーショ
ンをとるときは、声だけでなく、相手の口の動きを見て判断する
習慣があるからです。
 ここから何を学べるかというと、それは異文化環境でのコミュ
ニケーション方法の学習は、声という言語学習だけでは不完全だ
ということです。「コミュニケーション」とは、言語と非言語の
チャネルを合わせた多面的なものであり、非言語チャネルに対す
る感度をもっと上げないと、効果的なコミュニケーションは取れ
ないのです。
 英語がうまく話せれば、欧米人とコミュニケーションが取れる
かというとそうではなく、音声としての言語に加えて、口の動き
や表情の変化や手や身体の動作など、人間は、様々なところから
メッセージを発しているので、その全てを読み取ることによって
よりよいコミュニケーションが取れるのです。文化によって、ど
のチャネルからのメッセージを受け取るかが違います。
 これと同じことを谷本真由美氏は次のように述べています。谷
本氏は、現在ロンドンに在住しているので、つねにそのことは肌
身に感じているといいます。
─────────────────────────────
 なぜ、口元を隠すことがヤバい人の特徴か。
 それは他人と話すとき、英語圏の人々は相手の口元を見て、何
をしゃべっているか判断しているからです。もちろん、音として
入ってくる言葉で内容を理解していますが、口元を見てその人の
感情や心を読み取っているのです。ですから口を隠すということ
は「自分の本心を隠す」ということ。
 英語圏の人と話をしているとよくわかりますが、会話中に口元
を手で押さえる動作をすると、「何を言っているかよくわからな
いから、手をどけてくれ」と言われることがあります。幼稚園や
小学校でも子どもが口元を見せずに話すと先生にひどく怒られま
す。これは実際、息子の学校で授業を見ていて気がつきました。
また日本女性がよくやるように、笑う際に口元を手で隠す動作も
不気味に思われることがあります。
               ──谷本真由美著の前掲書より
─────────────────────────────
         ──[『コロナ』後の世界の変貌/142]

≪画像および関連情報≫
 ●欧米人がマスク嫌いだったのはなぜ?日本との「美意識」
  の違い/サンドラ・ヘェフェリン(コラムニスト
  ───────────────────────────
   新型コロナに脅かされる生活がすっかり世界の「日常」と
  なってしまった今、欧米でもマスク姿の人は珍しくもなんと
  もありません。しかしつい何か月か前の「新型コロナ以前」
  の欧米社会を思い出してみると、欧米人のマスクというもの
  に対する「アレルギー」は相当なものでした。
   筆者は以前より、予防のためにマスクをすることがしばし
  ばあったのですが、マスクを着用している日に、仕事などで
  うっかりドイツ人に出くわしてしまうと、必ずといっていい
  ほど彼らからツッコミが入ったものです。「この間、会った
  時もマスクだったね。本当に君はマスクが好きなんだね」と
  皮肉を言われることもあれば、意味ありげに「君は本当に日
  本人なんだね」と言われたりと、とにかく「余計な一言」が
  多かったと記憶しております。また、何も言わなくても、け
  げんな顔をしてこちらを見る人もいました。
   日本国内にいるドイツ人でさえそうなのですから、ドイツ
  国内でのマスクに対する人々の拒否反応は、すごいものでし
  た。私自身、勇気がなくて、現地でマスクをして歩いたこと
  はありません。それもそのはず、新型コロナが現れる前のド
  イツでは、マスク姿というと、銀行強盗もしくは不審者とい
  うイメージでした。欧米人にとって「相手の顔が見えない」
  というのは、怖くて不気味なことだったのです。
                  https://bit.ly/2JhaYC2
  ───────────────────────────
マスクをする欧米人.jpg
マスクをする欧米人
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2020年12月25日

●「疑惑が噴出/支持率低落の菅政権」(第5399号)

 12月22日、安倍前首相が、「桜を見る会」の前夜祭の経費
補填の問題で、東京地検特捜部の任意の事情聴取を受けたとの情
報が師走の街に広がっています。それがいつどこで行なわれたか
はわかっていませんが、前総理とはいえ総理大臣が検察から事情
聴取を受けるとは、あってはならないことです。
 情報によると、安部事務所の依頼を受けて、さる大物のヤメ検
弁護士が検察とひそかに折衝し、安倍前首相の事情聴取と秘書の
略式起訴を決めたといわれます。いわゆる秘書に全てを押し付け
て、政治家は安全地帯に逃げる、あの「秘書が、秘書が・・」の
パターンですが、検察にとっては、秘書が全てをかぶってしまう
と、非常に攻めにくいことになります。なぜなら、起訴するには
安倍前首相がその事実を知っていたということを証明しなければ
ならないからです。
 安倍前首相は、民主党(当時)から政権を奪取した翌年、すな
わち2013年から「桜を見る会」の前夜祭(後援者会)をやっ
ています。このときの会費との差額は83万円でしたが、この金
額はその年の政治資金収支報告書に記載されています。ところが
2014年から2019年までは記載がないのです。なぜ、記載
をやめたのでしょうか。
 それは、2014年に小渕優子経産相が似たケースで辞任に追
い込まれたからです。その事実ひとつとっても、安倍前首相が会
費との差額補填について、知らなかったとはとても思えないので
す。当然秘書としては、安倍氏に相談するでしょうし、その相談
の結果、政治資金収支報告書には記載しないことに決めたに違い
ないのです。秘書の一存でやったとはとても思えないし、安倍前
首相が知らないはずはないと思われるからです。
 「会費は参加者それぞれがホテル側に支払い、事務所は一切関
与していない。だから、政治資金収支報告書には記載する必要は
ない」と安倍首相はいっていましたが、そう思わせる偽装を施し
ています。情報によると、前夜祭のパーティの会費の回収はホテ
ル関係者が行ない、後日、ホテル側から安部事務所に差額の請求
が行われ、事務所がその金額を支払うというかたちになっていま
す。これによって、あたかも前夜祭の会費は5000円であると
いう印象付けが後援会員に対して行なわれたのです。
 検察が安倍前首相を不起訴にし、公設第一秘書を「政治資金収
支報告書(不記載)」で略式起訴すると、罰金刑になりますが、
この手の事件は、不起訴はおかしいとして、確実に検察審査会に
持ち込まれ、審議されることになります。それでも、検察審査会
でも安倍前首相を起訴することは困難と思われます。
 しかし、たとえ不起訴になっても、安倍前首相には重い政治責
任があります。それは、国会で何回もウソの答弁をしたという重
い責任をどう取るかです。「桜を見る会」の前夜祭については、
衆議院調査局の調べによると、ウソの答弁とされるものは次の3
つがあり、その回数は「118回」になるのです。
─────────────────────────────
  ◎「事務所は関与していない」 ・・・・・・ 70回
   2019年11月20日  参院本会議
   2019年12月 2日  参院本会議
   2020年 2月 5日  衆院予算委
   2020年 3月 4日  参院予算委
  ◎「明細書はない」 ・・・・・・・・・・・ 20回
   2019年11月20日  参院本会議
   2020年 2月17日  衆院予算委
  ◎「差額は補填していない」 ・・・・・・・ 28回
   2019年11月20日  参院本会議
   2020年 2月 6日  衆院本会議
   2020年 3月 4日  参院予算委
  ―――――――――――――――――――――――――
                       118回
        ──2020年12月23日付、朝日新聞朝刊
─────────────────────────────
 118回は、「桜を見る会」の前夜祭──安倍晋三後援会の会
費補填という問題だけに絞ったウソですが、いわゆる森友問題に
ついても、安倍前首相は事実と異なる答弁を139回もしていま
す。これも衆議院調査局の調査です。
 もっとも裁判における証人と違って、国会で虚偽答弁をしても
罪に問われることはないのです。しかし、国会で平然とウソを何
回もつかれると、国会での議論は成り立たなくなります。この責
任をどう取るかが問われます。いずれにしても、この問題はこの
まま放置しておくわけにはいかないのです。
 朝日新聞は、12月23日の社説に「安倍氏は喚問に応じよ」
と題して次のように書いています。
─────────────────────────────
 公開の場でなされた虚偽答弁をただすのは、やはり公開の場で
なければならない。中曽根康弘、竹下登、細川護熙各氏ら、首相
経験者が予算委員会の証人喚問で疑惑を弁明した先例もある。安
倍氏は国会での説明に「誠実に対応したい」と語った。ならば、
ウソをつけば偽証罪に問われる証人喚問に堂々と応じるべきだ。
      ──2020年12月23日付、朝日新聞「社説」
─────────────────────────────
 最近菅政権は、麻生政権のときと似てきているといわれます。
確かに高支持率でスタートしたのに、就任直後の解散を回避し、
2〜3ヶ月後に支持率は急落しています。世界的に経済に影響を
及ぼしているものとして、麻生政権ではリーマンショックによる
経済不況、菅政権にはコロナ禍があります。それに、衆院選は、
ともに1年を切っています。それでは、麻生政権のときのように
政権交代は起きるかといえば、今のままでは困難です。野党の支
持率は低いままです。本号は、今年最後のEJになります。読者
の皆様、良いお年をお迎えください。新年は1月4日から新テー
マです。 ──[最終回/『コロナ』後の世界の変貌/143]

≪画像および関連情報≫
 ●菅政権、麻生政権と似てきた?支持率急落、解散先送り
  ───────────────────────────
   菅義偉政権が12年前の麻生太郎政権に「似てきた」との
  見方が広がっている。ともに発足時は高水準だった内閣支持
  率が急落。それぞれ新型コロナウイルス禍、リーマン・ショ
  ックの影響を受け、就任直後の衆院解散を見送った。当時の
  麻生首相は追い込まれた末の衆院選で大敗し、野党に転落し
  た。菅首相もこの轍(てつ)を踏むことになるのか。
   「麻生さんの時と似ている。麻生さんも高い支持率から始
  まって、がくっと落ちた」。自民党中堅は菅政権の現状をこ
  う指摘した。立憲民主党幹部も「麻生政権と似てきた。首相
  に就任した時が最大の(衆院解散の)チャンスだった」と振
  り返った。
   麻生政権では、自民党内で首相退陣を迫る「麻生降ろし」
  が激化。当時を知る麻生派関係者は「来年度予算案が成立し
  たら『菅降ろし』が始まるかもしれない」と穏やかでない。
  だが、時の総理総裁を引きずり降ろすのは容易ではない。結
  局、麻生政権はそのまま衆院選に突入した。
   支持率の推移だけでなく、2人の言動も重なる。新型コロ
  ナ感染対策として菅内閣が国民に大人数の会食を控えるよう
  呼び掛ける中、菅首相は民間人ら約15人と飲食。この後、
  銀座の高級ステーキ店で自民党幹部ら7人との会食に参加し
  海外メディアからも批判的に報道された。インターネット番
  組で「ガー・スーです」と自己紹介したことも失笑を買い、
  政権幹部は、「このタイミングで『ガースー』はない」と嘆
  いた。             https://bit.ly/3rsHNgG
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麻生政権のときと似てきた菅政権.jpg
麻生政権のときと似てきた菅政権
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 『コロナ』後の世界の変貌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする