2001年05月07日

車内での携帯電話使用の是非(EJ609号)

 社団法人/倫理研究所が発行している『職場の教養』(200
1年5月号)という小冊子に次の話が出ています。
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 『石川県に住むOさんがバスに乗ったときのことです。バスが
 発車するとすぐに、隣の席の若い女性から「すみませんが、携
 帯電話をかけてもよろしいでしょうか」と尋ねられました。
  Oさんが「どうぞ」とこたえると、彼女は小さい声で、話し
 始めました。そしてわずかな時間、二言三言話した後「すみま
 せんでした」とあいさつして携帯電話をバッグの中にしまった
 のでした。彼女の態度に感心したOさん、「あなたのような礼
 儀正しい人は初めてです」と声をかけ、晴れやかな気持ちでバ
 スを降りたそうです』。(5月2日のテーマ「携帯電話」)
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 現在では、電車やバスの車内で携帯電話を使うことはマナー違
反ということになっています。そうであるとすると、Oさんに誉
められた若い女性の場合、Oさんに断ったとはいえ、バスの車内
で携帯電話を使うこと自体はマナー違反となります。それも、外
部からかかってきた電話に断って出たのではなく、自分でかけた
のですから、なぜバスを降りてから電話できなかったかといえな
くもありません。
 最近車内での携帯電話禁止のアナウンスは、その内容がかなり
きつくなっています。私が利用している西武池袋線では、およそ
次のようにアナウンスしています。
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 『車内での携帯電話のご利用は、他のお客様のご迷惑になりま
 すので、電源スイッチをお切りくださいますようお願いいたし
 ます。携帯電話は電車を降りてから、ご利用ください』。
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 このアナウンスによって車内で携帯電話を使って電話をかける
人は減少したと思います。車内で電話をかけている人はかかって
きた電話に出る人がほとんどであり、自らかけるケースはかなり
減ったと思います。それなりの抑止力にはなっているのです。
 しかし、携帯電話を使ってメールを送受信したり、ウェブサイ
トにつないだりすることはどうなのでしょうか。一切ことばを発
しないのですから、他のお客の迷惑にはならないと思います。
 西武線では「電源スイッチを切れ」といっていますが、それは
かかってくる電話をシャットアウトしたいという意図からだと思
います。しかし、「電源を切れ」といっても誰も切らないし、私
も切りません。ビジネスでかかってくる電話もあるからです。
 車内で携帯電話を禁止する目的は、「車内では声高に話をしな
い」ということに尽きると思います。よく車内にグループで乗り
込んできた一団が、騒がしく話していることがありますが、そう
いうことをそのままにしておいて携帯電話だけを使用禁止しても
問題は解決しないと思うのです。
 着信音をバイブレータに切り替えたり、車内からかけることは
極力自粛し、かかってきた電話には小さい声で「いま車内だから
降りたらかけ直します」といって切るということを守れば、それ
でよいと思うのです。
 2〜3年前に大阪に行ったとき、JRで次のアナウンスを聞い
たのを覚えています。
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 『車内での携帯電話のご利用は控えめにお願いします』
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 私はこのアナウンスを非常に好ましいと感じたのです。東京の
JRでは聞かないアナウンスだったし、実態に合っていると考え
たからです。しかし、現在このアナウンスは大阪でもやっていな
いと思います。
 しかし、別な観点から車内での携帯電話の利用をやめるべきで
あると指摘もあります。それは「電磁波」の問題です。携帯電話
を使うと電磁波が出て、ペースメーカなどの医療機器に影響を与
えるというものです。
 これで思い出されるのは、飛行機に乗ったときに行われる次の
アナウンスです。
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 『機内での携帯電話のご利用は、航空計器に影響を与えること
 がございますので、ご利用をお控えくださいますようお願い申
 し上げます』。
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 このアナウンスに関しては、乗客は素直に電源スイッチを切る
人が多いはずです。それによって「航空計器に異常が生じて、飛
行機が墜落しては困る」からです。
 しかし、携帯電話の電磁波の問題は今のところ影響はなさそう
です。といっても現時点では有害であるという証明もできない代
わりに、無害であるという証明もない状態なのです。少なくとも
ペースメーカなどには異常を与えないようです。
 ただ、これは携帯電話を車内で使う、使わないという問題では
なく、携帯電話そのものが人体に危険であるかどうかの問題なの
です。
 電磁波というのは、電気と磁気の波のことであり、電気の流れ
るところには必ず電磁波が発生します。携帯電話が危険といわれ
る根拠は、携帯電話が電磁波の中でもマイクロ波という電子レン
ジと同じ領域の電波を出したり受けたりするように作られている
ことにあります。
 しかも、携帯電話は直接耳に当てて使うものであり、脳や眼が
影響を受けやすいのです。耳は、その至近距離に眼や脳があるの
でもし害があるとすると極めて危険ということになります。
 もっともあらゆる電気製品はすべて電磁波を出しますが、携帯
電話は電子レンジと同じに200ミリガウスというマイクロ波を
出すことがわかっています。この電磁波は、危険であるかどうか
検証する必要があります。明日のEJでは、この電磁波について
研究してみたいと思います。
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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