2008年02月25日

●京都議定書とは何か(EJ第2271号)

 今日から京都議定書の話をしたいと思います。ところで、京都
議定書というのは何だかご存知でしょうか。
 このようにいうと、失礼な、そんなことは知っている――とい
う人は多いと思います。世界各国が集まって、温室効果ガスの排
出量の削減を各国が数値を約束して決める國際条約である――確
かにその通りです。
 しかし、本当の意味で京都議定書の狙いや中身について知って
いる人は少ないと私は思います。結論からいえば、お人好しの日
本は、ドイツやイギリスなどのヨーロッパ勢から詐欺まがいの國
際条約を結ばされていたといえるのです。いったい日本の政府や
環境省は何を考えてこれまで仕事をしてきたのでしょうか。
 ところで、温室効果ガスとは何でしょうか。そんなもの二酸化
炭素に決まっているという人は多いでしょうが、温室効果ガスは
次の6種類と決められているのです。二酸化炭素(CO2)だけ
ではないのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
         1.二酸化炭素/CO2
         2.メタン/CH4
         3.一酸化二窒素/N20
         4.フロンガス/HFC
         5.フロンガス/PFC
         6.フロンガス/SF6
―――――――――――――――――――――――――――――
 これら二酸化炭素以外のものは、日常生活で使わなくても何と
かなるのです。しかし、二酸化炭素の排出量を減らすということ
は、使うエネルギー自体を減らすことを意味するのです。エネル
ギーを減らせば、生活レベルを下げなければならないのです。
 人間が使っているエネルギーや材料のほとんどは「還元された
炭素」――元素記号C――なのです。人間はその炭素Cを酸素O
と結合させて二酸化炭素CO2になるときに出る熱をエネルギー
として利用しているのです。こうした「還元された炭素」以外の
エネルギーというと、原子力と太陽熱ぐらいしかないのです。
 ここで、添付ファイルのグラフを見ていただきたいのです。こ
れは日本のエネルギーの供給実績をグラフにまとめたものです。
第2次世界大戦が終わってしばらくしてから日本の産業が動き出
す時点が「2500PJ(ペタジュール)」だったのです。この
時点での日本のエネルギー自給率は80%――石炭を掘って自給
していたのです。
 しかし、日本の爆発的経済成長は、とても石炭ではカバーでき
ないことがわかり、外国から積極的にエネルギーを確保し、石炭
を掘ることをやめたのです。かくして、日本のエネルギーの自給
率は、6.3%まで下がってしまったのです。しかし、その石油
によって日本は豊かな国になっていったといえます。
 しかし、1973年に第1次石油ショックが襲い、日本はこの
時点で省エネルギー化を進めます。それから10年後の第2次石
油ショックを経て1997年のバブル崩壊まで、エネルギー消費
量は右肩上がりで上昇しますが、石油の割合は1973年のレベ
ルを維持し、その差分を天然ガスや原子力がカバーしたのです。
 原子力発電所――いわゆる原発は、たびたび深刻な事故を起こ
してそのつど反対運動が起きますが、今後この原発の技術が日本
を大きく助けることになるといえます。日本の原発の技術力は高
度であり、既に世界各国から引き合いが殺到しているのです。
 かくして現在は25000PJのレベル――1995年の10
倍になっているのです。このように日本だけではなく、現在の先
進国は石油のおかげで豊かな国になっているのですから、発展途
上国が二酸化炭素を増やすことには目をつぶるしかない――そう
いうわけで、京都議定書は先進国だけの条約になったのです。
 さて、京都議定書は「国際条約」です。国際条約というものは
各国首脳が会議の場で調印しただけでは発効しないのです。それ
ぞれの国が自国に持ち帰って議会の承認を得る――この手続きが
ないと発効しないのです。これを「批准」といいます。
 1997年12月、京都会議に集まった各国首脳は、それぞれ
国益を巡って激しい駆け引きを展開し、削減する割合を次のよう
に決めたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
    アイスランド ・・・・・・・  10%
    オーストラリア ・・・・・・   8%
    ノルウェー ・・・・・・・・   1%
    ニュージーランド ・・・・・   0%
    ロシア ・・・・・・・・・・   0%
    日本 ・・・・・・・・・・・  −6%
    カナダ ・・・・・・・・・・  −6%
    アメリカ ・・・・・・・・・  −7%
    欧州連合(EU) ・・・・・  −8%
―――――――――――――――――――――――――――――
 しかし、この条約には次の2つの条件が付いていたのです。そ
れがクリアされないと、条約は発効されないのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1.京都議定書では55ヶ国以上が批准して参加すること
 2.批准国のCO2排出量の合計が削減義務の55%以上
―――――――――――――――――――――――――――――
 これら2つの条件は既にロシアの批准でクリアされ、京都議定
書は発効したのです。しかし、二酸化炭素の削減はまともにやる
と、その国のエネルギー消費を抑制することになるので、国民生
活に深刻な影響を及ぼすことになります。
 そのため、さまざまな「逃げ道」が用意されているのです。ま
ず、目標が達成できなくても非難は受けるが、「罰」は設けない
とか、いくつかの国が集まって、グループとしての目標をクリア
すればいいとかです。これについては、明日のEJで述べること
にします。        ―――[地球温暖化懐疑論/13]


≪画像および関連情報≫
 ・「地球エネルギー収支」について
  ―――――――――――――――――――――――――――
  地球に入ってくる全てのエネルギーと地球から出ていく全て
  のエネルギーは、地球のエネルギー収支という1つの物理的
  なシステムと考えることができる。地球が得るエネルギーの
  合計と放出するエネルギーの合計は等しく、均衡が保たれて
  いる。「エネルギー収支」は分かりやすく広く使われている
  語であるが、実際はエネルギー(ジュール)ではなく「仕事
  率」(ワット)のことを示すため、「地球の仕事率収支」の
  ほうが正確な語である。       ――ウィキペディア
  ―――――――――――――――――――――――――――

日本のエネルギー供給実績.jpg
posted by 平野 浩 at 08:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 地球温暖化懐疑論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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