2008年02月20日

●環境危機を煽る環境省(EJ第2268号)

 環境省が――というより政府というべきでしょうが――ある意
図をもって、過度の環境問題訴求キャンペーンを展開していると
しか思えないことがたくさんあります。
 1997年に環境省――当時は環境庁が――地球温暖化を訴え
るマンガを出版したのです。そのマンガには「猛暑、大雨といっ
た異常気象、さらに干ばつ、洪水、高潮などの災害が世界中で起
こるかもしれない」という明らかに人々の恐怖を煽るシーンがこ
れでもか、これでもかと出てくるのです。
 実は例の「朝まで生テレビ」のさい、既出の薬師院仁志氏が、
そのマンガを持ってきて、国立環境研究所の江守正多氏に対して
「こんなオーバーなことを書いてあるが、あなたはどう思うか」
と迫るシーンがあったのです。
 しかし、江守氏は明らかに逃げ腰で、言葉を濁して取り合わな
かったのです。また、同じ席には前環境大臣の小池百合子氏もい
たのですが、これについては一言も発していないのです。自分の
大臣のときではないから、関係ないというのでしょうか。
 こういう話もあります。あるテレビ番組に武田邦彦氏が出席し
たときのことです。「異端児!武田邦彦氏」というテロップが流
れたのです。
 武田氏にいわせると、学者にとって「異端」といわれるのは名
誉なことであるが、自分はIPCCのデータに基づいて話したり
書いたりしているのになぜ異端なのか、それではIPCCが異端
だというのか――といっているのです。
 IPCCにはもちろん日本もお金を出しており、マスコミもそ
のデータを活用しているのです。IPCCの報告を忠実に伝えた
方が「異端」で、IPCCの名を借りて、極端に誇張されたデー
タを伝えた方が「正統」であるというのはおかしいではないかと
武田氏はいうわけです。
 それでは、IPCCの第4次報告書の内容が各国のメディアに
よってどのくらい違うかお目にかけましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
  ≪平均気温の上昇≫
   国   メディア      平均気温の上昇予測値
   ――――――――――――――――――――――――
   日本  NHK    ・・・ 6.4℃
   日本  環境省    ・・・ 2.4℃〜6.4℃
   英国  BBC    ・・・ 1.8℃〜4.0℃
   米国  NYタイムズ ・・・ 1.8℃〜4.0℃
  ≪海面水位の上昇≫
   国   メディア      海面水位の上昇予測値
   ――――――――――――――――――――――――
   日本  NHK    ・・・     59センチ
   英国  BBC    ・・・  28〜43センチ
―――――――――――――――――――――――――――――
 NHKが伝えた6.4℃の気温上昇と59センチの海面水位の
上昇値は、IPCCの第4次報告書において最も悲観的なシナリ
オでの価であり、しかも、一定の予測幅があるうちの最悪の数値
だけをもってきているのです。明らかに、危機を煽ろうとしてい
るとしか思えないのです。
 もっとも妥当な数字での平均気温の変化を考えてみることにし
ます。1971年から2000年の約30年間の平均値のデータ
を使うことにします。
―――――――――――――――――――――――――――――
    地球温暖化で上昇する気温 ・・・ 0.7℃
    東京と札幌の平均気温の差 ・・・ 7.4℃
    東京と那覇の平均気温の差 ・・・ 6.8℃
―――――――――――――――――――――――――――――
 地球温暖化で平均気温が上がったといっても、本当は30年間
でわずか0.7℃――東京と札幌の平均気温の差のわずか10分
の1でしかないのです。
 ところが、NHKではの数値は6.4℃――これは東京と那覇
の温度差なのです。つまり、東京の気温が那覇のようになってし
まうのです。確かにこれはIPCCの第4次報告書の最悪のシナ
リオの数値ではあるものの、あまりにも極端な数字なのです。そ
れは、東京が那覇のようになってしまうことで明らかです。
 しかし、実際にはそんなことはあり得ないことです。平均気温
が上がるといっても0.7℃です。せいぜい東京が静岡と同じ気
温になる程度の変化でしかないのです。それを「東京が那覇のよ
うになる」というのですから、日本のメディアや環境省は、明ら
かに極端な誇張をしていることになります。
 IPCCの描くシナリオを大別すると次の3つになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
  1.資源を使いたい放題にし、対策をとらない/A1FI
    ・化石エネルギー源に依存する高度成長社会
  2.みんなで協力して温暖化を抑制したケース/B1
    ・各国と協力して対策を打つ持続発展型社会
  3.上記1と2のちょうど中間を行くシナリオ/A1B
    ・エネルギーのバランス重視の高度成長社会
―――――――――――――――――――――――――――――
 この3つのシナリオに対応するIPCCによる平均気温の予測
と海面水位上昇予測を次に示します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 IPCCシナリオ 平均気温予測値  海面水位上昇予測値
 B1  シナリオ 1.1〜2.9  0.18〜0.38
◎A1FIシナリオ 2.4〜6.4  0.26〜0.59
 A1B シナリオ 1.7〜4.4  0.21〜0.48
―――――――――――――――――――――――――――――
 これによると、日本は最悪のシナリオ◎――A1FIシナリオ
の数値をあえて予測していることになります。どうしてそういう
スタンスを取るのでしょうか。――[地球温暖化懐疑論/10]


≪画像および関連情報≫
 ・武田邦彦氏プロフィール
  ―――――――――――――――――――――――――――
  1943年6月3日、東京都生まれ。1963年都立西高等
  学校卒業・1966年東京大学教養学部基礎科学科卒業。同
  年旭化成工業(株)に入社、1986年同社ウラン濃縮研究
  所長、1993年より芝浦工業大学工学部教授を経て、20
  02より名古屋大学教授 工学博士、専攻は資源材料工学。
  東京大学、京都大学、東北大学、横浜国立大学、早稲田大学
  立教大学、愛知大学などの非常勤講師、芝浦工業大学評議員
  学長事務代理、大学改革本部長代理、教務委員長、日本工学
  教育協会常任理事、JABEE工学一般審査委員長、非営利
  法人「おもしろ科学たんけん工房」「テクノ未来塾」理事な
  どを経験。
  ―――――――――――――――――――――――――――

武田邦彦氏と話題の著書.jpg
posted by 平野 浩 at 04:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 地球温暖化懐疑論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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