2008年02月18日

●不可解な環境省の翻訳ミス(EJ第2266号)

 1990年のIPCC第1次報告書の記述を再現します。その
意味を解明します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 北極の氷が融けても海水面とは無関係である。南極の氷は温暖
 化によって増えることはあっても減ることはない。
               ――IPCC第1次報告書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 まず、北極の氷の融解ですが、北極の氷がいくら融けても、海
水面は絶対に上昇しないのです。北極は陸地がなく、すべて氷の
塊なのです。水に浮かんだ氷が融けても水面の高さが変わらない
ことは、アルキメデスの原理で証明されているからです。
 アルキメデスの原理は、中学一年の理科で習っているはずです
が、復習しておきましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
 水中の物体は、その物体がおしのけた水の重量だけ軽くなる
                 ――アルキメデスの原理
―――――――――――――――――――――――――――――
 アルキメデスがこの原理を発見した有名なエピソードがあるの
です。ある金細工師は王様から王冠の制作を依頼され、金塊を預
かります。しかし、その金細工師は金に混ぜ物をし、金の一部を
使わないで王冠を作ったのです。ところが、金細工師が王様の金
を盗んだといううわさが、広まってしまったのです。
 うわさを聞いた王様はアルキメデスに「王冠を壊さないで混ぜ
物をしているかどうか調べよ」と命じたのです。アルキメデスは
難問が解けずに困り果てていたのですが、ある日風呂に入ったと
ころ水が湯船から溢れ出すのを見て、その瞬間、後年「アルキメ
デスの原理」といわれるヒントを掴んだのです。
 アルキメデスは金細工師に渡したのと同じ重量の金塊を用意し
その金塊と王冠の両方をそれぞれいっぱいに水を張った容器に入
れ、こぼれ出る水の量を比較したのです。こぼれる水の量が同じ
なら不正はないし、違えば何らかの混ぜ物をしている証拠になり
ます。結局王冠を入れたときの方が多くの水があふれたので、金
細工師の不正が発覚してしまったのです。これが「アルキメデス
の原理」です。
 続いて、南極の氷はどうなるかです。南極の場合は大陸の上が
氷で覆われているという点が北極とは異なります。IPCCの報
告書には「温暖化によって氷が増えることはあっても減ることは
ない」と書いてあります。
 どういうことかというと、南極の周辺の海域が温暖化によって
海水の温度が上がると、多くの水蒸気が発生し、それが雪になっ
て南極大陸に積もって氷になるのです。つまり、温暖化はかえっ
て南極の氷を増やし、減ることはない――IPCCはこういって
いるのです。
 この理屈は、熱いお湯を入れたコップを冷蔵庫に入れてみると
納得できます。お湯は水蒸気になって、冷蔵庫に霜がつくはずで
す。南極もこの原理によって、氷の量は増加するのです。
 IPCCの数値をご紹介しましょう。
―――――――――――――――――――――――――――――
       海水面の上下動の数値(IPCC)
  報告年 北極海水の影響  南極氷床の影響 すべての影響
 1900       0  −0.0089   0.42
 1995    ――    −0.0091   0.44
 2001       0  −0.0680   0.32
                 ――武田邦彦著/洋泉社刊
          『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』
―――――――――――――――――――――――――――――
 これによると、北極の氷はアルキメデスの原理で「0」であり
海水面には影響はないですが、南極氷床の影響では数値がマイナ
スになっているので、海水面は下がるのです。しかし、全体の影
響の数値がプラスになっているので、海水面がわずかながら、上
昇していることを示しています。しかし、それは北極や南極の氷
が融けるからではなく、海の水が膨張するからです。
 以上のことは、世界中誰でもわかっている当たり前のことです
が、日本ではかなり多くの人が南極や北極の氷が融けて海水面が
上がると思っています。これはマスコミの責任です。
 どうしてこのような基礎的な間違いが起こったのかを追求した
ところ、なんと、環境問題の勧進元である環境省の「環境白書」
の翻訳ミス――ミスでは済まない――であることがわかったので
す。指摘をしたのは、中部大学教授武田邦彦氏で、これについて
次のように述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 日本の環境省の「環境白書」は、20年にわたってIPCCの
 発表データを反対の方向に「誤訳」し、日本国民をミスリード
 してきたのである。私の研究室の学生が、環境省に「IPCC
 の報告には、南極も北極の氷も、ほとんど海水面の上昇には関
 係ないと書いてあるのに、環境白書には地球が温暖化すると南
 南極や北極の氷が融けて海水面が上がると書いてありますが、
 これはどういう理由からですか」と電話で抗議したところ霞ヶ
 関の官僚は「IPCCの長い英語を日本語に訳しているうちに
 表現が逆になった」と言い訳したが、余りに稚拙でないか。
 ――『暴走する「地球温暖化論/洗脳・煽動・歪曲の数々」』
               より武田邦彦氏/文藝春秋社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 添付ファイルは、「環境白書」に書かれている文章を武田教授
チームが1980年からまとめたものです。毎回、北極と南極の
氷が融けたら、海水面が上がることを示しています。
 これは、環境省のミスなのか、それとも世論操作のための意図
的な捏造なのでしょうか。マスコミは、このデータに騙されたこ
とになります。環境省の役人は、この程度の英語もできない人が
揃っているのでしょうか。  ――[地球温暖化懐疑論/08]


≪画像および関連情報≫
 ・IPCCとは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  「気候変動に関する政府間パネル」/IPCCというのは、
  ――Intergovernmental Panel on Climate Change ――国際
  的な専門家でつくる、地球温暖化についての科学的な研究の
  収集、整理のための政府間機構である。学術的な機関であり
  地球温暖化に関する最新の知見の評価を行い、対策技術や政
  策の実現性やその効果、それがない場合の被害想定結果など
  に関する科学的知見の評価を提供している。数年おきに発行
  される「評価報告書」は地球温暖化に関する世界中の数千人
  の専門家の科学的知見を集約した報告書であり、国際政治お
  よび各国の政策に強い影響を与えつつある。
                    ――ウィキペディア
 ――――――――――――――――――――――――――――

「環境白書」のウソ.jpg



posted by 平野 浩 at 04:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 地球温暖化懐疑論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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