2008年02月07日

●地球の平均気温は上がっているか(EJ第2260号)

 まず、「地球の平均気温は明らかに上りつつある」ということ
が本当に正しいのかどうかについて考えてみたいと思います。こ
れは、昨日のEJで渡辺正東京大学教授が地球温暖化を生み出し
た3つの要因――「科学」「仮説」「憶測」――のうち「科学」
に入れていた部分です。
 われわれは「科学」といわれると、素直に信じてしまって疑う
ことをしませんが、環境問題に対してはそれが事実であるのかど
うか慎重に検証する必要があると思うのです。
 地球の平均気温が上昇していることを示すデータはいろいろあ
りますが、よく使われるデータのひとつに、NASA・ゴダード
宇宙研究所(GISS)が公表している次のデータがあります。
―――――――――――――――――――――――――――――
 http://data.giss.nasa.gov/gistemp/graphs/Fig.A2.lrg.gif
―――――――――――――――――――――――――――――
 細かい変動はありますが、1900年頃から1940年頃まで
平均気温は上昇を続け、40年間で約0.4℃上昇しています。
ところが、それから1970年頃まではむしろ下降気味で、30
年間に約0.2℃下がっているのです。
 しかし、それからは一気に上昇に転じて、現在までの35年間
で0.5℃以上上昇しています。しかし、このグラフには出てい
ませんが、現在ピークに達している気温は過去にも経験したこと
がある気温なのです。
 一方においてこういう事実があります。静岡県の網代や伊豆半
島の三宅島では、1940年頃から1990年頃まで気温はほと
んど変わっていないのです。それから、グリーンランド、アラス
カ、昭和基地やアムンゼン・スコット基地(南極)などの気温変
化のデータも、1940年頃から現在にいたるまで、これらの地
域の温度はほとんど上昇も下降もせずに推移しています。地球規
模の温暖化というのであれば、全地球的に気温の変化が起きてよ
いはずですが、必ずしもそうなってはいないのです。
 地球温暖化を実証するもうひとつ有名なデータがあります。そ
のデータを添付ファイルに付けています。これは、古気候学者の
マイケル・マンという人が計測したデータです。
 マイケル・マン氏はまだ若い学者とのことですが、彼は気候変
動に関する政府間パネルであるIPCCの有力な執筆者の一人で
あり、大変有能な気象学者であると評判です。
 IPCCとは、国際的な専門家でつくる、地球温暖化について
の科学的な研究の収集・整理のための政府間機構のことです。純
粋な学術的な機関であり、地球温暖化に関する最新の知見の評価
を行い、対策技術や政策の実現性やその効果、それがない場合の
被害想定結果などに関する科学的知見の評価を提供しています。
 マンのデータの特色は、過去の1000年間の気温データにつ
いては、樹木の年輪幅の変化などから推測した代替データである
という点です。なぜ、「ホッケースティック曲線」なのかという
と、20世紀以前の気温変化は小さく、20世紀になって急激に
上がっており、形がホッケースティックに似ているからそう呼ば
れるのです。1月26日の「朝まで生テレビ」でも司会の田原総
一郎氏は、このマンのデータを紹介しているのです。
 このマンのデータについて、地球温暖化の懐疑論者である伊藤
公紀横浜国立大学教授は、次のように述べています。もちろん、
伊藤教授も「朝まで生テレビ」に出席しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 マンのデータが正しいとすると、ヨーロッパでの氷河前進を生
 んだ小氷期や、バイキングがグリーンランドやアメリカ大陸に
 到達した10世紀頃の中世に存在したとされる温暖期は、単な
 る地域的な現象ということになる。しかし、2007年公開の
 IPCC第4次報告書に収録された新しいデータでは、小氷期
 や中世温暖期を明確に見ることができる。
 ――『暴走する「地球温暖化論/洗脳・煽動・歪曲の数々」』
                       文藝春秋社刊
―――――――――――――――――――――――――――――
 木の年輪の幅を調べる場合、原則的には次のように判定される
ことになります。
―――――――――――――――――――――――――――――
    年輪の幅が厚い ・・・・・ 気温が高い
    年輪の幅が薄い ・・・・・ 気温が低い
―――――――――――――――――――――――――――――
 もちろん、これだけで気温の高低を決めているのではなく、そ
れ以外の文書も調べて気温を測定しているのです。したがって、
学者によって結論に大きな差が出ることになります。
 例えば、既出のマイケル・マン氏は過去600年間で1980
年以降が一番暖かいという論文を書いていますが、同じデータを
使った別の学者によると、15世紀は現在よりも暖かかったと主
張しているのです。
 この10世紀以降数世紀の気温は「中世温暖期」といわれ、気
温はかなり高かったといわれています。バイキングがグリーンラ
ンドに上陸したとき、当時は草や木が多く生えて緑に覆われてい
たので「グリーンランド」と名付けたというのです。
 この中世温暖期の気温が現在の気温よりも高かったという学者
の説が正しいとすると、当時はCO2の影響など考えられないの
で、自然のサイクルの枠内に収まる現象とも考えられるのです。
 しかし、現在の気温が高いということを強調したい向き――地
球温暖化を前提にCO2の削減政策を推進したい一派の人は、中
世温暖期のことはふれたくないし、それが表面には出ていないマ
ン氏の「ホッケースティック曲線」を採用したくなる気持はそれ
なりに理解できます。
 このように「地球の平均気温は高くなっている」という事実で
さえ、よく調べてみると、いろいろ疑問符が付くのです。平均気
温の変化については、明日のEJでも引き続き検討したいと考え
ています。         ――[地球温暖化懐疑論/02]


≪画像および関連情報≫
 ・「中世温暖期」とは何か
  ―――――――――――――――――――――――――――
  中世の温暖期とは、ヨーロッパの中世に相当する時期、およ
  そ10世紀から14世紀にかけて続いたヨーロッパが温暖だ
  った時期を指す。この時期の温暖化は地球温暖化や温室効果
  についての議論でしばしば話題にされる。ヨーロッパではこ
  の時期、ヴァイキングが凍結していない海を渡ってグリーン
  ランドに入植するなど、より北方へ領土を広げたことが知ら
  れている。この温暖期のあと小氷期に入り19世紀まで寒冷
  な時期が続き、その後に現在の温暖化が始まっている。
                    ――ウィキペディア
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ホッケースティック曲線.jpg
posted by 平野 浩 at 04:27| Comment(1) | TrackBack(0) | 地球温暖化懐疑論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ピザテンフォーのyutakrslsonです。鯨の問題にせよ、環境問題にせよ、私たちは自分でモノを考えているつもりでも無意識に第三者に操られているのではないかと思えるときがしばしばあります。
自分の眼で確かめる、自分の頭で考えるという習慣を養わないと、とんでもないことになるような気がしています。だからこそ、マスコミ以外のブログのような存在も重要だと思います。
私は、私たちを操っているかもしれない、巨万な富を生み出すシステムに関してブログに記載してみました。是非ご覧になって下さい。
Posted by yutakarlson at 2008年02月07日 11:47
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