2007年10月19日

●現在のSLでやれることは多くある<最終回>(EJ第2188号)

 ここまで見てきたように、いろいろな制約があって、セカンド
ライフはいまだビジネスモードにはなっていないといえます。し
かし、現在の状態でもセカンドライフは工夫次第でいろいろ役に
立つのです。
 何度も強調したように、セカンドライフの本質はコミュニケー
ションにあります。現在のところ、セカンドライフでアバター同
士のコミュニケーションの方法には次の2つの方法があります。
―――――――――――――――――――――――――――――
     1.チャット
     2.IM――インスタントメッセージ
―――――――――――――――――――――――――――――
 はじめに話しかけるには「チャット」を使います。チャットは
近くにいるアバターと話をするときに使うのですが、複数のアバ
ターがいるスポットでチャットを使うと、周囲のアバター全員の
ディスプレーに会話が表示されます。
 ですから、特定のアバターに話しかけたいときは、その人の名
前を書いて呼びかけることが大切です。それに誰かがチャットを
やろうとしてメッセージを書いていると、アバターもキーボード
をたたいている格好をするので、すぐそれとわかります。
 このようにアバターと対話をしていると、アバターの格好をし
ていても、大体相手の人柄はわかるものです。そういうときは、
タイミングを見て「お友達になりませんか」と話しかけてみるべ
きです。逆に先方からそのように提案されることもありますが、
そのときの状況を見て受け入れるかどうかを判断します。
 友人登録の提案をして、友達として登録したいアバターを右ク
リックすると、丸いメニュー(パイメニュー)が表示されるので
「フレンドを追加」をクリックします。そうすると、画面上に確
認メッセージが出るので、相手が「受け入れる」をクリックすれ
ば、お互いの「フレンド画面」に名前が登録されます。もし、断
りたければ「辞退」をクリックすればいいのです。
 友人登録をすると、自分がセカンドライフに入ったとき、登録
した友達がその時点でセカンドライフに入っていれば、それがわ
かるようになっているのです。
 そしてその友人に対してはチャットではなく、IMで対話がで
きるのです。IMは1対1の対話であり、当人同士しか対話内容
はわからないので、商談やプライベートな対話に適しています。
 また、IMであれば、その友人がどこにいても対話が実現しま
す。具体的には、「IM」ボタンをクリックし、表示される「イ
ンスタントメッセージ」画面で、対話したい友達を選択し、「開
始」をクリックすればIM入力欄が表示されるので、メッセージ
を入力すればいいのです。
 このIMにしてもチャットにしてもサーバーを介さないので、
相手がネットワークに入っている――つまり、オンライン状態で
ある必要がありますが、対話のテンポが早く、実際の会話に近い
やり取りができます。企業経営者はここに注目すべきです。
 実は、このIM――普通のPC同士でも可能ですが、それぞれ
IMができるネットワーク環境を作ることが面倒です。しかし、
セカンドライフであれば、友人登録が前提ですが、対話したい同
士がセカンドライフに入りさえすればIMができるのです。
 例えば、本社のスタッフが福岡支店の支社長と打ち合わせをし
たい場合、メールでセカンドライフに入る時間を決めておけば、
IMで対話できます。相手の書いてきた文字を見ながらの打ち合
わせは、直接対話とも、メールのやりとりとも違う冷静で知的な
コミュニケーションができるのです。
 また、セカンドライフ内の会議室に各支店の幹部を集めての会
議はチャットを使えば、全員にメッセージが伝わるので、十分会
議になると思うのです。わざわざ出張することなく、単にPCの
前に座って、アバターを操作するだけで、会って話すのに近いコ
ミュニケーションがとれるのですから便利です。
 しかし、このチャットとIM――日本人同士はいいですが、相
手が外国人の場合は、相当の英語力がそこに要求されることにな
ります。しかし、言葉でやり取りするのではなく、文字でのやり
取りですから、相手が何をいっているかは日本人としては言葉の
会話よりもわかりやすいと思います。それにチャットは、とても
よい英語の勉強になると思います。
 現実の世界では、街を歩いている外国人に直接話しかけても相
手にされませんが、セカンドライフには、誰かと対話することが
目的で入っている人が多いのです。ですから、人が集まる外国の
SIMに思い切って入って、そこにいるアバターに話しかけてみ
ると意外に応えてくれるものなのです。
 セカンドライフについていろいろ述べてきましたが、セカンド
ライフは、今までなかった仮想空間なのです。本格的なビジネス
展開にはまだ時間がかかるものの、その本質を理解すれば、すぐ
にでも活用できることがたくさんあります。
 『月刊アスキー』の編集長である小林誠司氏は、その11月号
の巻頭言で、脳研究の第一人者である松本元氏の著作から、次の
文章を引用して、セカンドライフに言及しています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 どんなにインターネットで事実や考えが頻繁に飛び交う世の中
 になっても事実や考えを伝え合う情報だけでは 真の情報化社
 会とはいえない。人にとって情報化社会とは、人の心に潤いを
 与える、情の通い合う社会でなくてはならないわ けである。
      ――松本元著、『愛は脳を活性化する』 岩波書店
―――――――――――――――――――――――――――――
 一方方向のウェブサイトでモノを売るネット販売――これは相
手とコミュニケーションできない致命的な欠陥があり、ショッピ
ングの楽しみを奪っています。ネットショップをセカンドライフ
に連動すると十分なコミュニケーションが可能になるのです。何
かが変わる必要があるのです。今回のテーマの長い間のご愛読を
感謝します。     ――[セカンドライフ/52/最終回]


≪画像および関連情報≫
 ・小林誠司氏のメッセージ
  ―――――――――――――――――――――――――――
  最近、セカンドライフで何が楽しいのですかと聞かれること
  が多い。たいがい答えに窮してコミュニケーションだと説明
  するのだが、この本(松本元著の上掲書)を読み直して気が
  ついた。人と人との出会いが単に気持ちいいからであり、関
  係欲求を満たすため、つまり「快」を求めているのではない
  か。そう考えると、仮想世界は「情」を伝えられるメディア
  になったのではないかと感じるのである。
         ――『月刊アスキー/ascii/11月号』より
  ―――――――――――――――――――――――――――

『月刊アスキー』/小林編集長.jpg
posted by 平野 浩 at 04:25| Comment(0) | TrackBack(1) | セカンドライフ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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