2023年07月24日

●「日米の物価逆転し賃金は見送り」(第6000号)

 EJは、本日、第6000号に到達しました。土曜、日曜、祝
日を除いて日刊メールを送ると、1年で約250回、4年間経つ
と、約1000号になります。したがって、6000号というこ
とは、約24年間書いてきたことになります。今年に入ってから
の入院で、連続記録は未達成になりましたが、こんなに長い間書
き続けられたのは、読者のお蔭であり、厚く御礼申し上げます。
 これからも休刊はしばしばあると思いますが、できるところま
で、書いていきますので、今後ともEJをよろしくお願い申し上
げます。本当に有難うございました。
 21日の総務省の発表によると、日本の6月消費者物価指数が
米国を追い抜いています。7月22日の日本経済新聞の朝刊は次
のように報道しています。
─────────────────────────────
◎物価日米逆転/賃金は見送り/成長への好循環遠く
 /サービス価格弱い上昇
 日本の6月の消費者物価指数(CPI)は、生鮮食品を含む全
体の指数が前年同月比3・3%のプラスとなり、3・0%の米国
を追い抜いた。およそ8年ぶりの日米逆転だが、賃金の伸びは、
見劣りする。岸田文雄政権が目指す「物価と賃金の好循環」は遠
い。賃上げが進まないと消費が冷え、成長に響きかねない。
 総務省が21日発表した6月の消費者物価指数は変動の大きい
生鮮食品を除く指数が前年同月比3・3%上昇した。上昇率の拡
大は2カ月ぶりだ。日銀が物価安定の目標とする2%を15カ月
連続で上回った。3%以上になるのは10カ月連続となる。電力
大手による6月1日からの家庭向け電気料金の値上げが背景にあ
る。電気代は前年同月比12・4%のマイナスと、5月の17・
1%低下からマイナス幅を縮めた。
         ──2023年7月22日付、日本経済新聞
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 日銀は、7月27日と28日に日銀政策決定会合を開きますが
植田日銀総裁は、この問題に関しては何もしないと思われます。
中長期で見ると、日本の物価高は米欧とは大きな差があるからで
す。なぜなら、世界的にインフレが加速した2021年1月以降
から現在にかけて、米欧の物価は16〜17%上昇したのに対し
日本は5%にとどまっています。
 6月の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食料品を除く指数
が前年同月比3・3%上昇しています。これで日銀が物価安定の
目標としている「2%」を15カ月連続、3%以上になるのは、
10カ月連続になります。
 日銀が修正に動くとした場合、イールドカーブ・コントロール
(YCC)の修正ですが、この歪みはほぼ既に解消しており、7
月18日にインドで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・
中央銀行総裁会議の終了後、植田日銀総裁は、記者団に次のよう
に話しています。
─────────────────────────────
 前提が変わらない限り、全体のストーリーが不変であることは
申し上げられる。             ──植田日銀総裁
─────────────────────────────
 植田日銀総裁のこの発言を受けて、日銀の政策変更はないと見
て、20日の外国為替市場は1時「1ドル=139円台」の円安
にふれています。
 しかし、問題のあった2022年12月と現在の状況は、円安
は進んだものの、賃上げは高水準に行われ、今のところ大きな問
題はないとみられます。
─────────────────────────────
          23年7月        22年12月
 市場機能      改善傾向      利回り曲線に歪み
 コアCPI上昇率  3・2%          4・0%
 円相場(対ドル) 139円台         137円台
 賃上げ率   平均3・58%   平均2・07%/22年
     ──2023年7月20日付、日本経済新聞/電子版
─────────────────────────────
 さて、話を「物価」に戻すことにします。実際に物価はどのよ
うに把握されているのでしょうか。
 日本には「JANコード」といわれるものがあります。JAN
は、次の言葉の省略形です。
─────────────────────────────
      ◎JANコード
       Japanese Article Number Code
      ◎欧州/EANコード
       European Article Number Code
      ◎UPCコード/米国・カナダ
       Universal Product Code
─────────────────────────────
 これらのバーコードは、他のコードと重複することなく識別で
きるように設定するルールが国際的に定められています。このた
め、このコードを基に商品の名寄せや自社販売サイト及びデータ
ベースの整理に活用できます。
 例えば、商品名「明治ミルクチョコレート/50グラム×10
個」のJANコードは「4902777015927」です。冒
頭の49はこの商品が日本の企業によって生産されたことを示し
ており、次の02777は生産企業が株式会社明治であることを
それに続く015927が明治のミルクチョコレートという商品
名を表しています。
 この商品がスーパーで購入されると、この番号はレジに記録さ
れ、この商品が何月何日に、何円で、いくつ売られたかがわかる
ようになっています。したがって、この数値を把握すれば、物価
を計算することが可能になるというわけです。物価の計算は、こ
のJANカードが手掛かりになります。
           ──[物価と中央銀行の役割/010]

≪画像および関連情報≫
 ●JANコードとは?JANコードの数字にはどういう意味が
  ある?徹底解説!
  ───────────────────────────
   JANコードとは世界共通の商品識別番号で、商品につい
  ている「バーコード」で表示される。JANは、ジャパニー
  ズ・アーティクル・ナンバーの略であり、アーティクルは、
  「商品」「品物」を指す。POSシステムを運用する事業者
  には必須のコードである。
   また、JANコードはGSIコードとも呼ばれる。GSI
  は流通コードを管理する国際機関で、日本には、一般財団法
  人流通システム開発センターが運営するGSIジャパンがあ
  る。事業者はまず、GSIジャパンに申請してGSI事業者
  コードを取得して、商品ごとにJANコードコードを設定す
  る。JANコードには、13桁の数字で構成される標準タイ
  プと、8桁の数字で構成される短縮タイプの2種類がある。
  短縮タイプは、バーコードを印刷するスペースが限られる小
  さな商品で用いられる。標準タイプは、GSI事業者コード
  (10桁、9桁、7桁から事業者が選択する)、商品アイテ
  ムコード(2桁、3桁、5桁)、チェックデジット(1桁)
  で構成される。短縮タイプは、国コード(2桁)、GSI事
  業者コード(4桁)、商品アイテムコード(1桁)、チェッ
  クデジット (1桁)で構成される。
        https://diamond-rm.net/glossary/120140/
  ───────────────────────────
物価の伸びは6月に日米が逆転.jpg
物価の伸びは6月に日米が逆転
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 物価と中央銀行の役割 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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