2023年03月30日

●「ARMプロセッサHPC分野進出」(第5936号)

 ARMプロセッサが、スマホやIоTデバイス、ラズベリー・
パイや組み込み機器などの比較的小型電子機器などに幅広く使わ
れているだけでなく、いわゆる「ウインテル」がこれまで支配し
ていたPCの分野や、スーパーコンピュータなどへも進出してい
ることは、ここまでの記述でわかると思います。
 なぜ、そこまで普及したのかというと、ARMのプロセッサは
その性能に対して消費電力少ないことと、発熱が少ないことがメ
リットとして上げられるからです。この消費電力が少ないことと
発熱の少ないことが、コンピュータをはじめとするあらゆる電子
機器において、現在、最も重要になっているのです。
 そしていまARMがターゲットにしているのが、サーバー分野
への進出であり、それは既に始まっています。ARMのサーバー
分野への進出について、ARM日本法人の内海弦社長は、201
9年12月の講演で、次のように述べています。
─────────────────────────────
 一番最近ですと、サーバーやクラウドでも利用が始まっていま
す。サーバーやクラウドは、ほかのプロセッサで言う“パフォー
マンス重視”の場合の一番の牙城だったわけです。そこでも、だ
んだん電力消費が問題になってきたんですね。
 なぜかと言うと、サーバーのデータセンターを運営する場合に
エアコンの電気代もほぼ同じくらい電気を食っていることが、み
なさんもうおわかりになってきたんです。そうすると、どうやっ
て下げるかと言うと、一番電気を食っているプロセッサとストレ
ージの部分の電力を下げないといけない。電力の先鋒となるプロ
セッサに、電力効率がいいものが求められてきているというのが
現状でございます。         https://bit.ly/3TOvycC
─────────────────────────────
 まだ十分見えていないところが多いですが、ARMのサーバー
向けプロセッサについて、情報を集めてみることにします。AR
Mがサーバー専用プロセッサブランドとなる「ネオバース」を発
表したのは、米国における技術者向けのイベント「ARMテクコ
ン/2018」においてです。「ネオバース/Neoverse」は、サ
ーバー向けに設計されるプロセッサとなり、ARMとしてはこの
「ネオバース」によって、本格的にサーバー向けのプロセッサに
参入したことになります。
 現在、「ネオバース」は、「HPC4分野」といわれる分野に
おいて、着実に採用が拡大しています。「HPC4分野」とは次
の4つの分野です。
─────────────────────────────
      ◎HPC4分野/High Performance Computer
       @クラウドやデータセンター
       A5Gなどの無線通信インフラ
       Bネットワーク/エッジ機器
       Cスーパーコンピュータ
─────────────────────────────
 とくにAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)や、マイクロソ
フトの「アジュール」といったパブリッククラウドへの浸透で、
ARMとしては手応えを得ているといいます。
 ARM英国本社において、インフラストラクチャ事業部門・シ
ニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務めるク
リス・バーギー氏は次のように述べています。
─────────────────────────────
 現在、ARMのなかで、最も勢いのある事業は「車載」、そし
て「インフラ」である。       ──クリス・バーギー氏
─────────────────────────────
 @のクラウドレベルの採用において、アマゾンのAWSや、マ
イクロソフトのアジュールのほか、オラクルの「オラクル・クラ
ウド・インフラストラクチャ」、アリババの「アリババ・クラウ
ド」、テンセントの「テンセント・クラウド」などに採用が拡大
しています。
 Aの5Gなどの無線通信インフラ向けでは、レノボ、デル・テ
クノロジーズ、そして、HPE(ヒューレッド・パッカード・エ
ンタプライズ)が、「ネオバース」ベースのシステムをリリース
しています。
 今後、ARMのサーバー用プロセッサ「ネオバース」がどこま
で拡充するかについて、デル・テクノロジーは、次のような見解
を述べています。
─────────────────────────────
 デルとしては、x86サーバー(インテル系)がすべてARM
サーバーに切り替わるとは思っていません。x86サーバーとA
RMサーバーが共存する「ハイブリッドデータセンター」といっ
たイメージを描いています。
 PCやモバイル、スマートフォンなどの膨大なアクセスをさば
くには、高密度で、低消費電力のウェブサーバーが、多数必要に
なります。ウェブサーバーの上のレイヤでは、大規模なメモリ容
量を必要とするmemcached(メムキャッシュディ)、 データベー
ス、アプリケーションサーバーなどが必要になります。こういっ
たソフトウェアは、現状ではx86をベースとした既存のサーバ
ーが利用されると思います。
 将来的に、64ビットARM上で多くのアプリケーションやシ
ステムが開発され、成熟してくれば、いくつかの機能が、ARM
サーバー上に置かれるようになるでしょう。ただ、現状ではOS
やアプリケーションなどのソフトウェアが開発途上にあるため、
どこまでARMサーバーに置き替わるかわかりません。フロント
のウェブサーバーとして利用するには、現状でもARMサーバー
はメリットがあると思います。    https://bit.ly/42NtndC
─────────────────────────────
 HPC分野の話になると、技術的に難しい言葉がたくさん出て
くるので、内容を正確に把握するのは大変だと思います。
           ──[メタバースと日本経済/052]

≪画像および関連情報≫
 ●ARMは2025年までにデータセンター向けCPUの
  22%を占める
  ───────────────────────────
   台湾の調査会社トレンドフォース(TrendForce)は、クラ
  ウドサービスプロバイダーによるARM対応プロセッサの採
  用が進み、2025年までにデータセンターサーバにおける
  ARMアーキテクチャの普及率が22%に拡大すると予想し
  ている。
   3月下旬に発表されたレポートでは、ARMベースのクラ
  ウドインスタンスの設置台数を増やしているAWSが、AR
  MのCPU設計図が、サーバーに普及する大きなきっかけに
  なっていると指摘し、競合するクラウド事業者が、自社製の
  チップ設計でキャッチアップすることを余儀なくされている
  と述べている。この報告書には、先月NVIDIAがARM
  の買収に失敗し、その後ARMが米株式市場への再参入を計
  画していることが、サーバーの採用にどのような影響を及ぼ
  すかについては言及されていない。
   いずれにせよ、人工知能(AI)や高性能コンピューティ
  ングなどの分野でより大きな需要に直面するクラウドプロバ
  イダーにとって、こうした自社開発のARM互換チッププロ
  ジェクトは、より柔軟な対応を可能にしている。これがデー
  タセンターにおけるARMの採用が今後も続くと、トレンド
  フォースが考える大きな理由の1つだ。「テストが成功すれ
  ば、これらのプロジェクトは2025年に大量導入を開始す
  ると予想される」        https://bit.ly/3npzhBl
  ───────────────────────────
「ネオバースV2」.jpg
「ネオバースV2」
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | メタバースと日本経済 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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