分けられます。なお、ここでいうプロセッサとは、CPUのこと
であると考えていただいた結構です。
─────────────────────────────
ファブレス ・・ 工場(ファブ)を持たない設計専門の
半導体メーカー
ファウンドリ ・・ 半導体デバイスを製造する工場を持つ
半導体メーカー
─────────────────────────────
ファウンドリには2つがあります。設計から製造までを一貫し
て手掛けるメーカーと、製造に特化するメーカーです。前者が米
国のインテル、韓国のサムスン電子、後者に該当するのは、台湾
のTSMCです。
ところで、世界で有名な半導体メーカーといえば、クアルコム
アップル、エヌビディア、AMD、そしてARMが上げられます
が、これらはすべてファブレス、半導体を製造する工場を持って
いないのです。
もっともAMDは、インテルと同様に設計から製造を手掛けて
きたのですが、2012年に自社の製造部門を「グローバルファ
ウンディーズ/GlobalFoundries」 という別会社に分離し、AM
Dはファブレスになっています。ファブレスになってからのAM
Dは好調で、2019年にはCPU「ライゼン」を開発発売し、
販売台数シェアで、今やインテルを突き放しています。
忘れてはならないのが、日本の半導体メーカーとして誕生した
新会社「ラピダス」はファブレスかファウンドリかのどちらに属
するかです。ラピダスは、「2ナノプロセス以下の製造技術」を
掲げているので、当然、半導体の設計から製造までを手掛ける、
ファウンドリを目指しています。
このように考えると、世界の半導体メーカーのほとんどは、設
計専門のファブレスということになります。その設計専門のファ
ブレスのなかにあって、ARMが異彩を放っているのは、なぜで
しょうか。
この疑問に答えるのは、かなりテクニカルな説明が必要なので
この時点では、ARMの場合、同じ設計専門といっても、そのレ
ベルが違うということだけを申し上げておきます。つまり、AR
Mは、単なるファブレスではないということです。
ARMは、自社設計による半導体のテクノロジーを「知的財産
権」として開発し、半導体メーカーにライセンスを付与していま
す。知的所有権は、IPと呼ばれますが、IPは次の意味を持っ
ています。
─────────────────────────────
◎知的財産権/intellectual property rights
知的財産権(IP)は特許、著作権、商標などによって法律で
保護されている。こうしたことによって、イノベーターはその発
明もしくは創造によって社会的に認識され、かつ金銭的な利益を
得ることができる。
─────────────────────────────
それでは、ARMのビジネスモデルとは何でしょうか。
ARMのテクノロジーを利用するには半導体メーカーは、AR
Mに対して、ライセンス料を支払う必要があります。そのうえで
その後のチップの販売数に応じたロイアリティ(印税)を支払わ
なければなりません。
これを「2度取り」として、批判する向きもあります。しかし
この批判に対して、アーム株式会社代表取締役社長の内海弦氏は
次のように反論としています。
─────────────────────────────
これ(ロイアリティ)をやってこなかった半導体知財の会社は
ほとんど潰れているんですね。なぜ潰れるかというのは2つ理由
があります。まずはこれまでのお客様とちゃんと信頼関係を築い
ているのにもかかわらず、新興のお客様に「ロイヤリティはいり
ませんよ」と言ってビジネスモデルを崩しますと、大変信頼関係
が崩れるんですね。
一貫性を持ったビジネスモデルを30年近く続けていますと、
このモデルできちんと成功を共有できる。これは今となっては非
常にわかりやすいモデルで、リカーシブビジネスモデルとか言わ
れてますけれども。30年前は異端中の異端だったことは間違い
ないと思います。
最近では半導体メーカーさんだけじゃなくて、セットメーカー
さんにも直接ライセンスする形態もございます。日本ですと最近
は理研さん、富士通さんに使われました。スパコン「富岳」と言
います。ポスト京のスパコンですね。これなどにはセットメーカ
ーさんというかたちで、富士通さんと理研さんに対してライセン
スを行っております。
こういった先端のことをやられる企業さんの場合は、直接ライ
センスを持って設計に手を加えたいというケースがございます。
そういった場合は、ビジネスモデルとしては同じなんですけれど
も、セットメーカーさんからもまずライセンスフィーをいただい
て、そのあとロイヤリティもいただくことを一貫して行っており
ます。 https://bit.ly/3TqgCBn
─────────────────────────────
半導体の市場規模は40兆円ぐらいですが、それに乗っかるソ
フトウェアの市場規模は60兆円くらいになります。ハードウェ
アとセットの場合は、175兆円ぐらいに膨らみます。そのなか
にあって、ARMは、せいぜい約2000億円の企業であると、
内海社長はいいます。このままではいけないと内海社長は考えて
いるようです。ビジネスモデルを変革する必要がある、と。
それてにしても、ソフトバンクグループの孫正義会長は、何に
目を付けて、ARMを買収したのでしょうか。その意図について
も考察してみる価値があると思います。
──[メタバースと日本経済/047]
≪画像および関連情報≫
●半導体の特需は一巡、在庫調整は2023年後半まで続く
見込み(世界)/日本貿易振興機構ジェトロレポート
───────────────────────────
インフレの高進や、中国の新型コロナウイルス対策のゼロ
コロナ政策に伴う経済活動制限、ロシアによるウクライナ侵
攻の長期化などに伴う世界的な需要の低迷は、2021〜2
022年に過去最高額を更新する勢いで成長を遂げた半導体
市場にも、マイナスの影響を及ぼしている。とりわけ、デー
タの記憶保持の役割を担う半導体回路装置、すなわち、メモ
リー半導体に対する世界的な需要の減速は、同分野の主要メ
ーカーに対し、業績見通しの下方修正や投資計画の見直しを
迫る。半面、電気自動車(EV)をはじめとする車載向けや
データセンター向けに利用されるパワー半導体などの分野で
は旺盛な需要が継続しており、市場の二極化が進んでいる。
他方、最大の需要国の中国の経済失速や、2022年10
月以降の米国による半導体の対中輸出管理規制の強化に伴い
中国との取引に関わる半導体のサプライチェーンの再編を模
索する動きも徐々に進展することが見込まれる。グローバル
市場向けの半導体供給のハブである韓国、台湾の業界団体や
有識者の見方を中心に、半導体市況の変化と今後の市場の展
望を概観する。
WSTS(世界半導体市場統計)が2022年11月末に
発表した2022年秋季半導体市場予測によると、同年の世
界の半導体市場は前年比4・4%増と、前年の伸び(26・
2%増)から大幅に減速した。2023年については4・1
%減と、4年ぶりのマイナス成長を見込んでいる。
https://bit.ly/3Jxtj8K
───────────────────────────
ARMのビジネスモデル


