そもそも物質としては鉱石なのです。地球上には天然で存在する
ものだけでも90種類ほどの元素があります。しかしそのうち半
導体として使える素材はごくわずかです。
半導体とは、本来は、金属などの電気を通す「導体」とガラス
などの電気を通さない「絶縁体」の中間の性質をもった物質の名
前ですが、半導体を使ったトランジスタやダイオードなどの単体
素子や、それらを集積した集積回路などの「半導体デバイス」も
慣習的に半導体と呼んでいます。
半導体は、物質といっても次の2つに分けることができます。
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@単元素を材料としている半導体
A複数の元素を材料とする半導体
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@の単元素を材料としている半導体の代表は、シリコンやゲル
マニュウムです。1950年代頃までは主としてゲルマニュウム
とシリコンが使われていたのです。
Aの複数の元素を材料とする半導体では、純粋な結晶(真性半
導体)では、絶縁体に近いので、リンやヒ素などの不純物を添加
し、電気抵抗を低下させて導体に変化させる必要があります。複
数の元素を材料にした半導体では、高周波デバイスや光半導体と
して多く使われています。
トランジスタが発明されたのは1947年末のことですが、こ
のときは、ゲルマニュウムが使われました。1955年、当時、
東京通信工業と呼ばれていたソニーは、世界に先駆けて、トラン
ジスタラジオを商品化しています。この頃から日本は半導体の世
界で頭角を現していたのです。
このときは、ゲルマニュウムが使われましたが、その後の研究
の結果、実用化という点でのシリコンの優位性が確立し、現在で
は半導体(特に集積回路)といえばシリコンが使われています。
なぜ、半導体の材料としてシリコンが多く使われるのかについ
て述べておきます。
いくつか理由があります。1つはシリコンが地球上に多く存在
しており、材料として使う物量的な余裕があるということです。
実は、半導体材料に限らず、地球表面で存在するすべての物質で
考えても、2番目に多いのがシリコンです。
それでは、1番目に多いものは何かというと、それは50%近
くを占める酸素です。シリコンが使われるもうひとつの理由があ
ります。それは、加工のしやすさが上げられます。単に存在する
物質の多さだけで選ばれているのであれば、炭素も比較的豊富に
あるので、多く利用されても良さそうです。しかし、半導体材料
として使う場合の炭素は、加工がしにくいのです。
半導体のことを短い時間で知る良い方法があります。それは、
次の4つの動画を見ることです。30分足らずで全部見ることが
でき、半導体というものがよくわかります。
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@半導体の話/その1/6:08
https://bit.ly/3KY2PQu
A半導体の話/その2/5:55
https://bit.ly/3ZmdIjg
B半導体の話/その3/4:54
https://bit.ly/3ETc8wT
C半導体の話/その4/8:16
https://bit.ly/3EX1lSH
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1950年末のことです。1つのチップ上に複数の素子を搭載
する「集積回路(IC)」が発明されたのです。集積回路という
のは、半導体の表面に、微細かつ複雑な電子回路を封入した電子
部品のことです。この集積回路の行く末を示すものとなったのが
「ムーアの法則」と呼ばれるものです。
「ムーアの法則」は、インテルの創業者の1人であるゴードン
・ムーア氏が、前職のフェアチャイルドセミコンダクター在籍時
に、エレクトロニクスマガジン誌の35周年記念号に寄稿した論
文のことで、なんとか法則といわれるような科学の法則のような
厳密なものではなく、一種の経験則に近いものです。その論文に
おいてゴードン・ムーア氏は次のように書いています。
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部品あたりのコストが最小になるような複雑さは、毎年およそ
2倍の割合で増大してきた。短期的には、この増加率が上昇しな
いまでも現状を維持することは確実である。より長期的には、増
加率はやや不確実であるとはいえ、少なくとも今後10年間は、
ほぼ一定の率を保てないと信ずべき理由はない。すなわち、19
75年までには、最小コストで得られる集積回路の部品数は、6
万5000に達するであろう。 ──ゴードン・ムーア氏
https://bit.ly/3JeDznB
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添付ファイルをご覧ください。これは、ムーアの法則がどの程
度実現されているかを示しています。DRAM、NANDフラッ
シュメモリはムーアの法則の線とほぼ一致しています。プロセッ
サ(CPU)については、予測を若干下回っています。しかし、
2年で2倍のトレンドは維持しています。
このグラフは、日清紡マイクロデバイス株式会社のサイトに掲
載されている吉田典生氏のレポートに出ていたものです。驚くべ
きは、「Wafer Scale Engine」というディープラーニング(深層
学習)に特化したプロセッサです。これは、ムーアの法則の予測
とほぼ同じトランジスタ数をメモリ以外の製品で実現しているか
らです。通常のプロセッサの約100倍のトランジスタ数を、ど
のような手段で実現しているのでしょうか?「それはチップ面積
の最大化である」と吉田典生氏はいっています。
──[メタバースと日本経済/037]
≪画像および関連情報≫
●Cerebras、85万コアのウェハサイズプロセッサ
「WSE−2」
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Cerebras は、2021年4月20日(現地時間)、 ウェ
ハ面積のほとんどを1つのディープラーニング用プロセッサ
として動作させる第2世代ウェハスケールプロセッサ「WS
E−2」(Wafer Scale Engine 2)を発表した。
同社は、2019年8月に初代のWSEを発表し、16ナ
ノメートルプロセスで、1・2兆トランジスタを集積した超
巨大なプロセッサで業界の度肝を抜いたが、WSE−2では
最新のTSMC7ナノメートルプロセスを採用することで、
2倍以上となる2・6兆トランジスタを、4万6225平方
メートルに集積した。
このプロセッサは幅1ナノメートルのなかに3個のAI処
理に特化したプロセッサを搭載し、全体として85万コアを
内蔵。2Dのオンチップメッシュネットワークで結ばれ、イ
ンターコネクトの総バス幅は220Pbpsにおよぶ
https://bit.ly/41Od4wo
●グラフ出典/https://bit.ly/3SRnXcX
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ムーアの法則


