2022年12月27日

●「メタバースの現況についてまとめる」(第5883号)

 今年のEJは、今日と明日、あと2回お届けします。ここまで
58回書いてきましたが、何を書いてきたか、簡単に振り返るこ
とにし、2023年1月4日からの新テーマに繋げる予定です。
 インターネットが変わろうとしています。
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       Web1.0  ・・・   見る
       Web2.0  ・・・   書く
       Web3.0  ・・・ 参加する
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 現在のインターネットは「Web2.0」 、それが次世代のイ
ンターネット「Web3.0」 に変わろうとしています。それは
「書く」から「参加する」に変化するというのです。どのような
インターネットになるのかについて知るには、今のインターネッ
ト、Web2.0 (Web2)について知る必要があります。
 Web2といえば、その中心企業は巨大メガテックGAFAM
であり、これについて、11月25日まで37回にわたって、書
いてきています。GAFAMが提供する諸サービスは、多くの日
本の国民にも深く浸透しており、そこに積み上げられる膨大な個
人情報の扱いにはどうしても慎重にならざるを得ません。GAF
AMのサービスには、どうしても中央集権的な情報の積み上げが
不可欠とされるという特性があります。
 問題は、これらの情報が不正に使われることであり、実際に使
われているケースがあることです。情報悪用のケースでは、20
18年に、メタ(旧フェイスブック)が、英コンサルティング会
社のケンブリッジ・アナリティカに、最大8700万人の情報を
不正利用を許したことが、明らかになったことです。これは20
16年の米大統領選に深く関連することになったので、絶対に、
あってはならないことです。
 この事件の決着は、2022年12月24日の日本経済新聞夕
刊に次のように報道されています。
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【シリコンバレー=奥平和行】米メタ(旧フェイスブック)によ
るSNS(交流サイト)の利用者情報の管理が不適切だった問題
を巡る集団訴訟で、同社が7億2500万ドル(約960億円)
の和解金の支払いに合意したことが23日、明らかになった。原
告団の弁護士は同日、米国におけるプライバシーに関連する集団
訴訟で過去最大の和解金となると説明した。
 旧フェイスブックの情報管理が不適切だった問題は2018年
に発覚し、英コンサルティング会社のケンブリッジ・アナリティ
カが、最大8700万人の情報を不正利用したことが、明らかに
なった。16年の米大統領選でトランプ陣営が同社と契約して選
挙結果をゆがめたとの見方が浮上し注目を浴びていた。(中略)
 ケンブリッジ・アナリティカへの個人情報の流出を巡っては、
旧フェイスブックが12年に米連邦取引委員会(FTC)と合意
した個人情報の管理に関する取り決めに違反したとの見方も浮上
した。FTCとは19年に50億ドルの制裁金の支払いで合意し
ている。情報開示が不適切だったとして米証券取引委員会(SE
C)も調査し、同年に1億ドルの支払いで和解した。
     ──2022年12月24日付、日本経済新聞/夕刊
               https://s.nikkei.com/3WLjzgu
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 今回の連載で、テーマの中心であるメタバースのことを書き始
めたのは、11月28日のEJ第5862号からです。ここから
は、来る日も来る日もオンラインゲームの世界の話です。自分で
やったことのないゲームの話をするのですから、内容を理解する
のは大変です。とくに、「コール・オブ・デューティ」や「オー
バーウオッチ」などのシューティング・ゲームなど、いちいち調
べながら書くので、1本のEJを書くのに丸1日かかってしまい
非常に大変でした。
 GAFAMについては、メタバースについて、メタだけでなく
マイクロソフトが非常に頑張っているという印象を受けました。
マイクロソフトとしては、今回暗礁に乗り上げた米ゲームソフト
大手アクティビジョン・ブリザードの買収が大きなカギを握って
いたと思います。この買収はおそらく失敗に終わると思いますが
もし成功していたとしても、マイクロソフト社のゲーム部門は、
年間売上高の13%に過ぎないのです。本当に「マイクロソフト
恐るべし」です。
 メタバースに意欲を見せているのは、メタだけではなく、GA
FAMのなかでも、マイクロソフトの他に、グーグルはARグラ
スを発表しているし、メタバースについてもさまざまな憶測や報
道があります。アップルについても、高価格・高性能なMR(複
合現実)ヘッドセットや、ARグラスを開発中とう報道がありま
す。また、米国特許商標庁では、アップルのVR/AR関連技術
と思われる特許がいくつか確認されています。
 GAFAM以外にもメタバースのプレーイヤーはたくさんいま
す。名前を上げてみると、エピックゲームズ、ロブロックス、V
Rチャット、ザ・サンドボックス、ネイバーZ、エムビディア、
クラスター、ヒッキー、リアリティーなど、たくさんあります。
 このなかで最も有名であり、名前が売れているのは、おそらく
エヌビディアでしょう。世界的な半導体メーカーであり、メタバ
ースのカギを握るとされるグラフィックをつかさどる半導体技術
を有しています。グラフィック専門の半導体(GPU)の世界市
場では、企業向け、消費者向けともにトップシェアを誇り、近年
では、AIや自動運転、ロボティクスのためのデータセンター用
プロセッサの開発からソフトウェアへの技術提供など、コンピュ
ーティングの基礎を支えています。
 メタバースはまだ始まったばかりです。これからも多くの発明
や工夫や新技術がメタバースに関して生まれてくるはずです。そ
れらは、新年からの新テーマに引き継いでいくつもりです。
           ──[ウェブ3/メタバース/059]

≪画像および関連情報≫
 ●【急落?】NVIDIAの凄さとは?急成長の秘密や
  自動運転システムの開発を行う理由を解説
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   アメリカの半導体メーカーであるNVIDIA。一般的に
  は、パソコン用のGPUをつくっているメーカーというイメ
  ージがありますが、実は今はただのGPUメーカーではあり
  ません。いまや、人工知能チップのシェアを支配し、自動運
  転システムの開発も手掛ける「半導体の覇者」ともいえる存
  在なのです。
   NVIDIAの歴史や事業内容を紹介する前に、まずは、
  「NVIDIAは何がどうすごいのか?」といった点を紹介
  していきますNVIDIAの凄さがわかる、わかりやすい
  事例は下記の3つが挙げられます。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   @株価が5年で15倍に
   A人工知能アルゴリズムの訓練関連の市場をほぼ100%
    支配する半導体メーカー世界ランキングで7位
   B予測を上回り、何度も過去最高売上を更新している
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   NVIDIAの株価は5年で15倍にもなっています。ま
  た、2021年の1年間だけで57%も上昇しており、20
  20年と比べると95%もの上昇を見せています。さらに、
  半導体の需要が高騰したことを受けて一時期125%もの上
  昇を見せ、2021年に大きな期待を寄せられた一社となり
  ました。           https://bit.ly/3YNDWeA
  ───────────────────────────
エヌビディア本社.jpg
エヌビディア本社
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブ/メタバース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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