2022年12月08日

●「第1次VRブーム技術不足で失速」(第5870号)

 1990年代に第1次VRブームが起きていますが、このとき
は、技術のかべを乗り越えることができず、ブームは終息してし
まっています。技術のかべとは次の3つです。
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           @ディスプレイ
           Aレンダリング
           Bトラッキング
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 第1は「ディスプレイ」です。
 ディスプレイは、ユーザーが直接目で見る接点です。しかし、
CGを表示する当時のディスプレイの解像度は、高精密度とはい
い難く、十分な没入感が得られないという難点があったのです。
当時のハードウェアの限界です。
 第2は「レンダリング」です。
 ここでいうレンダリングとは、3次元グラフィックス(3DC
G)において、数値データとして与えられた物体や図形に関する
情報を計算して画像化することをいいます。当然計算量は膨大に
なりますが、当時のコンピュータの性能では、十分なものが得ら
れなかったのです。
 第3は「トラッキング」です。
 VRのトラッキングとは、頭や手や身体などの動きを感知し、
追尾する技術のことです。VRが映画と異なる点は、ユーザーの
動きに合わせて、映像が変わっていくことにあります。HMDを
かぶって、頭を動かすと映像が変わり、それがリアルタイムで表
示される必要があります。しかし、当時のHMDでは、満足すべ
き結果が得られないで終わっています。
 第1次VRブームでは、日本のメーカーもヘッドマウントディ
スプレイ(HMD)を発売しています。
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     @バーチャルボーイ ・・・ 任天堂
     A  グラストロン ・・・ ソニー
     B ダイノバイザー ・・・ タカラ
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 しかし、これらは、いずれも当時の技術のかべを乗り越えるこ
とはできなかったのです。ただ、ちょうどこの1990年代は、
映画やゲームの世界では、CGが本格的に使われ、大飛躍を遂げ
ています。とくに映画において代表的な作品としては、次の2つ
が上げられます。
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    ◎映画
     @「ジュラシック・パーク」/1993年
     A    「マトリックス」/1999年
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 映画「マトリックス」は、1999年に封切られ、既に4作を
重ねています。私は4作品ともすべて見ましたが、とくに第1作
については、きわめて興味深く、これほど仮想世界を感じさせる
ものはないといえます。
 この第1作を中心として、主演のキアヌ・リーブスらが振り返
る次のユーチューブは興味深い内容です。
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    ◎映画「マトリックス」/特別映像/1分21秒
               https://bit.ly/3P3M5qM
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 この映画の設定は、きわめてユニークそのものであり、この映
画を観た多くの人が、仮想世界について関心を持ったものと思わ
れます。この映画の設定に関しては、「現実世界と仮想世界」と
題する次の記述が参考になると思います。
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 『マトリックス』では、多くの人々が生きている世界は、実は
現実世界ではないという設定が世界中に衝撃を与えた。人々は生
まれながらにして機械が動くための生体電池として機械につなが
れて“栽培”されており、「仮想世界」である“マトリックス”
の幻を見せられながら生きている。「現実世界」では、ごく一部
の“マトリックス”から覚醒した人類たちや、彼らの子孫たちが
“ザイオン”と呼ばれる人類最後のとりでを拠点に、現実世界と
仮想世界の両面で機械との戦いを続けていた。
 そんな本作の設定について、今や若い世代にも強い影響力を持
つ2ちゃんねる開設者のひろゆき(西村博之)も、その革新性を
熱弁。10月21日開催された本作の公開記念ファンイベントで
「今、高校生がファンタジーの世界に転生するような、いわゆる
“異世界転生モノ”の漫画や小説が流行っているけど、1999
年公開の『マトリックス』では、転生したかと思いきや、現実だ
と思っている世界が仮想世界だったという裏をかいたストーリー
をもうやっていた」と語っていた。  https://bit.ly/3XX0E3w
─────────────────────────────
 映画「マトリックス」では、「VFX/Visual Effects」とい
う技術が使われています。これはCGとは違うものです。これは
「視覚効果」と訳され、リアルの世界では見ることができない画
面を演出させるために使われます。
 例えば、「マトリックス」で主役のキアヌ・リーブスが銃で撃
たれるシーンがありますが、身体をひねると銃弾が身体すれすれ
に飛んでいくのが見えます。これは、撮影した映像に加工を施し
ており、これがVFXです。(添付ファイル参照)
 これに対してCGは、コンピュータを使って映像を加工する点
は同じですが、撮影された映像に加工を施すのではなく、キャラ
クターやモノをすべて1から作り上げていく点に違いがあるとい
えます。したがって、映像とCGを組み合わせると、実際にはあ
り得ない映像を作り上げることができます。最近の映画では、こ
の手法がよく使われるようになっています。
           ──[ウェブ3/メタバース/046]

≪画像および関連情報≫
 ●映像技術「SFX」「VFX」「CG」って何が違うの?
  ───────────────────────────
   宇宙空間やファンタジーな世界、激しい戦闘シーンなど、
  ただ現実にあるものを撮影するだけでは映すことができない
  映像に必要不可欠な映像技術があります。
   それらは「SFX」、「VFX」、「CG」とそれぞれ呼
  ばれています。映画のメイキング映像や関連記事でもよく見
  かける言葉ですが、何を意味しているのか、いまいちピンと
  来ていない人も多いのではないかと思われます。これらの違
  いとは一体何なのでしょうか。映像技術の種類を見ていきま
  しょう。
   「VFX」は略称で、本来は、「ビジュアル・エフェクツ
  (視覚効果)」と呼ばれます。VFXはは映像制作における
  技術の一つですが、撮影後の映像制作作業(ポストプロダク
  ション)の中で作られる映像効果です。
   そしてVFXには、コンピュータを使って作られる「CG
  (コンピュータ・グラフィックス)」の映像が必須となりま
  す。例えば、撮影現場では役者のみ撮影している映像に、後
  から背景にCGで作った広大な宇宙の世界を合成したり、現
  場では実弾が出ないモデルガンを使って撮影された銃撃シー
  ンに、CGで作った銃弾を後から追加するといった映像効果
  は、全てVFXと呼ばれます。撮影された実写映像素材を元
  に新たな映像効果を追加する技術をVFXと呼び、VFXで
  用いられる広大な宇宙や銃弾のデジタル映像素材を作り出す
  のがCGなのです。       https://bit.ly/3Fv1A8b
  ───────────────────────────
映画「マトリックス」より.jpg
映画「マトリックス」より
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブ/メタバース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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