こちにあらわれています。
11月28日のことです。株式会社ローソンから次のニュース
リリースが出されました。
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株式会社ローソン(本社:東京都品川区、代表取締役社長:竹
増貞信、以下「ローソン」)は11月28日(月)に、食品ロス
削減やプラスチック削減などの環境負荷軽減や、アバターによる
制約のない働き方の実現、DX活用で創出するお客様との温かい
コミュニケーションなど、20を超えるサステナブルな施策を集
約した「グリーンローソン」を東京都豊島区にオープンします。
https://bit.ly/3OShjRD
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「グリーンローソン」は、ローソンが目指す近未来型店舗の1
つです。この店舗には、次の男女のアバター店員が登場し、接客
にあたる点がユニークです。
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@あおいさん(女)
Aそらとさん(男)
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この「アバター接客」は、アバター事業を手掛けるAVITA
(アビータ)株式会社とローソンが組んで実現したものです。そ
の狙いは、「時間」や「場所」、「年齢」や「性別」、「様々な
障害」に制約されない新たな働き方を実現するために導入された
ものです。
アバター接客を行うことによって、時間・距離・年齢・介護や
育児で外出しづらい・身体的なハンディキャップがあるなど、さ
まざまな障害や制約にとらわれることなく、誰もがいきいきと働
くことができる“全員参加型社会”の実現を目指すことが可能に
なるというのです。
メタバースについて考えるとき、そこでは自分の分身であるア
バターが自分に代わって活躍するということになるのですが、そ
のアバターが何となく、漫画チックというか、現実味がないとい
うか、しょせんゲームの世界と考えてしまうものです。
アバターについて基本的なことをいうと、ユーザーはアバター
の1人称視点でその空間を見ることができ、頭や手の動きはその
ままアバターの動きに反映されるのです。また、メタバースのな
かで他のユーザーと会話をすると、発言したユーザーの声はその
アバターの位置から聞こえ、身振りや手振り、聞いている人の顔
の向きや頷きなども見ることができ、実際にその空間にいる感覚
でコミュニケーションをとることができます。
この3年間、コロナ禍によって、私自身ZooMによるリモー
ト講義を何回もやってきましたが、このようなビデオ通話による
リモート会話よりも、アバターによるコミュニケーションの方が
視覚的、感覚的な情報量の多さや会話のしやすさに大きな優位性
があるように感じます。
もうひとつ、11月29日付の日本経済新聞(電子版)にもメ
タバース関連の記事が掲載されています。
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◎しごと進化論
製薬大手の英アストラゼネカ日本法人が、医師との接点を担う
医薬情報担当者(MR)の働き方を大胆に見直した。全国67カ
所の営業所を廃止。その上でMRがメタバース(仮想空間)で働
ける環境を整え、医師との面談もオンラインに切り替えた。営業
所と病院を何度も往復する伝統的な働き方にメスを入れ、生産性
の向上をめざす。製薬以外の幅広い業界にも参考になりそうだ。
──2022年11月29日付の日本経済新聞
https://s.nikkei.com/3iqQ7xo
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ところで、MRとは何でしようか。
医療ドラマなどには、必ず登場しますが、病院などで医師に近
づき、医薬品の情報を提供する女性、もちろん女性とは限らない
ですが、ドラマではなぜか女性のMRがよく登場します。ちなみ
に、MRは、次の言葉の省略形です。
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◎MR(医療情報担当者)
Medical Representatives
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アストラゼネカ日本法人は、2020年8月から営業所閉鎖を
開始し、2021年4月までに全廃しています。当初は、コミュ
ニケーションをとるために、オンライン会議を実施していたので
すが、オンライン会議の場合、会議が終わって退出すると、そこ
で会話が終わってしまうことに気が付いたのです。これによって
業務以外のプライベートの会話が激減し、チームとしての一体感
がなくなってしまったといいます。
アストラゼネカでは、検討の結果、バーチャルオフィスの導入
を決め、「オヴィス(oVice)」 のバーチャルオフィスを採用し
たのです。なぜ、オヴィスかというと、初期投資や月額費用が、
リーズナブルであり、導入しやすかったからです。それにオヴィ
スのバーチャル空間は後から必要に応じて拡張することも可能で
あり、現在では600人規模のイベントも開催できるようになっ
ています。
これはメタバースに非常に近くなっています。これまで会うこ
とが困難だった人ともコミュニケーションがとれます。例えば、
沖縄の人と北海道の人が隣の席で働くこともできるし、上司と部
下の距離も以前よりも格段に縮まっています。病院での仕事が終
わったあと、カフェなどでPCを操作してバーチャルオフィスに
出勤し、いろいろな人とコミュニケーションがとれる──このよ
うに、メタバースは、すぐそこまで近づいてきているのです。
──[ウェブ3/メタバース/042]
≪画像および関連情報≫
●アステラス製薬、VR・メタバースで「デジタル営業」
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アステラス製薬が仮想現実(VR)と現実世界を融合した
クロスリアリティー(XR)を活用した「デジタル営業」の
領域を強化している。2022年度からMR(複合現実)を
使って病気の概要を患者に伝えるサービスや、メタバースを
使った講演会システムの構築を始めた。新型コロナウイルス
の感染拡大で患者や医師、製薬会社の営業担当者らのコミュ
ニケーションが減るなか、疾患への理解を深めてもらう狙い
である。
「薬を飲み続けないと、腰が曲がって冷蔵庫の一番上にあ
る魚のパックに手が届かなくなりますよ」
VRゴーグルをかけた患者に対し、医師がこう説明する。
骨粗しょう症の患者は骨が曲がるのを防ぐため、定期的な薬
剤の服用が求められる。ただ、すぐに症状が出ないため服薬
を面倒に感じる患者も少なくない。
VRでは仮に患者の背中が曲がった場合に、どれくらい視
野が変わってしまうのかを表示する。背骨が曲がらなければ
冷蔵庫の一番上まで手が届くが、症状が進むと冷蔵庫を見上
げなければ一番上の棚が見えない。こうした症状が悪化した
ケースをリアルに見せることで、医師は服薬を続けるよう促
せる。現在は骨粗しょう症と高コレステロール血症で実証実
験を続けており、数年後をめどに、医療機関への導入を目指
す。将来的に手がける領域を広げる考えで、VRを使ったサ
ービスは医療機関に無償で提供する。
https://s.nikkei.com/3XLWkEc
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グリーン・ローソン