2022年10月17日

●「インターネットはインフラである」(第5834号)

 今回のテーマは、次世代インターネットといわれる「Web3
.0 」を解明することす。しかし、これを解明するには現在のイ
ンターネットである「Web2.0」 について詳しく知る必要が
あり、9回まではそのことについて書いてきています。
 とくに「Web2.0」 上で一大発展を遂げたGAFAによっ
て代表されるプラットフォーム・ビジネスが社会を支配した3つ
の法則、「ムーアの法則」「収穫逓増の法則」「メトカーフの法
則」についても取り上げて検討してきています。
 しかし、ここでもうひとつ踏み込んで、インターネットの社会
インフラとしての本質についても理解しておく必要があります。
そうでないと、現在のインターネットとは何であり、インターネ
ットがなぜサービスプラットフォームとして発展したかがわから
ないからです。
 現在、書店では、Web3.0 やウェブ3に関する本が多く出
版されています。そのほとんどを購入して読んでみましたが、ど
の本も、わかったようなわからないような内容です。それは、多
くの人にとって、現在のインターネットというものが、十分解明
されていないからです。
 このことについて、ネット上で次のように述べている人がいる
のでご紹介します。
─────────────────────────────
 近年、「Web3.0」 というキーワードが急速に注目されて
いる。多くの人が慣れ親しんだ現在のインターネットを「Web
2.0」と定義し、そこから脱却することを提唱する概念だ。
 「Web3.0」 というキーワードを目にする機会が増える一
方で、「わかったようでわからない」という声を聞くことも増え
た。実際に「Web3.0」 のコンセプトを実現可能にするブロ
ックチェーンは大変わかりづらい技術である。さらに、具体例や
ユースケースのイメージも沸かないため、現在のインターネット
との違いを比較してもピンとこない。実際に普及する現実的なイ
メージが湧かないという意見もよく耳にする。
                  https://bit.ly/3CAylxN
─────────────────────────────
 今回のテーマの第1回で、インターネットとWebの違いにつ
いて書きましたが、そのときインターネットを次のように定義し
ています。さらに、インターネットの本質は道路(情報ハイウェ
イ)に近いものであると指摘しています。
─────────────────────────────
    インターネットはネットワークインフラである
─────────────────────────────
 そもそもインフラとは、生活や産業を成り立たせるために必要
な施設やサービスであり、ネットワークインフラは、そのうちの
ひとつであって、生活や産業に必要な「何か」を流通させる目的
をもったインフラです。ここでいう「何か」とは、次の3つのこ
とを意味しています。
─────────────────────────────
          @トランスポート設備
          A流通管理・制御機能
          B    コンテンツ
─────────────────────────────
 添付ファイルをご覧ください。これは、物流の流通サービスを
あらわした図であり、それぞれのインフラのオープン性の大小を
見ることができます。
 これらの3つについて、電気、ガス、水のライフライン、鉄道
のネットワーク、道路のケースを考えてみることにします。
 第1に、ライフラインについです。
 トランスポート設備については、送電線や水道管があります。
これらを利用して、物質やエネルギーを各家庭まで届ける管理・
制御機能があり、この場合のコンテンツに当たる電気やガスの生
成まで、すべてこれらのインフラの提供者である電力会社やガス
会社が行っています。
 これらのインフラについては、電力会社やガス会社が厳重に管
理し、他のいかなる者もそれらのインフラを勝手に使うことは許
されていないのです。エンドユーザーとしては、電力会社やガス
会社が定めたサービス規約にしたがって、電気やガスや水道を決
められた方法で受け取る以外のことはできないのです。
 鉄道については、どうでしょうか。
 鉄道ネットワークを支えるインフラである線路や駅や電車など
はトランスポート設備であり、それらの管理・制御機能は、イン
フラの提供者であるJRをはじめとする鉄道会社が提供していま
す。これらのインフラを鉄道会社以外の何者も、勝手に使うこと
はできないし、線路に自分の好きな乗り物を走らすこともできな
いことはいうまでもないことです。
 しかし、鉄道の場合のコンテンツに当たる鉄道で運ぶもの、つ
まり、人や物質については、法律や鉄道会社の定めたルールに違
反しない限りにおいて、エンドユーザーが自由に持ち込むことが
できます。つまり、鉄道インフラはサービスはクローズであるが
コンテンツはユーザーに解放されており、生活インフラよりもオ
ープンなインフラであるといえます。
 道路についてはどうでしょうか。
 道路も鉄道と同様に、物流や人の移動のための不可欠なネット
ワークインフラです。道路そのものや交差点、信号機などはトラ
ンスポート設備は、国や地方自治体が所有していますが、そこを
走る車や車を使った配送サービスの管理・制御機能、さらにコン
テンツである人や物質はユーザーが持ち込むかたちになっていま
す。どの道をどのように使って、何を、どこに、どういう条件で
運ぶかはすべてユーザーに委ねられています。道路というインフ
ラは、その上で行われるサービスや運ばれる物質に関しては、す
べてオープンなインフラであるということです。
           ──[ウェブ3/メタバース/010]

≪画像および関連情報≫
 ●ネットワークインフラとは?ネットワークインフラの効率化
  に必要なスキルを徹底解説!
  ───────────────────────────
   まずはネットワークインフラとはどんなものなのかを理解
  していきましょう。
   ネットワークインフラを簡単に表すと、インターネットや
  PC、プリンタなどを使えるようにするための土台です。そ
  もそもインフラとは、社会生活や経済の基盤を形成する構造
  物のことを指し、道路や発電所・学校・病院・公園などが該
  当します。
   交通インフラや社会インフラなど、インフラにも様々な分
  野が存在するのです。その中で最近とくに重要視されている
  のがネットワークインフラ(ITインフラ)になります。I
  T業界のインフラに該当するのが、ネットワークであるイン
  ターネットやLAN、ハードウェアやOSなどです。これら
  のものを総称してネットワークインフラといわれています。
   IT業界でシステムを構築するなどで使われるシステムは
  アプリケーションとインフラから成り立っているのです。
   簡単に表すとインフラを道路とするなら、アプリケーショ
  ンは車、システムは社会の構造や仕組みということになりま
  す。つまりエンジニアがシステムを作るとなると、アプリケ
  ーションとインフラの両方の理解が必要になるのです。
                 https://bit.ly/3CY4m4q
  ───────────────────────────
 ●図の出典/出井伸之監修/『進化するプラットフォーム』/
  角川インターネット講座
物流の流通サービス.jpg
物流の流通サービス
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブ/メタバース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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