2022年10月06日

●「GAFAビジネスについて考える」(第5828号)

 今回のテーマのメインは「Web3.0」 ですが、なかなか本
題に入れないでいます。それは、なぜ、現在のインターネットが
変わらざるを得なくなったのかについて、知っておくべきことが
たくさんあるからです。
 GAFAはプラットフォーム企業といわれています。これらの
企業はインターネット上にプラットフォームという空間を構築し
そこで様々な無料のサービスを提供します。そのサービスが多く
のユーザーに受け入れられれば、そのプラットフォームに多くの
ユーザーが集まることになります。したがって、そこに広告を掲
載すれば、多くの人がそれらの広告を見ることになります。
 この最もシンプルなかたちが初期の「ポータルサイト」である
といえます。グーグルの検索エンジンが登場する前の話であり、
当時のネットユーザーは、PCでブラウザを起動し、最初にポー
タルサイトにアクセスします。当然そのサイトには、多くのアク
セスが集中することになり、有力な広告媒体になります。もちろ
んサイトには一定の広告枠が設けられ、広告主を募集し、バナー
広告を置きます。ユーザーがそのバナーをクリックすると、その
広告主のサイトにジャンプするというわけです。
 その後にグーグルの検索エンジンが登場します。この検索エン
ジンは、高速で、正確な検索結果をユーザーに返すことに特化し
ており、多くのユーザーに無料で提供されたのです。もちろん、
さまざまなポータルサイトにも、グーグルは惜しみなく検索エン
ジンの技術を提供しており、ポータルサイトのほとんどで採用さ
れています。
 しかし、その検索エンジンは、検索窓があるだけのシンプルな
もので、広告などは一切ない。その代わり、検索されたサイトを
グーグル独自の「ページランクアルゴリズム」によって、順番に
掲載し、そこからユーザーが選んでクリックして開いたサイト上
に、ユーザーにマッチングする広告を掲載できるようにしている
のです。当時のポータルサイトとは発想も技術も違うのです。
 このページランクアルゴリズムについて、KDDI総研リサー
チフェローの小林雅一氏は、次のように述べています。
─────────────────────────────
 同社(グーグル社)最初の製品(サービス)である検索エンジ
ンは、両創業者(ラリー・ページ/セルゲイ・プリン)の博士課
程における共同研究テーマ「ページランク・アルゴリズム」にも
とづいている。
 これはあるウェブページ(ホームページ)に張られたリンクの
数や、リンク元ページの重要性などを給合的に評価することで、
検索画面における、そのページの表示順位を決める仕組みだ。ち
なみに「ページランク」という呼称は「ウェブページ」ではなく
同アルゴリズムの発案者「ラリー・ページ」のページに由来して
いる。ページランク・アルゴリズムは学術論文の評価方法に似て
いる。つまり「ほかからの引用回数が多い論文ほど評価が高い」
とする着想にもとづいている。学者の両親に育てられたページは
ウェブページへのリンク数が論文の引用回数と同じ意味をもつこ
とを直観的に見抜いていた。       ──小林雅一著論文
                『グーグルのビジネス戦略』
        /出井伸之監修『進化するプラットフォーム』
                  角川インターネット講座
─────────────────────────────
 グーグル以外の例でプラットフォームビジネス戦略について考
えてみることにします。昨日のEJでも示したように、LINE
の普及率は全年齢で見ても90%を超えています。比較的短い期
間で膨大なユーザーを獲得しているからです。これは、携帯電話
各社が提供するレイヤーをプラットフォームとするプラットフォ
ームビジネスといえます。
 各携帯電話会社のスマホ上で、LINEが提供するアプリをダ
ウンロードして使うものですが、その土台(レイヤー)部分は各
携帯電話会社のものです。
 LINEのサービスを使うことによって、パケットが発生しま
すが、このパケット料金については、携帯電話会社とユーザーと
の契約によって携帯電話会社に支払われることになります。しか
し、LINEのアプリ上で発生するすべてのデータはLINEの
ものになり、これをベースとして、LINEはさまざまなサービ
スをユーザーに提供することができます。
 こういう形態は、実は古くから存在し、例えば、不動産仲介業
はプラットフォームビジネスであるということができます。例を
上げます。東京・渋谷に「SHIBUYA109」というショッ
ピングビルがあります。109を運営しているのは、東急モール
ズデベロップメントという東急電鉄の子会社の商業施設運営会社
ですが、東急グループ自身がここに店を出しているわけではない
のです。ここに入っている店舗はすべて東急グループとは資本関
係のないテナントから成り、テナント同士を競合させ、店舗の入
れ替えを頻繁に行うことによって、消費者に新しいファッション
を提供しています。これは、東急グループのプラットフォームビ
ジネスといえます。
 続いてインターネットのホテル予約を考えてみます。楽天トラ
ベルの場合、ユーザーは楽天トラベルの予約サイトにアクセスし
サイト内で多くのホテルのなかから、自由にホテルを選択できる
のです。この場合、楽天トラベルはプラットフォームビジネスと
いうことになります。ホテル側は、楽天トラベルと契約すること
で、このサイトでユーザーにサービスをオファーできます。
 これらがプラットフォームビジネスの概要ですが、GAFAの
場合、それぞれの企業が多彩なサービスをネット上で提供してい
るので、そこには、膨大なサービスの利用履歴がビックデータと
して、ストックされ、積み上げられることになります。この情報
が一か所に集中してビッグデータとして蓄積されることが、現在
大きな社会問題になっているのです。
           ──[ウェブ3/メタバース/004]

≪画像および関連情報≫
 ●マーケットを支配するGAFAのプラットフォーム戦略
  島田晴雄氏
  ───────────────────────────
   GAFAはプラットフォーマーという新しいビジネスモデ
  ルを構築した。いずれも若い企業ながら、瞬く間にIT巨人
  に上り詰めたのは、彼らが多くのデータを集めることにより
  顧客を引きつけ、データ集積によるネットワーク効果を引き
  起こしたために他ならない。4社それぞれの具体的な展開を
  見ていこう。
   もう一つの大きなイノベーションとして、特にGAFAが
  代表したのは、プラットフォーマーというビジネスモデルで
  す。インターネットを通じて、さまざまなサービスのプラッ
  トフォームを提供するのが、プラットフォーマーといわれる
  ものです。
   プラットフォーマーは、情報を伝達するだけでなく情報か
  ら価値を生むということで、新しい情報産業といえます。収
  集する情報は必ずしも機密情報ではなく、フェイスブックの
  「いいね!」のような、それ自体としては価値がなく、ただ
  で集められるもの。ただし大量になって、ディープラーニン
  グをさせると、非常に恐ろしい明確な答えが出てきたりする
  ので、大量に集めることで価値を生みます。
                 https://bit.ly/3C8yf0q
  ───────────────────────────
渋谷109.jpg
渋谷109
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ウェブ/メタバース | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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