2021年12月01日

●「ディーファイ/分散金融とは何か」(第5624号)

 11月18日のEJで「DeFi/ディーファイ」についても少し
述べましたが、今日のEJでは、「ディーファイ」について詳し
く解説します。「DeFi」とは、次の言葉の省略形です。
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     ◎「DeFi/ディーファイ」
      Decentralized Finance /分散型金融
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 「ディーファイ」とは、ブロックチェーンの仕組みを使うこと
によって、金融機関を介さずに、無人で金融取引を行うシステム
のことです。このシステムでは、信用履歴審査や本人確認なしに
誰でも使えるサービスになっています。
 ディーファイが開発されたの2020年のことですが、その成
長は早く、2021年6月の時点では、提供されているサービス
は240種類をオーバーしています。5月の時点では、ビットコ
インなどの暗号資産の価格が急落したものの、このサービスの利
用者は急増し、前年比3割増の270万人になっています。
 ディーファイに流入した資産総額は、2020年始は7億ドル
程度であったものが、2021年5月には、約860億ドルに成
長しています。
 ディーファイが急速に普及した最大の要因のひとつに、「DE
X」があります。DEXとは次の言葉を略したものです。またし
ても分散型です。
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        ◎DEX/分散型取引所
         Decentralized Exchange
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 DEXとは何でしょうか。
 DEXとは、イーサリアムのスマートコントラクトを活用して
構築されたP2Pの取引所のことです。暗号資産を扱う場合、通
常は、大手の暗号資産取引所のビットフライヤーやコインチェッ
クのような取引所を使うことになりますが、これらの取引所は中
央集権型の組織であって、手数料が高いのです。
 これに対してDEXは、ブロックチェーン上のプログラムであ
る「スマートコントラクト」で管理されている取引所で、流動性
(貨幣と同義)の供給から、取引の約定に至るまで、一連のプロ
セスのほとんどが、スマートコントラクトで自動的に処理される
のです。
 DEXの代表的存在がユニスワップ(Uniswap) で、ある暗号
資産を他の暗号資産と交換したい場合、ユニスワップに一定量の
暗号資産を拠出すると、アルゴリズムで計算された量の他の暗号
資産を得ることができます。
 ユニスワップは、画期的なシステムであるとして注目されてい
たのですが、「流動性が低い」という問題を抱えていたのです。
「流動性が低い」というのは、数が揃わないので、売買時期が限
定され、希望する数量が揃うかどうか、または捌けるかどうか判
らないものをいいます。
 これに対して「流動性が高い」とは、いつでも売買が可能で、
一度に売買可能な数量の多寡が問題にならないもののことですが
このネックを解消するため、「プール」という仕組みが導入され
それは見事に成功しています。
 プールというのは、流動性の供給者になりたい人は、誰でも任
意の量の暗号資産をプールに預けられる仕組みです。プールして
おくだけで収益を得ることができるのです。この仕組みによって
DEXの資金量が増加し、流動性の問題や取り扱い銘柄が少ない
という問題が解決されています。
 現在、このユニスワップの今年の5月の取引高は約9兆円。こ
れは、日本の大手交換所であるビットフライヤーの1兆8000
億円を大きく上回っています。
 プールに預け入れるとなぜ利益が出るのかというと、預け入れ
られた暗号資産の額に対して、ユニスワップの独自トークン「U
NI」が受け取れるからです。大勢のトレーダーが暗号資産を預
けることによって「UNI」の価格が上昇し、大きな収益が得ら
れるのです。2021年11月現在、の「UNI」の情報を以下
に示しておきます。
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   シンボル      ・・・ UNI
   発行上限      ・・・ 1,000,000,000枚
   価格        ・・・ ¥2,435,41
   時価総額      ・・・ ¥1,526,941,555,378
   時価総額ランキング ・・・ 17位
   購入できる取引所  ・・・ 国内になし
                  https://bit.ly/32tWLuy
─────────────────────────────
 ユニスワップに流動性が集まりやすいのは、もうひとつ理由が
あります。ユニスワップでは、中央集権取引所(CEX)のよう
に、暗号資産の上場審査がなく、どのような暗号資産でも上場さ
せることができます。
 しかし、どのようなマイナーな暗号資産でもよいとなると、大
きなデメリットも生じます。具体的には、詐欺コインが上場され
ているケースもあるため、怪しい通貨に手を出してしまい、損を
してしまう人もいます。とくに、ユニスワップなどの分散取引所
(DEX)は金融庁の認可が下りていない取引所であるため、投
資を行うさいは自己責任ということになります。したがって、素
人がユニスワップに手を出すのは、やめた方がよいということに
なります。
 ディーファイのもうひとつの主要なサービスは、レンディング
プラットフォームです。これについては、述べる紙面がなくなり
ましたので、明日のEJで詳しく述べることにします。現在、書
店では暗号資産関連の本が多く販売されています。
             ──[デジタル社会論V/078]

≪画像および関連情報≫
 ●競争激化のなか、分散型取引所(DEX)が大幅に成長
  :チェイナリシス
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   分散型取引所(DEX)は2019年以降、大幅に成長。
  一方で、中央集権型、分散型を問わず、アクティブな取引所
  の数は減少している。チェイナリシスが11月9日発表した
  レポートで明らかになった。暗号資産(仮想通貨)取引所の
  間の競争が激化するなか、トレーダー、特に大規模で熟練し
  た暗号資産トレーダーはイノベーションとスケーラビリティ
  に優れた取引所を好んでいるようだ。「DEX」はきわめて
  高い人気を集めており、これは全般的なディーファイ(分散
  型金融)の爆発的な成長と一致している」アクティブなDE
  Xの数は2019年から大幅に増加している。だが、アクテ
  ィブな暗号資産取引所の数は、2020年8月の845件を
  ピークに2021年8月には672件まで減少した。チェイ
  ナリシスのレポートは暗号資産取引所をビジネスモデルと技
  術インフラに基づいて6つに分類した。中央集中型取引所、
  DEX、顧客確認(KYC)要件が少ないハイリスク取引所
  店頭取引(OTC)ブローカー、デリバティブ取引所だ。そ
  れによると2020年8月以降、大規模なDEXの数と受け
  取った暗号資産の額は飛躍的に増加している。DEXのユー
  ザーは、中央集権型取引所のユーザーよりもはるかに大口の
  取引を行っている。これはディーファイがより大きく、より
  確立された暗号資産市場を持つ国で人気があるためだろう。
                 https://bit.ly/3xwHHHX
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ユニスワップ.jpg
ユニスワップ
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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