きなニュースが相次いで報道されています。ともに重要なことな
ので、取り上げることにします。11月3日のニュースから取り
上げることにします。
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◎「法定通貨連動の仮想通貨」米当局「銀行並み規制を」/金融
への影響EUも懸念
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世界で法定通貨を裏付けにした暗号資産(仮想通貨)の一種で
ある「ステーブルコイン」への規制圧力が強まっている。米金融
当局は1日、発行企業に銀行並みの厳しい監督体制を課すために
議会に立法措置を取るよう要請。欧州連合(EU)も開示や資産
保全義務を課す規制案を公表した。金融システムに与える影響を
懸念し、当局が包囲網を強めている。
──2021年11月3日付、日本経済新聞
https://s.nikkei.com/31BduMd
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この記事の主役である「ステーブルコイン」とは何かです。
仮想通貨には多くの種類がありますが、ビットコインがそうで
あるように、その価値が乱高下することで知られています。この
価格の変動幅のことを「ボラティリティ」といいますが、仮想通
貨のボラティリティの高さは、個人投資家が投資対象としている
多くの金融商品のなかでも群を抜いています。
このボラティリティの高さを何らかの方法で解決して登場した
のが、「ステーブルコイン」です。ステーブル(Stable)とは、
「安定している」「固定されている」という意味で、「安定した
コイン」を意味しています。
どのようにして、ボラティリティを抑えているかによって、ス
テーブルコインは、次の3種類があります。
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@法定通貨担保型
A 無担保型/アルゴリズム型
B仮想通貨担保型
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@は「法定通貨担保型」です。
現在、市場で流通しているステーブルコインの大半は、このタ
イプです。法定通貨というのは、世界各国が発行している米ドル
や日本円、ユーロなどの既存通貨のことで、既存の法定通貨を担
保にして発行されるものを「法定通貨担保型」というのです。
この場合、ステーブルコインを発行する企業や運営主体は、そ
のステーブルコインと同額の法定通貨を保有していることが条件
になります。
ステーブルコインが仮に無価値になっても、同額の法定通貨が
あれば、それを担保にできるし、通貨の信用が維持される仕組み
になっています。実際問題として、このタイプのステーブルコイ
ンの1通貨当たりの価値は1ドル前後です。
このタイプに属するステーブルコインとして有名なもののべス
ト3は、次の通りです。
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1.テザー(USDT)
2. トゥルーUSD
3. USDコイン
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Aは「無担保型/アルゴリズム型」です。
このタイプは法定通貨などを担保にせず、発行主体がボラティ
リティをコントロールします。供給量を調節し、価値を保つこと
を目指すのです。価値を保つためのアルゴリズムを開発し、アル
ゴリズムが自動的に供給量を調節するので、アルゴリズム型とも
いわれます。このタイプの代表的ステーブルコインには、ベーシ
ス、ESDなどがあります。
Bは「仮想通貨担保型」です。
このタイプは、ドルや円やユーロなどの法定通貨の代わりに、
仮想通貨を担保にしているものをいいます。イーサリアムなど代
表的な仮想通貨を担保にしているので、担保となる仮想通貨の価
値が失われない限り、信用を維持できます。
しかし、そもそも仮想通貨自体のボラティリティは高いので、
仮想通貨では、ステーブルコインとしての価格安定性を保ちにく
くなり、ステーブルコインのなかでもあまり採用されないタイプ
です。このタイプは、数が少なく、代表的なものとしてはDAI
があります。
ステーブルコインを巡っては、一部で取り付け騒ぎも起きてい
るといいます。冒頭の新聞記事は、ステーブルコインの価値が急
変して、利用者に想定外の損失をもたらす可能性や、不正送金の
リスクなどが今後続出する可能性があるので、ステーブルコイン
の発行者は、あくまで預金取扱機関である銀行として扱われるべ
きだと総括しているのです。
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ステーブルコインを巡っては、一部で取り付け騒ぎも起きてい
る。「IRON」というステーブルコインは21年6月に裏付け
資産の4分の1近くを占めるトークンの市場価値がゼロになり、
IRONの投げ売りが起きた。
すぐに換金が難しい金融商品を保有資産として抱えている問題
もある。最大のステーブルコインである「テザー」を発行するテ
ザーホールディングスの6月末時点の保有資産の約半分は、企業
が短期の資金を調達するコマーシャルペーパー(CP)と譲渡性
預金(CD)だ。テザーに想定外の事態が起きれば短期市場に混
乱が広がり、金融取引に影響が出かねない。
https://s.nikkei.com/31BduMd
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─[デジタル社会論V/062]
≪画像および関連情報≫
●「安定通貨」米で規制強化論/資産裏付けの仮想通貨
安全か デジタルドルの行方に波及
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ドルなど実態のある資産に裏打ちされた暗号資産(仮想通
貨)の一種「ステーブルコイン(安定通貨)」の規制強化論
が米国で浮上している。ドルと連動する人気のステーブルコ
インで安全性が疑問視されたためだ。米連邦準備理事会(F
RB)が発行の是非をさぐる「デジタルドル」の行方とも絡
み、金融のあり方に一石を投じそうだ。
ステーブルコイン1単位は1ドルの現金に裏付けられ常に
換金できる。そう触れ込んで急成長したドル建てのステーブ
ルコインで問題が相次いでいる。実際は安全性や換金性で劣
る証券などが裏付けとなっていたのだ。
直近の例は時価総額2位の「USDコイン」。資産はコマ
ーシャルペーパー(CP)や社債を多く含み現金やそれに近
いMMF(マネー・マーケット・ファンド)は約6割にとど
まった。運営者のサークルは8月22日、「9月中に裏付け
資産をすべて現金か短期国債に替える」と発表した。時価総
額首位の「テザー」はより深刻だ。一時は銀行との取引もな
く、一部資金は融資に回っていたとニューヨーク州司法当局
が指摘し、2月に1850万ドル(約20億円)の和解金を
払った。テザーがのちに公表した資料では裏付け資産の約半
分がCP。現預金はわずかで、他のデジタル通貨や金にも資
金が投じられていた。 https://s.nikkei.com/3wn2WeR
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ドルに連動する安定通貨の時価総額は急増