2021年10月22日

●「ブロックチェーン支える4つ技術」(第5598号)

 改めてブロックチェーンとは何でしょうか。一般的にいうと、
ブロックチェーンは次のように捉えられています。
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     ビットコイン=ブロックチェーン=暗号資産
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 はっきりしていることがあります。ブロックチェーンとは技術
であり、それは、暗号資産、ましてビットコインに限った技術で
はないことです。
 坪井大輔氏は、ブロックチェーンを次の4つの技術を組み合わ
せたものであるとしてとらえています。
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       @暗号化技術
       Aコンセンサスアルゴリズム
       Bピア・トウ・ピア(P2P)
       CDLT(分散型台帳技術)
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 第1の技術は「暗号化技術」です。
 暗号というと、ひと頃は特殊の世界の話だったはずですが、イ
ンターネットが普及した現在では、ビジネスのために、生活のた
めに、暗号化は不可欠な技術になっています。普段やり取りして
いるメールにも暗号化が行われています。暗号技術とは、データ
の内容を第三者にわからない形式に変換すること、またその変換
したデータを元に戻すための技術です。
 坪井氏は、暗号化技術とは、一対一のトランザクション、一回
のやり取りごとにその取引の記録が暗号化されることを意味して
いる技術であり、「1回の取引ごと」、1トランザクションのセ
キュリティ対策に不可欠なのが暗号化技術であることを強調して
います。
 暗号化技術に関連して、必ず理解しておく必要があるのが「ブ
ロック管理」といわれる手法です。このブロック管理を坪井氏は
次のようにたとえています。
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 たとえば引っ越しの際の食器を運ぶことを考えてみましょう。
食器が割れたり、傷むことに対し十分に注意するには食器を1点
ずつ紙などで包んでそれぞれ同サイズをビニール袋に入れます。
そしてビニール袋入りの食器類を数点まとめてダンボール箱に詰
めて、その後、そのダンボール箱をガムテープで止めて、中身は
「皿」「グラス」などと書いて保管する。そんなイメージです。
それぞれ安全に梱包した一つひとつのものを集めて一個の箱にま
とめて、箱にまた封をする、というのがブロック管理です。
              ──坪井大輔著/翔泳社/SE刊
     『WHY BLOCK CHAIN/なぜ、ブロックチェーンなのか』
─────────────────────────────
 ビットコインの場合、このブロックのなかに約4200件の取
引データが入ります。取引が行われたら、その取引記録を暗号化
します。これらの暗号化されたデータが約4200件貯まったら
封をします。それを確定させるまで約10分かかります。世界中
で発生するビットコインの売買や送金などの取引データをストッ
クし、ブロックを閉じます。これを時系列に繰り返すのです。
 そして、このブロックを順番にチェーンのように、つないでい
くのです。これがブロック管理というものです。
 第2の技術は「コンセンサスアルゴリズム」です。
 コンセンサスアルゴリズムとは「合意形成」ということです。
合意形成といってもいろいろあります。企業などでは、トップが
OKならそれで終わりというケースもありますし、民主主義国の
議会では、多数決で合意が形成されます。
 ブロックチェーンのコンセンサスアルゴリズムの場合、そのブ
ロックチェーン参加者に「PоW」(プルーム・オブ・ワーク)
という計算作業(ワーク)をさせ、そのブロックの中のデータが
改ざんのない、正しいものであるという承認(プルーフ)を取る
のです。誰が計算作業を行うのかというと、そのブロックチェー
ンに参加しているコンピュータが行うのです。ビットコインの場
合、正解に一番早く達したコンピュータには、あらかじめ決めら
れている量のビットコインが与えられるので、大変な競争になり
ます。一体どのような数を求めるのかについて、野口悠紀雄教授
は次のように書いています。
─────────────────────────────
 その計算は、ブロック内の取引と直前のブロックの取引に関連
したある数(ナンス)を見出すものだ。その正解を見出すための
効率的なアルゴリズム(計算手順)は存在しない(であろうと信
じられている)。総当たり式に可能な数を一つ一つ確かめていく
しかないのだ。したがって、いつか解は見つかるが、それまでに
大変な量の計算を強いられる。このように、大変な労力をかけな
ければならない作業を課すことを「プルーム・オブ・ワーク」と
いう。ただし、正解が見つかれば、それが正しいことは簡単に確
かめられる。      ──野口悠紀雄著/ダイヤモンド社刊
     『仮想通貨革命/ビットコインは始まりにすぎない』
─────────────────────────────
 このPоWに参加するコンピュータを「マイナー/発掘者」と
呼んでいます。おそらくビットコインにおいて、いちばんわけの
わからないのはこのPоWであると思います。しかし、このあた
りのことを逃げないで調べないと、ブロックチェーンを理解する
ことは難しいと思われます。
 実は、マイナーの大半は中国の事業家であり、中国の独占状態
になっていたのです。しかし、中国が仮想通貨ビジネスを全面禁
止にしたことで、現在はビットコイン・マイニングにおける中国
のシェアはゼロであり、現在では米国がトップになってきていま
す。今後、ビットコインは米国中心に発展していくものと考えら
れます。ブロックチェーンの4つの技術のうち、BとCは来週の
EJで述べることにします。──[デジタル社会論V/052]

≪画像および関連情報≫
 ●プルーフ・オブ・ワーク(Proof of Work)とは?
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   プルーフ・オブ・ワークとは、ビットコインを初めとした
  暗号資産(仮想通貨)の取引や送金データを正しくブロック
  チェーン(block chain) につなぐための仕組みです。一般
  的な金融商品と異なり、ビットコインなど暗号資産(仮想通
  貨)の多くを支えるシステムは中央に管理機関を持っている
  わけではありません。そのため、間違いなく売買や送金を成
  立させるためには、中央の監視者がいなくても容易に改ざん
  できないような仕組みが必要となります。プルーフ・オブ・
  ワークでは、必要な「計算」を成功させた人が、そのデータ
  を「承認」して正しくブロックチェーンにつなぎこむ役割を
  担う仕組みとなっています。
   ある取引や送金が発生したとき、そのデータは、他の人に
  よって承認されることで初めてブロックチェーンにつながれ
  ます。この承認作業とは、ブロックチェーンにデータをつな
  ぐのに適したパラメータの値を計算する作業です。まず、い
  くつかの取引や送金のデータがブロックとしてまとめられま
  す。ブロックをブロックチェーンにセットするためには、ナ
  ンス(Nonce) と呼ばれる答えの値を計算で発見する必要が
  あります。いち早くナンスを求められた人は、他の計算者に
  答えを発表して正しいかどうか判断してもらいます。計算結
  果が正しいと認められれば、計算を行った人がブロックチェ
  ーンへのつなぎこみの権利を得て、報酬として暗号資産(仮
  想通貨)を手に入れるのです。  https://bit.ly/2XxccA5
  ───────────────────────────
あるマイナーのコンピュータ群.jpg
あるマイナーのコンピュータ群


posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論V | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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