2021年05月06日

●「入り口を押さえた者が勝者になる」(第5482号)

 スケールフリーネットワークの説明で「リンクを貼る」という
言葉が何回も出てきていますが、どういう意味かわかるでしょう
か。ICTの世界では、ごく普通に使う言葉です。しかし、その
本当の意味は、意外に知られていないのです。「リンクを貼る」
とは、次のことを意味しています。
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 「リンクを貼る」の「リンク」とは、「インターネットに公開
されているページにジャンプ(移動)するために、テキスト(文
字)内にURLを組み込むこと」をいう。
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 EJは、多くのサイトとリンクを貼っています。つまり、EJ
のコンテンツ(文字=テキスト)のなかに、URLをいくつも組
み込んでおり、多くのサイトにジャンプできます。
 いわゆるGAFAは、スケールフリーネットワークを巧妙に利
用して事業を拡大していますが、そのなかでグーグルとフェイス
ブックは、事業をスタートさせると同時にネットワークそのもの
を育て、それから事業の黒字化に取り組んでいます。
 「マネタイズ」という言葉があります。2007年頃から使わ
れるようになった言葉で、その意味は、ネットの無料サービスか
ら収益を得ることを意味しています。
 グーグルがマネタイズしたのは、創業から4年後であり、具体
的には、検索連動型広告をはじめたことです。フェイスブックが
マネタイズに動き出したのは、創業から3年後にマイクロソフト
と組んでからであり、黒字化のメドが立ったのは、上場後にモバ
イル化の波にうまく乗れたことです。
 ところで、現在、検索エンジンの王者といえばグーグルですが
実は検索の世界でグーグルは後発中の後発であり、そのグーグル
がこの分野で検索の王者になるとは、とても考えられないような
状況でした。かつては、検索といえば、ダントツでヤフー!だっ
たからです。
 決定的なことがあります。それは、ヤフー!とグーグルの創業
の違いです。
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       ヤフー! ・・ 1995年3月
       グーグル ・・ 1998年9月
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 既に米国のヤフー!は廃業していますが、1996年1月設立
のヤフー!ジャパンは、現在でも、さまざまな事業を展開してい
ます。このことは、前回のテーマでも述べていますが、そもそも
ヤフー!は、ポータルサイトという発想で、ネットの入り口を押
さえようとしたのです。「入り口を押さえたものがネットビジネ
スを制する」ことができるからです。
 ウェブサイトには、URLというサイトの住所がありますが、
それをつなぐことをハイパーリンクといいます。この仕組みでは
クリックするだけで一瞬にその指定のサイトに飛ぶことができま
す。ヤフー!は、ポータルサイトへの人力でユーザーが役に立つ
と思われる「お役立ちリンク集」を作ることによって、大勢のユ
ーザーを集めようとしたのです。ユーザーが多く集まれば、当然
広告効果も上がることになるからです。
 ここで大事なことがあります。インターネットを利用するとい
うことは、どこに何があるが、探す必要があります。しかし、そ
の探すべきものがないときでも、何となく漠然とインターネット
を見るときがあります。そういうとき、まるで新聞のように、い
ろいろな情報が掲載されているサイトがあれば、何はともあれ、
そこにアクセスします。そこに興味のある情報があれば、さらに
詳しい情報を求めて、アクセスすることになります。
 現代の若者は新聞を購読しません。月に何千円も支払って新聞
を購読しなくても、「ネットで無料で読める」というのです。こ
れは、一見合理的な考え方のように思えますが、この考え方は完
全に間違っています。
 確かにネットには多くの情報サイトがあり、ほとんど無料で記
事を読むことができます。しかし、新聞社との関係で記事のサイ
ズは限られており、何が起こっているかはわかりますが、そこか
ら詳しく何かを学び取るには情報が不十分です。
 それに、そもそもネットは、探すべき何かが先にあって利用す
るメディアであり、自分の関心のないニュースなどは無視するこ
とが多いはずです。とくに現在の若者は、自分の興味のあるもの
にしか関心を示さないのです。
 お金を支払って新聞をとる場合、それが電子版であっても、お
金を支払った以上、すべての記事にざっと目を通すはずです。そ
こからは、自分が予想していない貴重な情報を発見することが、
多々あります。そういうニュースを「開いた回路の情報」という
のです。新聞をとらず、ネットだけで済まそうとする現代の若者
は、日々この「開いた回路の情報」が得られず、本人はそう思っ
ていませんが、現在、深刻な情報不足に陥っています。デジタル
社会の現在は、幅広い情報入手が不可欠ですが、そういう情報は
新聞やテレビのようなメディアからしか得られないのです。現代
の20〜30代の新聞の購読率は10%を大きく切っています。
 ヤフー!は、ネットでそういう新聞型のメディアを目指して、
ポータルサイトで勝負しようとしたのですが、米国のヤフー!は
既に消滅し、ソフトバンク系のヤフー!ジャパンは、2010年
からは、グーグルの検索技術を取り入れています。まさに「勝負
あり」です。現在では、ネット上の情報が爆発的に増加し、人力
で情報を集めようとしても、情報の増加スピードに追いつくこと
が不可能になったからです。
 グーグルは、「スパイダー」というロボット(プログラム)を
使って、ネット上のすべてのページの情報を取集し、ロボット型
検索を取り入れ、インターネットの入り口をほぼ押さえることに
成功しています。今や検索エンジンの王者です。
             ──[デジタル社会論U/010]

≪画像および関連情報≫
 ●ポータルサイトを徹底解説
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   そもそも「ポータルサイト」の「ポータル」には「玄関」
  や「入口」という意味があります。そのため、ポータルサイ
  トとはインターネット上にあるさまざまなページの玄関口と
  なる巨大なウェブサイトのことを言うのです。
   では、ポータルサイトのメリットにはどんなことが挙げら
  れるのでしょうか?
   ポータルサイトの利用者のメリットは、インターネット上
  に散らばっている多くの情報から必要としている情報を検索
  で探し出せるという点です。また、検索機能の他にも、天気
  やテレビ番組表、占い、株価など生活に役立つ情報を閲覧で
  きるという点も大きな魅力です。
   企業視点からのメリットを考えると、ポータルサイトを運
  用することによって、コーポレートサイトでは接触が難しい
  ユーザーに接触する機会が得られて集客効果が見込めます。
  利用者・企業ともにメリットがあるので、数多くのポータル
  サイトが作成されているのです。
   検索サービスを提供していたサイトが、ジャンルごとに、
  ウェブサイトへのリンクをまとめたことから、ポータルサイ
  トが誕生しました。その後、コンテンツ(天気予報、株価、
  占い、翻訳、地図など)が追加されていき、インターネット
  の総合サービスの形態を取り出したのです。
                  https://bit.ly/2QQArFZ
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ポータルサイト.jpg
ポータルサイト


posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | デジタル社会論U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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