一番ショックを受けたのは、12月14日に発表になったNHK
の世論調査だそうです。12日には支持と不支持が逆転した毎日
新聞の世論調査も発表されていたのですが、毎日新聞は政権への
敵対度が高いと官邸は認めているので、NHKとはショック度が
違うようです。NHKの世論調査は「精度が高い」として、その
結果には強い関心度を持っているようです。14日のNHK世論
調査をまとめます。
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・NHK世論調査によりますと、菅内閣を「支持する」と答えた
人は、先月の調査より14ポイント下がって42%、「支持し
ない」と答えた人は、17ポイント上がって36%でした。
・新型コロナウイルスに自分や家族が感染する不安をどの程度感
じるか聞いたところ、「大いに感じる」が40%、「ある程度
感じる」が45%、「あまり感じない」が10%、「まったく
感じない」が2%でした。
・新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応について、
「大いに評価する」が4%、「ある程度評価する」が37%、
「あまり評価しない」が40%、そして、「まったく評価しな
い」が16%でした。
・政府は、観光需要の喚起策、「GoToトラベル」を延長する
方針です。このまま続けるべきだと思うか、いったん停止すべ
きだと思うか聞いたところ、「続けるべき」が12%、「いっ
たん停止すべき」が79%、「わからない、無回答」が9%で
した。 https://bit.ly/3apokHq
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菅首相がこの調査で一番ショックだったのは、GoTo継続を
求める声が、わずか12%だった一方、一時停止を求める声は実
に79%に上がっことです。菅首相としては、これほどの反対を
押し切って、GoToをこのまま続けることは不可能と判断した
ものと思われます。
この世論調査の結果を見ると、何となくあの緊急事態宣言によ
る「ステイホーム」が正しく、もう一度それをやって感染を押さ
え込む必要がある──というような雰囲気が現在日本に広がって
いるような気がします。確かにあの緊急事態宣言で、4月〜5月
にかけて、一応感染が押さえられたように見えたからです。
そうではないという意見があります。4月〜5月にかけて感染
者数が減少したのは、ステイホームのせいではなく、あのとき緊
急事態宣言などせず、そのままにしておいたら、感染は3月末に
は、ピークアウトとして、その後自然減になっていったという学
者がいます。「週刊新潮」が一貫して取り上げている「目玉焼き
モデル」の考案者、あの宮沢孝幸准教授です。再登場です。
テレビでは一向にこの人の名前は出てきませんが、宮沢氏は京
都大学のウイルス・再生科学研究所に所属している感染症のプロ
であり、宮沢説は、私は一聴に値すると思います。宮沢准教授は
このところ感染者数が増えている理由について、次のように述べ
ています。
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感染者数がなかなか減らない理由の1つは、同じ第3彼のなか
の波、つまり第3の1波の終わりと、第3の2波の始まりが、重
なっているから。しかし第3の2波の高さは、第3の1波より低
くなると思われます。
それに東京の新規感染者数は、数字上は600台でも、実際は
500人程度です。PCR陽性者数が増えているのは、濃厚接触
者を積極的に検査して無症候者を拾い上げているから。加えて、
他府県から送られてきた検体を都内の民間クリニックが検査し、
陽性反応が出たら都の陽性者としてカウントされているんです。
──「週刊新潮」/12月24日号
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東京の感染者数は、「週刊新潮」発行時点より増えて、800
人台を超えています。しかし、菅政権が決断したGoToキャン
ペーンの一時停止について、宮沢准教授は「ナンセンス」である
として、次のように述べています。
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GoToトラベルも12月28日から1月11日まで一時停止
になりましたが、ナンセンスです。GoToが良かったのは、あ
れだけの人が移動しても、感染の波はこの程度で収まるとわかっ
た点。停止すれば人々の心が冷え込みます。旅先で歓楽街に行か
ない、行ってもどんちゃん騒ぎやカラオケは控える、という対策
をすれば十分なのです。 ──「週刊新潮」/12月24日号
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会食好きの菅首相にぜひアドバスしたいことがあります。毎日
こまめに会っている人たちのなかに、宮沢孝幸准教授を加えたら
どうでしょうか、と。きっと、よいヒントが得られるのではない
かとと思います。
ところで、それに日本の新型コロナウイルス対策がそんなに劣
悪なものか考え直す必要があると思います。英国の民放チャンネ
ルのリポーターを務めるジャーナリストのツイッターに6・3万
件もの「いいね」が付いたそうです。5月11日のことです。
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日本の人口 1億2600万人
コロナ死 624人
イギリスの人口 6600万人
コロナ死 3万1855人
これは、どんな見積もりだったとしても驚くべき結果である
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元国連職員、谷本真由美さんの本に出ていたものです。谷本さ
んにいわせると、いま世界は、日本のコロナ死の数が人口に比し
てあまりにも少ないので、注目のマトになっているそうです。
──[『コロナ』後の世界の変貌/140]
≪画像および関連情報≫
●「GoTo停止は意味がない。コロナ第3波は峠を越えた」
京大ウイルス学者・宮沢孝幸氏の見解
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コロナ第3波による「医療崩壊」の危機が連日報じられて
いる。PCR検査によって炙り出された新規陽性者数は高止
まりし、死者・重症患者ともに過去最高を更新。受け入れ上
限に近づく病床の逼迫を危ぶむ声は日に日に大きくなってい
る。「コロナ第3波」が猛威を振るっている――。
医療現場からも、悲痛な叫びが聞こえる。大阪府のコロナ
中等症専門病院・大阪市立十三市民病院では、11月末まで
に医師と看護師ら32人が大量退職。北海道旭川でも、地域
最大の基幹病院・旭川厚生病院で大規模クラスターが発生。
「医療崩壊」を懸念する声も日に日に高まっており、日本医
師会の中川俊男会長は「地域医療が瀬戸際に追い込まれる状
況にあり、全国どこでも、起こる可能性が非常に高い」と主
張。政府分科会の尾身茂会長も「ステージ3相当の地域は、
GoToを含めて、人の動き・接触を控えるべき」と国会で
答弁し、政府を牽制した。
そして政府は12月28日から来年1月11日まで、Go
Toトラベルの一時停止を発表。国を挙げた「抑圧政策」に
再び舵を切ったようだ。そんななか、「すでに第3波はほぼ
ピークアウトしている」と断言し物議を醸しているのが、京
都大学ウイルス・再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授だ。
https://bit.ly/2LIscJc
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「目玉焼きモデル」による感染拡大・収束のメカニズム