2020年08月24日

●「トランプはバイデンに勝てるのか」(EJ第5314号)

 米民主党全国大会は、オンラインで、8月18日から20日ま
で行なわれ、20日にはバイデン氏が、大統領候補指名受託演説
を行っています。その演説は、現政権を「闇」、自身を「光」に
たとえた次のような演説だったのです。
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 現在の米国大統領は、あまりにも長く米国を暗闇で覆い、多く
の怒りと恐怖と分断を生み出した。連帯すれば、暗闇を克服する
ことができる。現在の大統領は、この国を守るという最も基本的
な義務を果し損ねた。光は闇よりも強い。後世、米国の闇の終わ
りが、今夜ここから始まったと言えることを願う。
                  ──ジョー・バイデン氏
           2020年8月22日付、朝日新聞より
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 トランプかバイデンか──トランプ大統領は、確かに問題の多
い大統領であることは確かですが、日本にとっては、けっして悪
い大統領ではないのです。
 日本は、頭の痛い外交問題として、北朝鮮との拉致問題、中国
との尖閣諸島の領有権を巡る問題を抱えています。この両方の難
問について、オバマ政権のときはどうだったでしょうか。
 オバマ政権は、北朝鮮の問題に関しては「戦略的忍耐」と称し
て、北朝鮮に対しては放置を決め込んでいます。北朝鮮の首脳が
どれほど米国との交渉を望んでも、一切関与しない姿勢です。米
国の民主党政権は、一貫してそういう姿勢です。
 尖閣問題に関しては、日米安全保障問題の範囲内とは認めたも
のの、中国に対して甘い政策を取る民主党政権では、実際にコト
が起きたとき、本当に対処してくれるのか、きわめて疑問です。
そもそも中国をここまで増長させたのは、米国の民主党政権に責
任があります。民主党のクリントン政権のときに、中国のWTО
加盟を推奨したからです。
 しかし、トランプ政権では、どうでしょうか。
 確かに、ブッシュ大統領もオバマ大統領も、拉致被害者家族と
は会ってくれています。しかし、トランプ大統領は2017年に
米国で1回、2018年の国賓として来日時に、東京・元赤坂の
迎賓館で再度会っています。面会後の記者会見で、家族らは「ト
ランプ氏から勇気をもらった」と感謝の思いを語っています。
 それだけではないのです。会って励ますのは、誰でもできます
が、トランプ大統領は、金正恩委員長と2回も会談を行い、拉致
問題について金委員長に、直接言及してくれています。ここまで
やってくれた米国の大統領はトランプ氏だけです。
 それでは、尖閣諸島の問題ではどうでしょうか。
 トランプ政権は、何よりも中国に対して、きわめて厳しい対応
をとっています。普通なら、戦争になってもおかしくないほどの
厳しさです。貿易に関しても、技術窃盗に関しても、新型コロナ
ウイルス蔓延の責任に関しても、香港問題に関しても、南シナ海
の問題に関しても、厳しい態度をとっています。これは、尖閣問
題を抱える日本にとって心強い限りです。
 米国は尖閣諸島について、これまでそれが日米安保条約の範囲
内であることは認めています。しかし、連日のごとく尖閣諸島の
領海近くに侵入を繰り返す中国の公船の執拗な行為に関しては何
もいっていませんでした。しかし、7月21日に、エスパー米国
防長官は、次のように中国を名指しして非難しています。
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 中国は、東シナ海と南シナ海で攻撃的な行動を続けている。日
本の施政下にある尖閣諸島周辺海域で、侵入の回数と時間を増や
している。             ──エスパー米国防長官
             2020年7月22日付、朝日新聞
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 これは、米国としては大変な踏み込みです。単に「東シナ海で
の攻撃的な行動」というだけでなく、「日本の施政下にある尖閣
諸島周辺海域で」と明確に尖閣諸島を名指しして、その侵入行為
を批判しているからです。
 日本にとって、米国の民主党政権は相性がよくないのです。こ
の点について、人間経済科学研究所執行パートナーで国際投資ア
ナリストの大原浩氏は、次のように警告しています。
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 もちろん、香港、ウイグル、チベットなどの人権法案は、ほぼ
全会一致で可決されていることを考えれば、特に人権問題につい
ては民主党も厳しく中国共産党に接しているのは事実だ。しかし
米国民主党が「反日・媚中」であるのは歴史的伝統である。最も
象徴的なのが、民主党のクリントン大統領が1998年、日本に
立ち寄ることなく9日間にわたって中国に滞在したため、「ジャ
パン・パッシング」と非難された「事件」である。
 第二次世界大戦中に日系人を強制収容所に送ったのも民主党の
ルーズベルト大統領だ。同じ敵国だったドイツ系、イタリア系の
扱いと比べたら、明らかに有色人種の日本人を狙いうちにした人
種差別だ。戦後、88年にレーガン大統領、92年に、ブッシュ
(父)大統領が謝罪と賠償を行ったが、どちらも共和党だ。日本
人が決して忘れるべきではないのは、民主党のトルーマン大統領
が日本に原爆を投下させたことである。長崎と広島に違ったタイ
プの爆弾を落としたのは、効果を測定する「人体実験」と言われ
ても仕方がない。          https://bit.ly/34niVxJ
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 副大統領候補には、カマラ・ハリス上院議員が指名されました
が、そうなると、バイデン政権が誕生すると、スーザン・ライス
氏が国務長官になる可能性が出てきます。このスーザン・ライス
なる人物は、「中国に優しく、日本に厳しい」人物であり、かつ
て日本政府はその対応に苦慮した相手です。ということになると
日本としては、トランプ大統領にがんばってもらうしかないこと
になります。その可能性はどのくらいあるのでしょうか。
         ──[『コロナ』後の世界の変貌/058]

≪画像および関連情報≫
 ●バイデンは本当にトランプに勝てるのか?
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   今回のテーマは、「民主党副大統領候補の長所と短所」で
  す。米国人男性の平均寿命は78・54歳(2017年)で
  す。民主党大統領候補を確実にしたジョー・バイデン前副大
  統領は、すでに77歳と7カ月です。大統領就任時は、78
  歳になっています。仮に大統領に就任しても、バイデン氏は
  1期で終わる可能性が高いといえます。ということは、バイ
  デン氏の副大統領候補は24年米大統領選挙の本命になる公
  算があります。そこで、本稿では民主党副大統領候補の長所
  と短所に焦点を当てます。
   16年米大統領選挙において、民主党の大統領候補ヒラリ
  ー・クリントン元国務長官は、南部バージニア州のティム・
  ケイン上院議員を副大統領候補に選びました。激戦州である
  バージニア州が勝敗の鍵を分けると判断したからでしょう。
  この読みは外れました。勝敗を左右したのは、中西部ミシガ
  ン州、ウィスコンシン州及び東部ペンシルべニア州でした。
  クリントン氏は、激戦州を基準に副大統領候補を選択したの
  です。一方、ドナルド・トランプ大統領は、中西部インディ
  アナ州マイク・ペンス知事(当時)を副大統領候補にしまし
  た。その主たる理由は、キリスト教福音派の票の獲得です。
  信仰心が薄いとみられているトランプ大統領は、福音派のペ
  ンス氏を指名して、自分の弱点を補いました。
                  https://bit.ly/32dXSei
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バイデン氏とトランプ氏.jpg
バイデン氏とトランプ氏
posted by 平野 浩 at 05:49| Comment(0) | 『コロナ』後の世界の変貌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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