河添恵子氏は、次のように紹介しています。
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パリにも中華街は複数ある。パリ三区のタンプル通り周辺──
古くからの温州系移民を中心に、皮革製品や貴金属や宝石を扱う
商店が集中する。パリ二十区のベルビル地区周辺──かつてマグ
レブ系(北アフリカ)などアフリカ系移民が多く住んでいた、が
70年代に温州系、カンボジア出身の潮州系華人、香港系が移住
した。その他、主要都市にもインドシナ系、中国系移民の集住す
る地区があり、フランス生まれの二世や三世もいる。
──河添恵子著/WAC
『習近平が隠蔽したコロナの正体/それは生物兵器だった!?』
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中国があまり経済的に豊かでなかったときは、各国にある中華
街はその国にとって何のリスクもなかったのです。しかし、高度
経済成長を続けて豊かになった中国共産党政権は、世界中にいる
留学生を含む中国人に、国家のために、情報収集をさせるように
なっていったのです。最近ではそれを国民の義務にする「国家情
報法」という法律まで作って、情報収集を強制させるようになっ
ています。国民総スパイ化です。
ましてフランスでは、シラク大統領の時代から中国にP4実験
室を作るプロジェクトを立ち上げて中国を支援しており、中国は
それを口実に、パスツール研究所やリヨンのメリュー生物化学研
究センターなどに超エリートを送り込み、フランスが世界に誇る
技術、バイオテクノロジー、ワクチン生産などについて学ばせよ
うとしていたのです。
民主主義国家であれば、そういう技術者を受け入れることは普
通に行うことですが、そこには一定の厳格なルールというものが
あって、まして不正な手段で情報を窃取するようなことは絶対に
やってはならないことです。実はこのプロジェクトの実行に当っ
て、フランス当局としては、中国側とたびたび意見が対立してい
たのです。
今年に入って、新型コロナウイルスの感染が広がると、中国の
P4実験室のフランスの関係者は、なるべくフランスに矛先が向
かないよう発言には相当気を遣っていたのです。ただでさえ、マ
クロン政権とトランプ政権とはも水と油であり、ギクシャクして
いたからです。
ところが、今年の4月に入ると、米英メディアは、新型コロナ
ウイルスは、武漢のウイルス研究所から流出した可能性について
さかんに報道するようになったのです。ちょうどそのときです。
フランスのリュック・モンタニエ博士の次の発言が飛び出したの
は。これは、4月16日のフランスのサイト「どうして?ドクタ
ー」の音声インタビューでの発言です。
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新型コロナウイルスは人工的なもので、武漢の研究所でつくら
れたのだろう。事故で流出したはず。
──リュック・モンタニエ博士
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リュック・モンタニエ博士は何者でしょうか。
モンタニエ博士は、1983年にノーベル生理学・医学賞を受
賞していますが、河添恵子氏によると、次のようにスゴイ人物な
のです。
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ノーベル生理学・医学賞を受賞する以前から、モンタニエ博士
は、ラスカー医学賞(アメリカ財団)、シェーレ賞(スウェーデ
ン)、ガードナー賞(カナダ)、ファイサル王医学賞(サウジア
ラビア)、ハイネケン医学賞(オランダ王立アカデミー)、アス
トゥリアス皇太子医学賞(スペイン)、日本からは科学技術者
に贈られる「日本国際賞」を授与されたスゴい人物である。
──河添恵子著の前掲書より
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この発言のあった次の日、4月17日のことです。フランス国
際放送局ラジオ・フランス・アンテルナショナル(RFI)が、
次のような報道をしたのです。
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「フランス国内には、中国武漢に『P4実験室』を造る計画の
妥当性を疑問視する声が以前から相次いでいた。おもな理由は、
中国当局がSARS後にフランス政府の援助で建てた幾つかのP
3実験室の用途の公表を拒否し続け、恐ろしいほど透明性に欠け
ていることだった。P4実験室もその二の舞になり『生物兵器庫
と化してしまうのではないか』との不安も高まっていた」「ただ
外務省、国防省と国防国家安全保障事務総局(首相府)の担当閣
僚や、細菌戟など生物兵器研究の専門家らは態度を保留した。政
治家は反対を退け計画を承認した」
「アラン・メリユー氏は2008年にフランス側の代表として
中国側の陳竺氏とともに実行委員会の委員長に就任。計画は20
10年より本格的に始動した」 ──河添恵子著の前掲書より
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この「中仏共同プロジェクト」は、シラク大統領とラファラン
首相が主導したもので、フランス議会の総意とは大きな隔たりが
あったにもかかわらず合意へと突っ走ったのです。医療機器関連
や製薬業からの強い要請を受け入れたのです。
それでは、どういう点で中国と意見が一致しなかったのでしよ
うか。とにかく中国側は情報を公表するのを嫌がるのです。「B
SL/4」の実験室は、生物兵器庫の疑いが持たれるので、そこ
には強い透明性が求められるのですが、中国はそれを嫌がるので
す。自国の利益のために自国の法律を国際法に優先させる中国の
ことですから、そういうことは十分起こりうるのです。しかし、
フランスは後に引けなくなっていたのです。
──[『コロナ』後の世界の変貌/045]
≪画像および関連情報≫
●武漢市「ウイルス研究所」に“中国とフランスの闇”は
暴かれるのか?
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新型コロナウイルスをめぐる米中対立が激化するなか、欧
州でも発生国・中国への不信感が強まっている。初動対応の
失敗や隠蔽疑惑に加え、「マスク外交」を展開して自己正当
化に利用しているのだ。こうしたなか、米国メディアが報じ
た湖北省武漢市の「ウイルス研究所」設立に協力したとされ
る、フランスの動向が注目されている。感染者約12万13
00人、死者約2万2200人(25日、世界保健機関=W
HO=調べ)という甚大な被害を受けた科学・文化大国は対
中戦線に加わるのか。ノンフィクション作家、河添恵子氏の
緊急寄稿第12弾。
「われわれが知らないことが起きているのは明らかだ」フ
ランスのエマニュエル・マクロン大統領は、4月中旬、英紙
フィナンシャル・タイムズ(FT)紙のインタビューでこう
述べた。この表現には、同国ならではの「特別な事情」が含
まれていそうだ。
武漢には、「中国科学院武漢病毒(ウイルス)研究所」が
2カ所(武昌区と江夏区)存在する。米国などは「新型コロ
ナウイルスの発生源の可能性がある」として、フランスの全
面的協力で完成した「P4実験室」が備わる研究所(通称、
『新しいラボ』=江夏区)の査察を求めている。フランス大
統領府は一応、「現時点で新型コロナウイルスの由来が『新
しいラボ』であることを証明するものは何もない」との声明
を発表している。 https://bit.ly/2XlpqwF
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リュック・モンタリエ博士