2020年06月10日

●「テドロス事務局長は何をやったか」(EJ第5264号)

 トランプ米大統領は、「WHO(世界保健機関)は中国寄り」
と批判し、WHO脱退を宣言しています。WHOが中国寄りとい
うことは、現職のテドロス・アダノム事務局長が中国寄りの姿勢
ということになります。WHO事務局長の権限はそれほど大きい
のです。テドロス事務局長は一体何をやったのでしょうか。
 テドロス事務局長がパンデミック宣言をしたのは、2020年
3月11日のことです。しかし、これは本当の意味のパンデミッ
ク宣言ではないという識者がいます。国際政治評論家で、翻訳家
の白川司氏です。まず、WHOのパンデミック宣言を伝える日経
電子版の記事をご覧ください。
─────────────────────────────
 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は3月11日、世
界で感染が広がる新型コロナウイルスについて「パンデミック」
とみなせると表明した。WHOがパンデミックと認定したのは、
2009年に流行した新型インフルエンザ以来11年ぶり。中国
以外での感染ペースが加速する現状に強い懸念を示し、各国に対
策の強化を促した。         ──日経電子版記事より
─────────────────────────────
 確かにテドロス事務局長は「パンデミックとみなせる」といっ
ているだけです。実際に事務局長は、正確には次のように述べて
います。以下は、白川司氏の分析にしたがって書きます。
─────────────────────────────
 過去2週間、中国以外で、新型コロナウイルスによる肺炎の患
者数は13倍になっており、ウイルスの上陸国は3倍になってい
る。114カ国に11万8000人以上の患者がおり、4291
人が亡くなった。それゆえ、私たちはCOVID−19がパンデ
ミックにあるとみなしうると評価した。 ──テドロス事務局長
─────────────────────────────
 ここで、わざわざ中国を外して、それ以外の国について述べて
いることは注目に値します。白川司氏は、パンデミック宣言とみ
なしうるという部分の英語を示し、次のように述べています。
─────────────────────────────
 We have therefore made the assessment that COVID-19 can
 be characterized as a pandemic.
 ここでcanが使われている点に注意すべきだろう。canは「で
きる」というのが中心の意味で、ここは「みなそうとすればみな
せる」という意味になり、「今その可能性がある」と言っている
にすぎない。つまり、「パンデミックの可能性があるだけであり
まだパンデミックではない」と解釈することも可能なのである。
 このことは、後に続く言葉からも裏づけされる。「パンデミッ
クという言葉を軽々しく使うべきではない。もし使い方が不適切
だと、過度に不安をあおったり、もう戦えないと根拠もなく諦め
たりして、不必要な病気や死につながるからだ」
                  https://bit.ly/3dIUdcS ─────────────────────────────
 テドロス事務局長は、事態をパンデミックと呼ぶには、制御不
能の状態にならないといけないと考えているようです。事務局長
はこうもいっています。「今回がコロナウイルスによって起きる
初めてのパンデミックということになるが、それは制御可能なパ
ンデミックになる」と。非常にまわりくどいいい方です。なぜ、
このようなことをいったのでしょうか。
 白川司氏は、会見でのテドロス事務局長の次の言葉に注目して
います。
─────────────────────────────
 114カ国11万8OOO人の患者のうち、90%以上が4カ
国に集中しており、そのうち中国と韓国の2カ国では罹患数が有
意に下がっている。       ──テドロスWHO事務局長
─────────────────────────────
 白川氏によると、ここでいう4カ国とは、中国、韓国、イラン
イタリアですが、この会見の行われた3月11日の時点では、中
国の感染者数が他国を圧倒的していたのです。事務局長はそのこ
とに触れず、その中国を韓国と一緒に「罹患数が有意に下がって
いる」という表現で、明らかに中国の感染者数の多さから目をそ
らさせようとしています。
 さらに会見の終りの部分では、感染の中心地はもはや中国では
なく、ヨーロッパであるとの布石を打っています。
─────────────────────────────
 いまや新型肺炎渦の中国で報告されたよりも多くの患者が、ヨ
ーロッパにおいて、日々、報告されている。
 More cases are now being reported every day than were
 reported in China at the height of its epidemic.
                  https://bit.ly/3dIUdcS ─────────────────────────────
 そのうえで、テドロス事務局長は、2日後の3月13日、「新
型コロナウイルスのパンデミックの中心はヨーロッパである」と
宣言しています。白川司氏によると、このときの「中心」という
言葉に「epicenter」 を使っていますが、これは中心というより
も「震源地」を意味するかなり強い言葉だそうです。
 このテドロス事務局長の宣言によってメディアの論調は、これ
までの中国発の新型コロナウイルスの蔓延のそれから、ヨーロッ
パ中心に変わってしまったのです。つまり、テドロス事務局長は
これによって見事に「中国外しとヨーロッパへの責任転換」を成
し遂げたことになります。これでは、WHOが中国と共闘を組ん
でいると疑われても仕方がないでしょう。
 それにしてもWHOはどうなってしまったのでしょうか。今回
は白川司氏のレポートを中心に、WHOのテドロス事務局長によ
る新型コロナウイルスのパンデミック宣言を中心にご紹介しまた
が、2020年1月〜3月11日までの間にも、いろいろ納得の
いかないことが多々あったのです。明日のEJでは、それについ
て述べます。   ──[『コロナ』後の世界の変貌/008]

≪画像および関連情報≫
 ●中国の傀儡「WHOテドロス事務局長」トンデモ発言録
  忌み嫌う台湾に学べ
  ───────────────────────────
   コロナ禍は人災である。世界的な大流行を招いた戦犯は、
  WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長その人だ。数々
  のトンデモ発言を聞けば、もはや中国の傀儡で“免疫不全”
  に陥っているのは誰の目にも明らか。彼が忌み嫌う台湾にこ
  そ、対策を学ぶべきではないか。
   もはや失笑を禁じ得ないが、国連のホームページには、こ
  んな紹介文がある。〈WHOは、グローバルな保健問題につ
  いてリーダーシップを発揮し、健康に関する研究課題を作成
  し、規範や基準を設定する〉今回もテドロス事務局長がリー
  ダーとして早々に警告を発すれば、世界に危機が周知され各
  国政府は感染対策を徹底できたはずだ。さる海外通信社の東
  京特派員が解説する。「彼はWHOで初めて医師の資格を持
  たずにトップとなった人物。中国から多額の経済援助を受け
  るエチオピアで長く保健相を務め、首根っこを習近平国家主
  席に掴まれているのです」故にWHOは1月5日、「中国で
  原因不明の肺炎が見つかった」と認めながら、同月30日ま
  で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」の宣言を先
  送り。ようやく発表した席でも、テドロス事務局長は災いを
  招いた国をこう庇(かば)った。〈中国は短時間で病原菌を
  特定し、即座に共有し、診断ツールの迅速な発展を導いた。
  内外に完全な透明性を約束した〉 https://bit.ly/2UBu7kH
  ───────────────────────────

テドロスWHO事務局長.jpg
テドロスWHO事務局長
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | 『コロナ』後の世界の変貌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
WHOの対応について以下に時系列にてまとめた記事
https://www.afpbb.com/articles/-/3278869?page=2

ひとまず政治的問題は置いておく。

結論から言うと、WHOの初動対応に関係なく新型コロナ
のパンデミックを阻止することは不可能であった。

理由は、以前にも述べたが、武漢での発見より早く、
新型コロナはその根が世界中に蔓延していたからだ。

感染研が解析したウィルスの遺伝子進化ネットワーク
(haplotype networks)で確認することができる。
https://gph.niid.go.jp/covid19/haplotype_networks

以前はアニメーションを時系列に動かせたが、不都合
な事実がある為か、見れなくなってしまった。
唯一ニュースの動画が残っている。(政府は絶対に消すな!)
https://www.youtube.com/watch?v=pDLXTTKRRB4

動画を途中で止めてもらえればわかるが、武漢株(青色)とは
大きく離れた位置に、米国・欧州(黄色、水色)にて検出され
た別株が突如として現れる。そして武漢株とは繋がりがない。

説明すると初期の米国・欧州の株(恐らくTCT型、TCC型)は、
武漢株(CTC型)から変異したものではなく、元々米国・欧州
の国内で流行していたもの(武漢より以前に中国から渡って
きたもの)である。

遠いアジアの出来事だと思っていてたが、蓋を開けてみれば
自分たちの国も大変なことになっていたのだ。何をしようが
「時すでに遅し」だったのである。

但し、パンデミックを防ぐことは無理でも、WHOが早期に各国
にコロナ対応をさせることは可能であった。

というのは、中国以外の国に対して「検査を実施して欲しい」
と要請することはできたからだ。グローバル化の時代にあって
他国にウィルスの「根」が渡っていないという保証がないこと
くらいは理解できるずだ。

WHOにはそれなりに経歴のある人材がいるはずなのだが、
彼らは本当に医学や免疫学の専門家なのだろうか。
今頃になってマスクの着用を奨励するとはどういうことか。
Posted by nishi takasi at 2020年06月10日 16:17
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

RDF Site Summary