でにも何回もあったことですが、そのつど安倍内閣は支持を取り
戻しています。しかし、今回は新型コロナウイルス対策の内閣の
対応にも批判が出ており、その他のいろいろな要素が加わって深
刻化しています。
5月23日と24日に実施された朝日新聞と毎日新聞の世論調
査は次のようになっています。
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◎朝日新聞の世論調査
支持する 支持しない
内閣支持率 29% 52%
コロナ対策 30% 57%
◎毎日新聞の世論調査
内閣支持率 27% 64%
コロナ対策 39% 53%
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森友問題、桜を見る会、検事総長人事など、安倍政権には積年
の不祥事が多々あり、内閣支持率において、不支持が支持を大幅
に上回ることは当然であると思います。しかし、政府のコロナ対
策はそんなに悪くはないと思います。中国は日本の隣国であり、
多くの中国人観光客が来日しており、人口からみても感染者数、
死者数ともによく押さえ込んでいると思います。とくに死者数は
どう考えても世界各国に比べ圧倒的に低いといえます。
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◎2020年5月26日現在
感染者数 ・・・・・ 16591人
回復者数 ・・・・・ 13771人
死者数 ・・・・・ 851人
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それでは、国民は何に怒っているのでしょうか。
それは何をしても「遅い」の一言に尽きます。とくに布マスク
については、4月1日に首相が約束し、そろそろ2ヶ月になろう
としているのに、26日現在、私のところには届いていないし、
10万円給付のための自治体のはがきすらきていません。
鳴りもの入りで打ち出した雇用調整助成金については、申請の
ための書類が多過ぎて、プロに頼む人が多いそうですが、そのプ
ロですら、音を上げるほど、書類を揃えるのが難しいそうです。
概して役人は、必要のない人間にお金を与えてはまずいと考える
せいか、お金の出る手続きはどうしても申請を複雑化させる傾向
があります。これが目詰まりの原因です。
5月26日付の朝日新聞「経済気象台」は、布マスクについて
次のように書いています。
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布マスクの配布は4月27日に始まったが、不良品の多発でも
たつき、今も行き渡っていない。その間に、不足していたマスク
は市中に出回り始めている。労働組合が50枚入りの箱を全組合
員に支給した会社もあるという。緊急事態宣言は25日、継続し
ていた5都道府県についても解除されることになった。(中略)
高校時代の漢文の授業では、「過ちては則ち改めるに憚ること
勿れ」とも教わった。「給食マスク」とも揶揄される愚策をなぜ
強行するのか。ここは素直に中止し、せめて郵送料の支払いを少
しでも削減すべきではないか。、(玄)
──2020年5月26日付、朝日新聞
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新型コロナ感染者のなかには、感染しても無症状で、そのまま
治る人もいます。この無症状感染者の感染力が一番強いとなると
感染拡大を防ぐためには、そういう人をいかに早く発見し、隔離
することが必要になります。しかし、それは絶望的に困難な仕事
です。しかし、感染者本人が自覚していないので、あちこち歩き
回るからです。
しかし、「抗原検査」であれば、それはある程度可能です。そ
のためのキットも次のように厚労省は承認しています。価格は、
6000円と手ごろな価格であり、最短10分で判定可能です。
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厚生労働省は、20120年5月13日、みらかホールディン
グス子会社の富士レビオが承認申請していた新型コロナウイルス
の抗原検査キット「エスプラインSARS−CoV−2」を承認
し、同日の中央社会保険医療協議会(中医協)で保険適用の検査
費を6000円に定めた。行政検査となる場合は全額公費負担と
なる。まずは患者発生数の多い都道府県で帰国者・接触者外来を
持つ医療機関や特定機能病院から供給が開始される見込み。
https://nkbp.jp/3d62nLW ─────────────────────────────
もっともこういう抗原検査でも国民全員に検査を実施するのは
大変です。しかし、例えば企業の従業員全員を検査することは十
分可能です。もし社員のなかで、1人でも新型コロナウイルスの
感染者がいると、企業自体がクラスターになりやすく、経営者と
しては不安です。こういう場合、従業員全員に抗原検査をすれば
感染者をクラスターになる前に発見できます。
もっとも、この抗原検査で「陰性」になっても感染者ではない
という100%の判定はできませんが、発熱などの症状が出てい
る陰性者は、医師の判断により、PCR検査を実施すれば、陰性
か陽性かを確定できます。
他にも利用法はたくさんあります。最も感染が疑われる年配の
肺炎患者全員の検査であるとか、ある特定会議の出席者全員に対
する検査など、少しでも早く、感染の有無を知りたいケースにつ
いて、抗原検査は活用できます。
この抗原検査に、唾液によるPCR検査を併用すれば、感染者
の発見は一層早まることは確実で、状況に合わせたさまざまな活
用が期待できます。 ──[消費税は廃止できるか/096]
≪画像および関連情報≫
●抗原・抗体検査 特性踏まえて有効活用を/毎日新聞
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新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる「抗
原検査」が承認された。この検査は、ウイルスを構成するた
んぱく質の有無を調べる。最大の利点は、10〜30分で結
果が出ることだ。その場で感染が分かるため、使い勝手がい
い。感染が疑われる症状がある人はまず医療機関などで抗原
検査を受け、「陽性」であれば感染確定とみなす。「陰性」
の場合のみ、PCR検査に回す。
精度は、PCR検査より劣るが、現場の負担軽減につなが
る。これまで、感染を知る手段は、PCR検査に限られてい
た。だが、実施体制の整備が追いつかず、必要とする人に速
やかな検査を提供できていなかった。
背景には、窓口となる保健所、検査を受け持つ地方衛生研
究所の業務過多がある。検体の運搬にも困難がつきまとう。
こうした現状を抗原検査で補いながら、流行の第2波に備え
て検査体制の拡充を急ぐべきだ。検体採取の際に2次感染す
るリスクが低い唾液を使う方法も研究されている。検査の選
択肢を増やす努力を続けてほしい。「抗体検査」も導入され
る。この検査は、過去に感染していたかどうかが分かる。東
京、大阪、宮城の3都府県で、計1万人を対象に実施する方
針だ。抗体を持つ人の割合を知ることで、ウイルスがどの程
度社会に広がっているかを推し量れる。
https://bit.ly/2M0k3wQ
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抗原検査キット「「エスプラインSARS−CoV−2」