の29歳のオカシオ・コルテス下院議員ですが、彼女の掲げる政
策は、次の3つです。
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1.GND ・・・ グリーン・ニュー・ディール
2.JGP ・・・ 国民総雇用保証
3.MFA ・・・ 国民皆保険
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オカシオ・コルテス下院議員の政策の達成には、莫大な資金が
かかります。彼女は、その財源の調達にMMTの考え方を使おう
と考えています。そのためには、民主党のバーニー・サンダーズ
上院議員が大統領になることがベストです。ステファニー・ケル
トン教授は、サンダーズ上院議員の政策顧問にして、オカシオ・
コルテス下院議員の経済アドバイザーを務めています。
ここに、記者(Q)とケルトン教授(A)とのMMTに関する
一問一答があります。MMTの理解につながると思われるので、
何回かに分けてご紹介し、解説を加えることにします。
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Q:グリーンニューディールの財源は、ちゃんと確保できるので
しょうか?
A:はい、連邦政府は、自国通貨で売りに出されているものは何
でも購入することができます。
Q:あなたは、政府は新規の支出のために、ただ「カネを刷れば
いい」というのですか?
A: 逆に他になにか方法があるんですか?
Q:他の方法ですって?税率を上げられるじゃないですか!
A:そういうものではないのです。政府が国民経済に注いだお金
の一部を、税は吸収してしまいます。支出と税収を同額にす
ることもできるかもしれません。でも政府はふつう、税収よ
り多くのお金を支出していますし、それによって市場にはよ
り沢山のお金が出回りますよね。 https://bit.ly/2Q4sGJc ─────────────────────────────
MMTでは、税金は財源とは考えないのです。これは、とても
わかりにくい考え方です。主流派経済学では、税金が税収として
得られ、政府はそれを財源として支出を行うと考えています。当
たり前なことであると誰しも考えます。
しかしMMTでは、逆に政府支出がまずあって、国民はそれに
よって得たお金で納税できると考えます。これを「スペンディン
グ・ファースト」といいます。税金についてケルトン教授は重要
なことをいっています。「税金は、政府が国民経済に注いだお金
の一部を税は吸収する」と。
3月2日のEJで述べた「ウォーレン・モスラーの話」を思い
出してください。モスラーは、子供たちのお手伝いに応じて、名
刺(お金)を与えています。スペンディング・ファーストです。
子供たちはそうして集めた名刺、すなわちお金で納税を行ってい
ます。このように、徴税は、貨幣に価値を与え、市中に流通する
貨幣の量を調節する役割をもっています。すなわち、徴税は、市
中から貨幣を吸収する行為として位置付けられています。
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Q:いやいや、それは(国債発行による)赤字支出じゃないです
か?あなた、まーた、政府債務を積み上げるんですね?
A:いいえ、国債を買うためのドルは、赤字支出からくるもので
はありません!それは、そもそも「借り入れ」ではありませ
ん。人々がドルと国債を交換したときには、政府が発行した
おカネを別の形で持ちかえたというだけのことです。
Q:でも、結局、我々は負債を返済する必要がありますよね?
A:政府は常に国債を償還しています。簡単ですよ。国債の売り
手(多くは銀行)の口座の証券の項目を引き算して、中央銀
行預け金の項目を足し算するだけです。これをNY連邦準備
銀行はキーボードを叩くだけで終わらせるんです。
Q:しかし、利子の支払いはどうなるんですか?利払いによって
使用可能なお金は少なくなりますよね?
A:それは間違いです。政府が利子を支払う方法も、あらゆる支
払いと同じです。いつだって何にでも支払いが増やせます。
その上限を決めるのが物価上昇率なのです。
https://bit.ly/2Q4sGJc ─────────────────────────────
ここでは、MMTの本質を論じています。「国債とは何か」が
論じられています。これについては、残りの紙面で述べることは
困難であるので、明日のEJで述べることになります。
前のブロックで、記者は「政府は新規の支出のためにただ『カ
ネ』を刷ればいい」といっていますが、これは日本的な表現であ
り、日本の読者向けにそう訳したものと思われます。MMTでは
次の2つの表現を使っています。
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@ 「万年筆マネー」
A「キーストローク・マネー」
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ここまで何度も述べてきた銀行の信用創造の仕組みによれば、
無一文の銀行でも、お金を貸す能力があるといえます。銀行は預
金者から預かったお金を貸しているのではないからです。もちろ
ん、法的な規制があって、無一文の銀行ではお金は貸せませんが
その規制がなければ貸すことができるのです。それは、きわめて
簡単なことです。貸付を希望する人の口座に「○○万円」と書き
込むことによって、貸したことになるからです。
この「書き込む」という言葉によって、「万年筆マネー」とい
う表現が生まれたのですが、実際には、キーボードのキーをスト
ロークすることによって貸し付けが可能になるので、「キースト
ローク・マネー」という表現に変わってきているのです。
──[消費税は廃止できるか/045]
≪画像および関連情報≫
●異端の経済理論「MMT」を恐れてはいけない理由
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現代貨幣理論は、その名のとおり、「貨幣」論を起点とす
る経済理論であるが、この現代貨幣理論と主流派経済学とで
は、貨幣の理解からして、180度違うのである。
まさに、地動説と天動説の相違と比肩できるほど、異なっ
ているのだ。では、ここで、現代貨幣理論が立脚する貨幣論
について、ごく簡単に解説しよう。
今日、「通貨」と呼ばれるものには「現金通貨(お札とコ
イン)」と「預金通貨(銀行預金)」がある。「銀行預金」
が「通貨」に含まれるのは、我々が給料の支払いや納税など
のために銀行預金を利用するなど、日常生活において、事実
上「通貨」として使っているからである。ちなみに「通貨」
のうち、そのほとんどを預金通貨が占めており、現金通貨が
占める割合は、ごくわずかである。ここまでは、主流派経済
学でも異論はないであろう。
問題は、通貨のほとんどを占める「銀行預金」と貸し出し
との関係である。通俗的な見方によれば、銀行は、預金を集
めて、それを貸し出しているものと思われている。しかし、
これは銀行実務の実態とは異なる。
実際には、銀行の預金が貸し出されるのではなく、その反
対に、銀行が貸し出しを行うことによって預金が生まれてい
るのである(これを「信用創造」という)。驚かれたかもし
れないが、これは事実である。 ──中野剛志氏
https://bit.ly/2TA7NHP
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サンダーズ/コルテス両議員