2020年01月30日

●「森友学園事件は安倍内閣倒閣運動」(EJ第5177号)

 西田昌司氏という自民党の参議院議員がいます。京都選挙区の
税理士で、安倍首相の出身派閥である細田派に所属し、安倍首相
の経済指南役の一人です。西田氏は、2019年の参院選の再選
組ですが、選挙前に次の一文を毎日新聞のデジタルコラム「政治
プレミア」に寄稿しています。内容は、与党議員らしからぬ内容
で、安倍首相が3度目の消費増税の延期をしやすいようにメッセ
ージを出したのではないかといわれたものです。
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 2019年1〜3月期の国内総生産の速報値は、年率換算で、
2・1%増となった。しかしこれで「景気が良くなった」という
のは全くの解釈違いだ。「本当にバカか」と私は言いたい。数字
の中身をみると内需の最大の項目である個人消費は減っている。
民間の設備投資も減っている。輸出も減っている。実質賃金がこ
の20年間下がり、労働分配率もアベノミクスの下で減り続けて
いる。GDP速報値は、日本がデフレ下にあることを証明してい
る。ならば消費増税は凍結するしかない。消費増税を強行すれば
間違いなく経済は悪くなる。     https://bit.ly/2U0A9vp
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 このとき、安倍首相は、「すでにデフレではない」「好景気が
続いている」「賃金は増えている」と主張していたのですが、西
田昌司氏は、それらをことごとく否定しています。西田氏の指摘
はすべて真実なのです。しかし、安倍首相は、「10月1日から
消費税を10%に引き上げる」ことを公約に掲げて、参院選を勝
利しています。
 さて、昨日のEJの続きです。財務省は、浜田宏一内閣官房参
与の発言とクリストファ・シムズ教授による各地でのシンポジウ
ムの開催に神経を尖らしたのです。なぜなら、シンポジウムは、
どこでも、減税の大合唱になり、大盛況だったからです。財務省
としては、このままでは、「8%の消費税を5%に戻される」と
危機感を強めたものと思われます。そのとき財務省に飛び込んで
きたのは、安倍昭恵夫人が親密にしている大阪の幼稚園経営者が
小学校を作るため、国有地を格安で払い下げて欲しいと申し入れ
てきたという情報です。2017年春のことです。
 財務省は「この情報は使える」と考えたのではないかと森永卓
郎氏はいいます。滅多にない安倍首相と昭恵夫人のからむスキャ
ンダルであり、財務省の出方によっては、安倍政権を揺さぶるこ
とができると、財務省は考えたのです。まさか森友学園問題が財
務省による安部政権の倒閣運動であるとは、驚くべき指摘ですが
森永卓郎氏は、これについて次のように述べています。
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 普通に考えれば、財務省に国有財産を安値で叩き売る動機はな
い。しかし、森友学園の籠池前理事長の長男である佳茂氏は、メ
ディアの取材に対して、「政権にダメージを与えようと、一芝居
打った可能性」を指摘した。その見立ては、メディアからは無視
されたが、私はその可能性が高いと考えている。
 財務省の最大の関心事は消費税率の継続的引き上げだ。しかし
安倍首相は二度も消費税率の引き上げを先送りした「戦犯」だ。
しかも、安倍首相は2019年10月に予定される消費税率引き
上げも凍結する気配をみせている。財務省にとって、絶対に許せ
ない行動だったのだ。
 もちろん、財務省が政権転覆のために動いたことを立証するの
は、不可能に近い。しかし、事態は、財務省の望む方向に動いて
いった。森友学園問題の追及が強まるなかで、内閣支持率が急落
したのだ。2017年7月の毎日新聞の世論調査では、内閣支持
率は26%に急落し、「自民党総裁交代を」と答える国民が62
%に達した。                ──森永卓郎著
   『なぜ日本だけが成長できないのか』/角川新書K241
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 しかし、安倍首相は運の強い人です。内閣支持率が最低を記録
した直後、北朝鮮がミサイルを撃ちはじめたのです。これによっ
て事態は一変します。機を見るに敏な安倍首相は、2017年9
月28日の臨時国会の冒頭に「国難突破解散」と銘打ち、衆議院
を解散したのです。10月10日公示、10月22日投票の衆院
選は、与党が3分の2以上の議席を獲得する圧勝だったのです。
 しかし、財務省にとって問題は解決していないのです。財務省
は、思わぬ蒸し返しをして、政権を揺さぶってきたのです。20
18年3月2日、財務省が森友学園への固有地払い下げ契約に関
する決裁文書を書き換えた疑いがあるというスクープを朝日新聞
が報道したのです。森永卓郎氏は、これは財務省の朝日新聞への
リークではないかとしています。いずれにせよ、これだけのこと
を行いながら、財務省の逮捕者なしはあり得ないことであると、
森永氏は次のように述べています。
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 この事件について財務省は、本省からの指示で、近畿財務局が
行ったことだと認めている。虚偽公文書作成の自白は得られてい
るのだ。また、改竄前と改竄後の決裁文書も、大阪地検特捜部が
押さえている。物証も完璧だ。これだけ完全な証拠が揃っていな
がら、最高刑懲役10年の重大犯罪である虚偽公文書作成事件は
立件されず、財務省から1人の逮捕者も出なかった。
 虚偽公文書作成罪は作成権限を持つ者が行った場合、文書の趣
旨を大幅に変えることが必要だからだと大阪地検特捜部は、不起
訴の理由を明らかにした。国有地8億円の値引きによる背任容疑
も、違法性があったとはいえないと特捜部と判断した。そんなバ
カげた話はないと一般常識では思うのだが、法律ではそうなって
いるらしい。ただ、こうなることを、財務官僚は予測していたの
かもしれない。つまり、自分たちが罪に問われないことを知って
いて、安倍政権を揺さぶるために、あえて決裁文書の改竄を行っ
たのではないだろうか。   ────森永卓郎著の前掲書より
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           ──[消費税は廃止できるか/018]

≪画像および関連情報≫
 ●財務省に隠蔽の恩返しか?安倍首相が消費増税を延期できな
  い理由/MAG2NEWS
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   思い出してみたい。安倍首相がどれだけ財務省の隠ぺい工
  作に救われたかを。もちろん森友学園問題である。佐川元理
  財局長は、安倍首相夫妻と森友学園の小学校設立計画に関連
  する一切の文書を隠ぺい、改ざんし、国会で不誠実な答弁を
  繰り返して世間の顰蹙を買った。佐川氏個人の行動というよ
  り、財務省の総意として安倍首相を守ったといえる。
   佐川氏は論功行賞でいったん国税庁長官のポストを授かっ
  たが、ついには決裁文書の改ざんなどの責任を問われて更迭
  された。文書改ざんを押しつけられ苦悩した近畿財務局の職
  員は自殺した。その一連の財務省の不祥事と悲劇は、もとを
  ただせば、安倍首相夫妻が、教育勅語を幼稚園児に暗誦させ
  る森友学園の教育方針にほれ込み、“小学校バージョン”の
  新設に協力しようとしたことに起因する。
   その痛いところを国会で突かれた安倍首相が「私や妻がか
  かわっていたのであれば総理大臣をやめる」と言い放ったこ
  とから財務省の忖度によるウソの答弁がはじまり、文書改ざ
  んや情報の隠滅につながっていった。安倍首相が森友問題で
  麻生財務大臣を切れなかった理由は、衆参で57人の議員を
  かかえる麻生派の力を頼むところが大きいこともあるが、財
  務省内における安倍首相への反発を麻生大臣が抑え込んだこ
  とへの恩義もあったに違いない。 https://bit.ly/38LWqBn
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西田昌司参院議員/10%への消費増税を批判.jpg
西田昌司参院議員/10%への消費増税を批判
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 消費税は廃止できるか | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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