2019年12月25日

●「経済成長しないと所得は増えない」(EJ第5157号)

 2019年も今日を含めて7日間となりました。EJは、営業
日に毎日送付することを原則にしており、この原則にしたがうと
12月27日(金)までお届けし、2020年は1月6日からと
いうことになります。9日間のお休みです。EJにとって、こん
なに長いお休みは、はじめてのことです。
 今回は、次のテーマで10月7日からスタートし、今回で54
回を数えています。
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     現在の日本の経済政策は間違っていないか
       ─消費税増税は諸悪の根源である─
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 「現在の日本の経済政策は間違っていないか」がメインタイト
ルですが、明らかに自民党の経済政策は間違っています。世界の
先進国で、日本だけが成長しないのは、消費税の導入のタイミン
グを完全に誤り、それによってデフレに陥っているのに、無謀に
も3回にわたり、その税率を引き上げ、10%にしたことです。
これでは、デフレは深化する一方です。それがなぜわからないの
でしょうか。その最大の責任は財務省にあります。
 そもそも「日本は借金まみれの国である」という財務省の前提
自体が財務省のプロパガンダであり、それが間違っていることに
ついて、ここまで54回のEJで述べたつもりです。しかし、こ
れでテーマを終わるわけにはいかないのです。どうすればよいの
かについて、議論を展開すべきであると思っているからです。
 したがって、新年からは、テーマは変わりますが、基本的には
消費税の話を続けます。おそらく来年には総選挙があると思いま
すが、そのときの選挙の争点は「消費税の是非」になると思われ
るからです。具体的には、「消費税の税率をさらに上げるか」、
「消費税を廃止するか」が問われることになると思います。
 そういうわけで、今回を含め、あと3回の今年中のEJは、消
費税に関連することについて自由に書きます。
 「生産」「支出」「所得」の関係について考えてみます。「所
得」とは何でしょうか。
 生産者がモノやサービスを「生産」します。顧客がその生産さ
れたモノやサービスを消費するために「支出」します。その結果
として生産者は「所得」を手にすることができます。所得を手に
した生産者は、その所得をもって顧客側に回り、誰か別の生産者
が生産したモノやサービスを購入します。そうすると、別の生産
者に「所得」が生まれ、今度はその生産者が顧客側に回ります。
この所得創出のプロセスが回転しているのが実体経済です。
 ここからが大事ですが、この「生産」「支出」「所得」は、必
ずイコールになるということです。さらに、国内の「生産」の合
計が「国内総生産/GDP」ということになります。
 以上のことをふまえて、経済評論家の三橋貴明氏は、自著で、
次のように述べています。
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 「豊かになる」とは、所得が増えることを意味する。GDPが
増え、経済成長している国が「豊かになっている」と判断できる
のは、所得の総計が増えているためなのだ。無論、所得以上に物
価が上がってしまうと、実質的に国民は貧乏になる。いわゆる、
実質賃金の下落だ。実質賃金が上昇する、つまりは、物価以上の
ペースで所得が伸びる状況を創り出すのが政府の仕事である。何
しろ、実質賃金の上昇こそが「国民が豊かになっている」証なの
だ。 『消費増税を凍結せよ』/「別冊クライテリオン」増刊号
              2018年12月号/啓文社書房
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 国民の立場から見ると、GDPが成長することを自らの問題に
照らしてみることはしないものです。GDPが成長すれば、それ
はそれでいいことであるし、成長しなくても、そんなに深刻には
考えないものです。どこか国民としては、そういうひとを他人事
のように感じていないでしょうか。
 しかし、それは間違いです。GDP(名目GDP成長率)が伸
びるということは、「所得」が増えることであり、豊かになるこ
とを意味しています。10月31日のEJ第5119号で指摘し
たように、1995年〜2015年までの20年間の名目GDP
のランキングで日本は最下位です。この20年間に世界の成長率
は平均で139%です。しかし、日本だけは「マイナス20%」
なのです。つまり、日本をのぞくすべての国がプラスであるのに
日本だけがマイナスです。この事実をどれほどの日本人は知って
いるでしょうか。2度目になりますが、そのグラフを添付ファイ
ルとして再現します。
 明らかに、自民党の経済政策は失敗しており、情けないことに
政府も国民も、それが間違っていることに気が付いていないよう
です。その原因は消費増税のタイミングにあります。
 日本のデフレは、どこからはじまったのかというと、それは、
1997年以降であるということができます。橋本龍太郎政権が
消費税を3%から5%に上げて以来です。このとき、橋本政権は
消費税率の引き上げと同時に、公共投資削減など、一連の緊縮政
策を強行しています。まさに最悪の政策であり、経済のことが何
もわかっていない内閣であるといえます。もちろん内閣のバック
には大蔵省(財務省)がいます。それに橋本首相は蔵相の経験者
であり、自分は何でも知っていると思い込んでいます。
 その1997年以来、日本の実質賃金指数は、経済のデフレ化
を受け、一貫して右肩下がりに下がっています。しかもデフレで
物価が下がっているにもかかわらず、それ以上のペースで所得が
縮小し、実質賃金が落ち込んでいったのです。それは安部政権に
なってからも止まることはなく下がっています。(11月6日付
EJ第5122号の添付ファイル参照)。つまり「所得」が減っ
ているのです。生産が伸びなければ、所得は下がり、支出は少な
くなります。つまり、日本人は、ここ20年以上、貧乏になりつ
つあるのです。     ──[消費税増税を考える/055]

≪画像および関連情報≫
 ●各国の20年間成長率ランキング/1995年〜2015年
  ◎グラフ出典
   藤井聡著
  『「10%消費税」が日本経済を破壊する/今こそ真の「税
  と社会保障の一体改革」を』晶文社

世界各国の20年間成長率ランキング.jpg
世界各国の20年間成長率ランキング

posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 消費税増税を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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