2019年12月16日

●「報道ゼロのマレーシア消費税廃止」(EJ第5150号)

 「財務省の官僚はアタマが良い」とあまり考えないほうがよい
と思います。彼らの多くはけっして経済に強くないし、まして会
計にはすこぶる弱い──嘉悦大学教授の高橋洋一氏はこのように
いっています。
 確かにその証拠に日本はいつまでもデフレから脱却できないで
います。政治家は何もわかっていないし、日本経済の浮沈は財務
官僚の手に委ねられているからです。
 高橋洋一氏の本を読んでわかったことがあります。それは、財
務省が大蔵省と呼ばれていた時代から、国の負債を大きく見せて
つねに日本の財政危機を国民に訴えていたということです。その
方が増税をするとき、都合がよいからです。
 今回のテーマでは、「消費税は百害あって一理なし」というこ
とを明らかにし、「消費税を廃止する」ことは十分可能であるこ
とを訴えたいと意図しています。このことを一番鮮明に党の公約
に掲げているのは、山本太郎代表が率いる議員たった2人の「れ
いわ新撰組」だけです。
 日本では政治的意図があって、メディアは、ほとんどニュース
にしませんが、マレーシアでは、2018年6月1日から6%の
消費税が廃止されています。マレーシアでは、2018年5月に
実施された総選挙で、「消費税廃止」の公約を掲げたマハティー
ル元首相率いる希望連盟が勝利し、マハティール氏が首相に返り
咲いて、公約を実現したのです。そのとたん、マレーシアでは経
済が急速に成長をはじめています。こんなビッグニュースを日本
国民のほとんどが知らないのです。どういうわけか、メディアが
封印しているからです。
 インターネットには、これに関するたくさんレポートが出てい
るのに、誰も知らないというのは、日本人のネットリテラシーが
遅れていることをあらわしています。現代の日本人は、ネットを
使っても自分に関心のあることしか、見ようとしないのです。消
費税廃止後のマレーシアの経済については、目下データ収集中で
あり、改めてEJでもお伝えします。
 高橋洋一氏が作成したという国のバランスシートについて、少
し詳しく知ることが必要です。高橋氏の本を参考にして、以下に
説明することにします。
 政府が「財務書類」として、発表している会計には、次の3種
類があります。
─────────────────────────────
        @       一般会計
        A  一般会計+特別会計
        B連結会計(日銀を除く)
─────────────────────────────
 「一般会計」とは何でしょうか。
 一般会計とは、「一般的な行政にかかる経費を扱うもの」とい
うことができます。具体的にいうと、社会保障、地方交付税交付
金等、公共事業、文教および科学振興、防衛、その他、国債費な
どに当てられるものであり、予算の時期に各新聞で発表されるも
のがそれに該当します。
 問題なのは、これを国民から見ると、予算の全貌だと思ってし
まうことです。財務省もわざとそう思わせるようにしています。
しかし、高橋洋一氏にいわせると、一般会計は企業でいえば「事
業部予算」でしかないのです。
 したがって、あくまで、「一般会計」と「特別会計」とを合わ
せたものが国の会計ということになります。それなら、「特別会
計」とは何でしょうか。
 「特別会計」については、小泉内閣のときに、塩川正十郎財務
相の次の有名な発言があります。
─────────────────────────────
 母屋(一般会計)では節約をしてお粥をすすっているというの
に、離れ(特別会計)では子供が贅沢にすき焼きを食べている。
                   ──塩川正十郎財務相
─────────────────────────────
 これは、一般会計が赤字を削ってやっているのに、特別会計で
は贅沢をしていることを皮肉ったのです。財務大臣がそういうの
ですから、間違いのないことです。
 法律上の定義としては、「特定の事業を行う場合」に「一般の
歳入歳出と区分して経理する必要がある」経理のことと説明され
ています。つまり、一般会計から切り離して独立して行われる経
理ということです。
 特別会計は、簡単にいうと、特定事業のための予算です。原則
的にはその事業に関連してのみ使われることになります。たとえ
ば、自動車安全特別会計であれば道路整備に利用されますし、エ
ネルギー対策特別会計であれば、産油国への協力費や天然ガスの
開発などに充てられています。最も新しいところでは東日本大震
災復興特別会計があり、こちらは文字どおり復興を進めるための
予算となっています。
 一般会計か、特別会計かのどちらにするかは、恣意的に決める
ことができます。会社の事業部の分け方が会社の都合でいかよう
にでもできるのと同じです。高橋洋一氏は、これについて、次の
ように述べています。
─────────────────────────────
 財務省は、ごまかしの効く一般会計をいつも前面に出してレク
チャーを施すので、政治家もマスコミも一般会計のことしか視野
に入らず、問題にしない。経済記者も含めて、多くの人は「一般
会計」を「政府の会計」と誤解しているようです。しかしはっき
りいえば、一般会計だけを見ても政府のことはわかりません。一
般会計と特別会計の両方を合わせたものが「政府の会計」です。
合算を見なければいけない。         ──高橋洋一著
      『「消費増税」は嘘ばかり』/PHP新書1174
─────────────────────────────
            ──[消費税増税を考える/048]

≪画像および関連情報≫
 ●報道されない「特別会計」を足した平成31年度予算の真相
  ───────────────────────────
   2019年3月27日に成立した2019年度予算(一般
  会計)は約101兆円でした。昨年よりも3・7兆円増えた
  のですが、そのうち2兆円が増税対策に使われます。最も大
  きく伸びたのは社会保障関係費で、その増額分は1兆円でし
  た。項目別の累計額を見ると、社会保障関係費は34兆円な
  ので、一般会計の3分の1です。7兆円の公共投資、約6兆
  円の教育予算(科学含む)に比べると、段違いの規模を誇っ
  ていることが分かります。
   しかし、これは政府予算の全てではありません。政府予算
  には「一般会計」のほかにも「特別会計」があるからです。
  特別会計というのは、国が行う事業や資金運用などに用いる
  会計のことです。
   具体的には、年金(医療含む)、財政投融資、地方財政の
  支援、震災復興などの項目があり、それらを足すと、額面上
  は400兆円近い規模になります。しかし、そこには、一般
  会計と特別会計で二重に計算された金額が含まれているので
  実額は半分程度です。重複分を除いた特別会計は200兆円
  程度と見られています。(一般会計の場合、重複分を引くと
  実額は45兆円前後になる)例えば、2017年は、特別会
  計の実額が196兆円、一般会計の実額(重複分除く)が、
  43兆円。両者の合計は239兆円でした。
                  https://bit.ly/34jnANu
  ───────────────────────────

塩川正十郎元財務相.jpg
塩川正十郎元財務相

posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 消費税増税を考える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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