2019年09月12日

●「日本と中国のモノ作りの発想の差」(EJ第5088号)

 過去の歴史において、他国からあまり侵略されたことのない日
本では、中国や朝鮮と違って、卑屈な性格やコンプレックスがな
いので、どのような文化も受容して、自分のものにする力があり
ます。しかも、自国にとってプラスのもののみを受け取れる判断
が日本人はできるのです。
 したがって、儒教が入ってきても、天命思想や華夷思想、易姓
革命、科挙制度といった儒教的な支配の論理・思想は入れず、孝
とか、徳とか、親孝行とか、長幼の序とか、礼節を持てとか、そ
ういう部分はしっかりと取り入れています。こういうところが、
日本の優れている点であるといえます。
 これに対して、中国について、福島香織氏は、次のように述べ
ています。
─────────────────────────────
 中国人は、モンゴル帝国、元のように、「夷秋」と呼んで蔑ん
でいた異民族たちに支配された時代が、もっとも中国が繁栄し、
高度な文明が築かれたものだから、ものすごくコンプレックスを
抱いている。だから、元の後に漢民族の明が成立したときに、漢
民族がいちばん偉いということを強調した。東洋史学者の岡田英
弘氏によると、コンプレックスの裏返しみたいなものが中華思想
や華夷思想なのだそうです。そういうふうに考えると、日本は異
民族に支配されたことがないから、まったくコンプレックスとい
うものがない。          ──渡邊哲也/福島香織著
     『中国大自滅/世界から排除される「ウソと略奪」の
                中華帝国の末路』/徳間書店
─────────────────────────────
 日本がどのような文化でも受け入れ、自分のものにできる力の
典型に料理があります。日本は、世界中の料理が食べられる国と
して有名です。カレー、スパゲッティー、中華料理、ドイツ料理
フランス料理、韓国料理、ロシア料理など、何でもあります。し
かも、それらをすべて日本人の口に合うよう、ジャパンナイズド
してしまっています。
 なかでも、典型的なものに「ラーメン」があります。ラーメン
は「拉麺」と中国表記するので、中華料理だと思う人は、多いで
す。確かに、ラーメンは中華麺とスープを主とし、様々な具(チ
ャーシュー、メンマ、味付け玉子、刻み葱、海苔など)を組み合
わせた麺料理であり、かつて「シナソバ」といっていた時期があ
ります。
 しかし、中国人が日本に来て何を食べたいかと聞くと「ラーメ
ン」と答える人が多いことは確かです。ラーメンは、もはやジャ
パンナイズドされた日本料理になっているのです。カレーライス
も完全に日本独特の料理です。料理について、日本の特徴的な点
を福島香織氏は次のように指摘しています。
─────────────────────────────
 料理の話を言うと、日本で特徴的なのが、さまざまなジャンル
の料理を出す店がある一方で、数種類の料理に特化している専門
店も多いことです。鰻屋と言ったら鰻しか出さない、うどん屋と
言ったらうどん、蕎麦屋と言ったら基本的に蕎麦だけ。それでも
一流店がいくつもあって、店が運営できるということが、中国人
にとっては驚きです。
 つまり何か一つのものに対するこだわりがすごい。食べ物だけ
でなく、ほかの分野でもそういうところがあります。その専門性
に対して、リスペクトして究めていくというのも日本人的な部分
でしょう。100年続いている店や企業が中国にいくつあるか。
創業から150年以上の北京ダックで有名な全衆徳は、北京ダッ
クだけじゃ儲からない、ふかひれも鮑も出します。今ものすごく
赤字で、大変なことになっているようですが、いわゆる老舗とか
100年続いている会社とかは、中国にはほとんどありません。
           ──渡邊哲也/福島香織著の前掲書より
─────────────────────────────
 日本のラーメンは、中国の麺料理の中華麺とスープという構成
をベースに、そこに何かを加え、日本人の好みに合うよう、麺と
スープそれぞれに独自の工夫を加えて、作り上げたものです。そ
れが「日本ラーメン」として、世界的に人気のある麺料理に成長
しています。それでいて、その原点が中国であることに日本とし
ては何のこだわりを持っていない。だから、中国料理店のメニュ
ーに必ずラーメンはあります。
 しかし、中国は、スクラップ・アンド・ビルドの文化です。他
国から購入した完成品をバラバラにし、それを再構築していく過
程で、それがいかにも中国由来の製品であるかのように見せる力
はとても上手です。しかし、それらの完成品を構成している部品
例えばモーターであるとか、精巧なネジであるとか、金型である
とかなどを作る技術は中国にはないのです。その典型が中国の新
幹線です。根幹部分は、完全に日本の技術の盗用ですが、中国独
自の開発であるとして輸出までしています。
 問題は安全性です。日本は安全には、念には念を入れて作ろう
としますが、中国はきわめて大ざっぱです。作ってみて走らせて
みる。事故を起こして死者や怪我人が出たとしてもかまわない。
トライ・アンド・エラーでだんだん直していけばよいという考え
方です。人の命を非常に軽く考えています。しかも、そういうも
のを作る企業のほとんどは国有企業ですから、事故は公表せず、
隠蔽できるものは、隠してしまうのです。中国は全体主義国家で
すから、それができるのです。
 実は、AIやゲノム、宇宙技術などでは、人の命をあまり気に
せず、開発を進められる中国と、人命を何よりも大切にする米国
をはじめとする西側諸国とは大きく異なり、その点で西側諸国は
中国に猛追されているといえます。
 福音派で、プロテスタントのなかでも最も厳しく敬虔な流派に
属するペンス米副大統領は、その点は絶対に許せないとして、あ
の厳しい演説をしたのです。これが米中貿易戦争の核心です。
              ──[中国経済の真実/087]

≪画像および関連情報≫
 ●中国の高速鉄道、気づいた各国が相次いでキャンセル
  ───────────────────────────
   日本が競合の末に敗れたインドネシアを始め、世界各国で
  破格の条件を提示し次々と高速鉄道計画の受注に成功した中
  国ですが、アメリカでは工事の中止が決定、その他の国でも
  同じような動きが出始めるなど、ここに来て暗雲が立ち込め
  ています。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴
  史、中国・韓国の真実」』の著者で評論家の黄文雄さんは、
  これについて「世界が中国のインチキぶりにようやく気が付
  き始めた結果」と一刀両断し、習近平政権がますます苦境に
  追い込まれることになるとの厳しい私見を記しています。
   このところ、中国の高速鉄道の輸出計画が次々と挫折して
  います。2016年6月8日には、ラスベガスとロサンゼル
  スを結ぶ高速鉄道の計画で、アメリカのエクスプレスウエス
  ト社が中国鉄道総公司との合弁解消を発表しました。
   この合弁は、昨年9月の習近平主席の訪米前に発表された
  ものです。今年の9月にも着工する見通しでしたが、エクス
  プレスウエスト社は合弁解消の理由として「中国企業がやる
  べきことを時間通りできていない」と計画の遅れが原因だっ
  たとしています。中国側は寝耳に水のことだったようで「無
  責任で契約違反だ」と批判していますが、もともと習近平主
  席の訪米の成果として強調するためにぶち上げたプロジェク
  トであった可能性も高く、むしろアメリカ企業のほうが中国
  企業の実態を見て危機感を持ったのでしょう。
            https://www.mag2.com/p/news/210774
  ───────────────────────────

日本式「ラーメン」.jpg
日本式「ラーメン」
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 中国経済の真実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

RDF Site Summary