ムを買収したのでしょうか。
なぜ、携帯電話会社のソフトバンクが、半導体製造設計会社を
必要とするのかについて、当時、孫氏は、記者からさんざん質問
されたものの、孫氏は、それらに明確に答えていないのです。し
かし、今ならわかるような気がします。
たとえば、2016年当時、日本では「IoT」という言葉は
比較的新鮮な言葉でしたが、現在では誰でも耳にする言葉になっ
ています。「自動運転車」も将来可能ということはわかっていて
も、当時はあまり現実的ではありませんでしたが、今ではすぐに
でも実現できるレベルに技術が達しています。
その他、スマートウォッチに代表されるさまざまなウェアラブ
ル機器も流行しつつあります。そういえば、最近アップルウォッ
チをしている人をよく見かけます。これらの世界は今やすべてと
いってよいほど、アームが支配しつつあります。まさに孫氏は、
先見の明がある経営者であるといえます。
これについて、ジャーナリストの大河原克行氏は、それを囲碁
に例えて、適切な説明をしています。
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囲碁は、碁石のすぐ隣に打つのは素人のやり方。遠く離れたと
ころに打ち、それが、50手目、100手目になると力を発揮す
る。3年、5年、10年が経過すれば、ソフトバンクグループに
ARMがいる意味が分かる。ソフトバンクグループの中核中の中
核になる企業がARMであるとする。 ──大河原克行氏
https://bit.ly/2lYeRje ─────────────────────────────
孫正義氏は、アーム買収に対して相当の準備をして臨んでいる
ことは確かです。当時のメイ新首相とは、電話で会談して了解を
とっていますし、アーム側のいくつかの条件も飲んでいます。こ
れは推測ですが、英国政府レベルも含めた次の3つの条件を了承
していたことは確かです。
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1.現行経営陣を信頼し維持する
2.本社は英国から移動させない
3.現在の雇用を守り、維持する
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2018年7月に東京都内で開催された「ソフトバンク・ワー
ルド/2018」において、孫正義氏は基調講演のなかで、アー
ムについてふれています。そのときのレポートの一部です。
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今回の講演は「AI」づくしだった。孫氏は未来予想図として
今後「AIによってあらゆる産業が再定義される」とし、「AI
のトップランナーである注目企業をグループに迎え入れるAI群
戦略」の方針を打ち出した。
「パソコン」「インターネット」「モバイルインターネット」
が情報産業として社会を変革してきたが、今後は「AI」が牽引
していくだろうという予測を立てた。その上で、エッジ側とクラ
ウド側の両方でAIの潮流が起こるとした。「エッジ」側で現在
既に普及しているデバイスは「スマートフォン」だが、スマート
フォンに100%組み込まれているチップとして、2016年グ
ループに加えた「ARM」社をあげた。https://bit.ly/2jXiogX
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アームの話をしているので、ついでに述べると、PCのCPU
とスマホやタブレットのCPUは、基本的には違うのです。その
違いを明確にするには、相当紙面が必要になるので、詳しくは述
べませんが、基本的なことだけ次に述べておきます。
スマホのCPUは、CPUというよりも、「SoC」と呼ぶべ
きなのです。
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◎SoCとは何か
System on a Chip チップ上にあらゆるパーツを搭載し
たプロセッサである。
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CPUというのは、単独でシステムを動かせません。CPU以
外に、映像を担当するグラフィックボード、記憶領域としてのハ
ードディスク(HDD/SSD)、そしてメインメモリ、これら
のパーツを統合するマザーボードなどが必要です。
しかしスマホや家電の場合、とにかく端末が小さいので、PC
のように、すべてセットとすることは困難です。そこで、システ
ムを動かすために必要なパーツを、あらかじめまとめて作ってし
まったのです。
スマホ向けの「SoC」の一つに、クアルコム社製の「スナッ
プドラゴン835」というのがあります。そこには、次の4つが
パーツとして、すべて内蔵されているのです。
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◎スナップドラゴン835/Snapdragon 835
CPU
GPU
チップセット
WiFi
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アームは、こういう細密な半導体設計を実に見事にやってのけ
る高度な技術を有しています。したがって、半導体を制作するメ
ーカーとしては、アームの設計に頼らざるを得ないのです。それ
はインテルですら、例外ではないのです。
もちろん、ファーウェイもアームの半導体設計に大きく依存し
ています。ファーウェイの任正非CEOは、表面上強気を装って
いますが、アームがファーウェイとの取引停止を決めたことには
相当なショックを受けているはずです。
──[中国経済の真実/082]
≪画像および関連情報≫
●ファーウェイ/ARMライセンス停止で危惧「未来の分断」
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ARMは、SoCはやCPUそのものを出荷する企業では
なく、製造に必要なアーキテクチャを供給する企業だ。クア
ルコムやアップル、そしてファーウェイらは、ARMから、
ライセンスを受けたアーキテクチャに基づき、オリジナルの
SoCを作っており、半導体そのものはそれぞれ別。だが、
アーキテクチャは同じであるためソフトには互換性があり、
同じように使えている。
ファーウェイは自社スマホ、特にハイエンド製品では、自
分達が開発・生産するオリジナルSoC「キリン」シリーズ
を使っている。生産と設計を担当しているのは、ファーウェ
イの子会社であるハイシリコン。だから、SoCという製品
を海外から直接輸入しているわけではないので、今回の制裁
にも関係はないだろう・・・。初期にはそんな風に考える関
係者が多かった。筆者も、そう思っていた。だが、ARMが
ライセンス供与を停止するという報道が流れたことで、この
前提が崩れるのでは・・・という考え方も生まれた。
現実問題どうなるのか?
ARMやファーウェイのコメントからは正確なところが読
み取りづらいが、一般論としては以下のような流れだろう、
と想定できる。ARMは多数のアーキテクチャをライセンス
供与しているが、ファーウェイは、最新の「ARMv8」ア
ーキテクチャのライセンスを受け、「キリン」などを製造し
ている。 https://bit.ly/2lvfIaY
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先見の明のある経営者/孫正義氏


