2019年09月02日

●「なぜ、ファーウェイを排除するか」(EJ第5080号)

 8月29日、米国は、11番目の統合軍として「宇宙軍」を創
設したと発表しました。かねてからトランプ大統領は「作る」と
宣言していたので、その実現と考えている人は多いと思いますが
実は、宇宙軍は既に1985年9月23日に設立されています。
しかし、2002年10月1日に米国戦略軍に整理・統合されて
いたものを統合軍の一つとして独立させたのです。したがって、
昨日今日できたものではなく、相当の積み上げがあります。宇宙
軍事の一部は中国が先行しているものの、全体としては米国の方
が、かなりハイ・レベルにあるといえます。
 ところで、統合軍とは何でしょうか。米軍は、管轄地域別6統
合軍、機能別4統合軍があり、今回宇宙軍が機能別統合軍の一つ
として追加され、11統合軍となったのです。
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      ◎管轄地域別統合軍
        1.アメリカ北方軍
        2.アメリカ中央軍
        3.アメリカアフリカ軍
        4.アメリカ欧州軍
        5.アメリカインド太平洋軍
        6.アメリカ南方軍
      ◎機能別統合軍
        7.アメリカ特殊作戦軍
        8.アメリカ戦略軍
        9.アメリカ輸送軍
       10.アメリカサイバー軍
     ⇒ 11.アメリカ宇宙軍
       ──ウィキペディア  https://bit.ly/34fIC0o ─────────────────────────────
 このなかで、日本を含むアジアを担当しているのは、アメリカ
インド太平洋軍です。これを見ると、米国はやはり地球規模の軍
隊を率いています。口では否定しても、やはり米国は、「世界の
警察官」なのです。
 宇宙軍にも関係することですが、現在、米中貿易戦争のカギを
握っているのは、華為技術(ファーウェイ)です。ファーウェイ
は本当にスパイなのでしょうか。これについては、識者によって
意見は二分されています。
 米国において、ファーウェイに関する疑問は、トランプ政権に
なってからではなく、オバマ政権の頃から出ていたのです。20
12年に下院で、ファーウェイ、ZTEなどの中国の通信機器大
手企業が、米国の安全保障を脅かしているという内容の報告書が
提出されたのです。このときの懸念は、ファーウェイの創業者で
ある任正非氏が人民解放軍の出身であり、軍との関係が懸念され
るとして、米国政府機関などで中国製通信機器の使用が禁止され
ています。
 そしてこれは、ファーウェイではありませんが、2016年に
は中国ADUPS製ファームウェアを採用したスマホで、バック
ドアが検出されています。ファームウェアとは、スマホに最初か
ら装備されている機能のことです。これによると、72時間ごと
に中国にあるサーバーに、ユーザーの位置情報や通話履歴、連絡
先、情報入力したメッセージなどが、自動的に送信されるように
なっていたのです。
 2017年3月には、中国ZTEに対し、イランと北朝鮮への
違法な輸出があったとして、米国は11億9000万ドルの罰金
を科しています。しかし、2018年4月に、その申告に虚偽が
あったとして、米国商務省は、米国企業に対し、ZTEへの部品
販売を禁止しています。
 ファーウェイに関してネット上に出ているものとしては、ファ
ーウェイ製ノートPCにバックドアが発見されたとするマイクロ
ソフトの次の報告です。
─────────────────────────────
 報道によれば、技術者らはOSの中核部分である、カーネルに
異常な作動を見つけた。技術者らが異常な作動を追跡した結果、
ファーウェイが開発したデバイス管理ドライバーが原因であると
判明した。マイクロソフトがさらに調査を進め、設計上の誤りを
発見した。技術者はローカル権限の昇格を許すセキュリティキー
上の脆弱性につながっていると指摘する。 ──マイクロソフト
─────────────────────────────
 しかし、明確にバックドアと指摘しておらず、単なるバグであ
る可能性もあります。ファーウェイに関しては、決定的という証
拠は上がっておらず、ZTEやADUPSがやっているので、お
そらくファーウェイもやっているだろうという推測に基づく情報
です。確かにファーウェイのエンジニアが米国企業の機密部品の
写真を撮るなどの不正行為を行っている事例は複数ありますが、
いずれも関係者は処分されており、企業としての組織的なもので
はないとファーウェイ側は主張しています。
 それでも米国は、ファーウェイを米国から締め出そうとしてい
ます。それは、次期通信核心規格「5G」関連技術の特許出願に
おいて、ファーウェイがリードしているからです。
─────────────────────────────
   ファーウェイ(中国) ・・・・・ 15・05%
   ノキア(フィンランド) ・・・・ 13・92%
   サムソン(韓国) ・・・・・・・ 12・74%
   LG(韓国) ・・・・・・・・・ 12・34%
   ZTE(中国) ・・・・・・・・ 11・70%
   クアルコム(米国) ・・・・・・  8・19%
   エリクソン(スウェーデン) ・・  7・93%
   インテル(米国) ・・・・・・・  5・34%
          ──ドイツIPリッテクス社の調査による
─────────────────────────────
              ──[中国経済の真実/079]

≪画像および関連情報≫
 ●米中対立の発火はポーランドから/華為技術スパイ事件
  ───────────────────────────
   2019年1月の冷え込みの厳しい朝、ポーランドの国内
  公安機関(ISA)が、ワルシャワのアパートの一室に立ち
  入った。彼らは写真や電子機器を没収、アパートに住む外国
  人ビジネスマンを逮捕した。ポーランド語に堪能な元外交官
  でもあるこのビジネスマンに対する容疑は世間を驚かせた。
  ポーランドの元安全保障当局者と協力し、ある国のためにス
  パイ活動を行った、というものだった。まるで冷戦時代のス
  パイ小説、その21世紀版のようだが、相手はかつて敵だっ
  た米国でも、ソ連時代の盟主ロシアでもなく、中国だった。
   ビジネスマンは中国人で、世界最大の通信機器メーカー、
  華為技術(ファーウェイ)の営業担当者。そして、同じ日に
  逮捕された協力者とされるポーランドの元当局者は、一兵卒
  ではなくサイバーセキュリティを専門とする幹部だった。
   この逮捕によって、中国を相手にした米国の「新冷戦」の
  新たな戦端が開かれた。米国は次世代高速通信規格「5G」
  の導入に当たってファーウェイ機器を使用しないよう同盟国
  に働きかけており、ファーウェイは新冷戦の中心的な存在と
  なっている。トランプ米政権は5月、国内通信網にファーウ
  ェイ機器を使用することを禁じ、米企業が同社に製品を販売
  することを規制した。米政府は、ファーウェイが中国政府の
  支配下にあるとみて、同社の5G技術がスパイ行為や重要イ
  ンフラの妨害などに悪用されかねないと懸念している。ファ
  ーウエイ側は、こうした指摘を否定している。
                  https://bit.ly/346BFyK
  ─────────────────────────

ワルシャワ中心部のファーウェイ.jpg
ワルシャワ中心部のファーウェイ
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 中国経済の真実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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