「盗人猛々しい」と暴言を吐いています。韓国のトップが日本を
「盗人」と表現しているのです。この国の国会議長、文喜相(ム
ンヒサン)氏も同じ言葉を使って日本を批判しています。そこで
もう少し韓国について書くことにします。
今回の問題は、半導体生産に欠かせない3品目の部品に関して
指定の韓国企業から需要に見合わない注文があり、その30%程
度が行方不明になっているということから始まっています。これ
に関して日本から再三調査するよう韓国に求めていますが、韓国
側が応じないため、実現していないのです。これらの部品は北朝
鮮に流れているのではないかといわれています。
こういうケースは文在寅政権になって急増しており、このため
の会議は、韓国側は一度も応じていないのです。少なくともこれ
らの部品の一部がイランに流れていることは確かであり、それは
北朝鮮を経由している疑いがあります。
これに関して韓国政府は「証拠を示せ」といって来ましたが、
2019年5月17日付、「朝鮮日報」が、韓国国会議員の調査
の結果として、これらの禁輸物資が大量に海外に流れていた事実
を報道すると、韓国政府は「4年間で156件の不正輸出があっ
た」ことを認めたのです。しかし、韓国政府は156件も摘発し
ているのは、韓国がきちんと管理している証拠であると、わけの
わからないことをいっています。一般的に不法輸出はあっても年
に数件であり、156件は明らかに異常な件数で、日本側はこれ
に関して詳細な情報を持っているといわれています。
実は、今般の韓国への輸出規制強化やホワイト国外しについて
日本は米国と事前に協議していたと思われることがあります。そ
れは、2018年に米国が新設し、既にファーウェイなどに対し
て適用している次の2つの法律です。これについては、6月12
日付、EJ第5024号で紹介していますが、その要点とコメン
トを抜粋しておきます。
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1.FIRRMA/外国投資リスク審査現代化法
2. ECRA/ アメリカ輸出管理改革法
「1」は、外国人による投資審査を実施する対米外国投資委員
会の権限と範囲を拡大するものです。
具体的には、「外国人」の定義を変更し、外国人の範囲を経営
に影響を与える取締役会への参加などまで拡大し、安全保障の定
義に、先端技術や不動産を加えています。これによって、中国企
業や中国人による先端技術や安全保障に関わる企業買収や不動産
投資は不可能になります。
「2」は、事実上のココム(対共産圏輸出規制)に匹敵するも
のです。これによって、米国の武器輸出禁止国──ロシア、中国
ベネズエラ、イラクやテロ規制対象──などへ米国の「最先端お
よび基盤技術」を輸出することを禁じています。これに該当する
分野は14ありますが、日本企業をはじめとする他国が、これら
を今後中国に輸出するさいには、この法律によって、米国の許可
が必要になります。 https://bit.ly/2WDJPi3
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日本では、2017年において「外国為替及び外国貿易法の一
部を改正する法律」をつくっていたのですが、5月27日のトラ
ンプ大統領来日に合わせて、官報で次の告示を行い、この8月1
日から、FIRRMAと重なる部分については、外国からの投資
審査を一気に厳格化させています。
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対内直接投資等に係る事前届け出対象業種の追加等を行いま
す。 ──2019年5月27日付、官報
https://bit.ly/2M1N3pM
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これらの事実は、ネットには出ているものの、新聞などでは、
ほとんど報じられておらず、知っている人は少ないのですが、安
全保障に関しては甘い日本も、海外からの投資に関して、厳格な
審査をしなければならない事態になっているのです。これによっ
て日本が韓国に輸出を厳格化した例の3品を生産する企業に海外
から投資をすることは事実上不可能になったのです。
もう少し、具体的な例を上げることにします。東芝は、米国産
液化天然ガス(LNG)事業を保有しており、赤字解消のために
中国企業に売却しようとしていたのですが、2019年4月にそ
の計画は破綻しています。FIRRMAによって、インフラ関連
企業を中国に売ることなど、不可能になったからです。
ニューヨークのトランプタワーのすぐ近くに、このビルの警備
会社が入っているビルがあります。このビルを中国の海航集団と
いう企業が買収し、買収はほぼ成立していたのです。しかし20
18年8月、FIRRMAの成立に前後して、対米外国投資委員
会(CFIUS)は、海航集団に対して、売買契約無効と売却命
令を言い渡し、同ビルを強制的に売却させています。この法律は
こういうことができるのです。
もうひとつの法律であるECRAは、「新COCOM」といわ
れ、既存の輸出規制ではカバーしきれない新しい基盤技術のうち
米国の安全保障にとって必要な技術を省庁間で特定し、輸出規制
の対象とすることを定めたものです。COCOMというのは、冷
戦時代の1949年11月、先進資本主義国による共産圏向け輸
出統制のための機関として発足した委員会の名称です。
ECRAについては、明日のEJで詳しく述べますが、これが
構築されると、ハイテクや主要インフラ分野に対する規制が一段
と強化されることになりますが、そういう枠組みから韓国が外さ
れる可能性があります。現在の文在寅政権は、どう考えても北朝
鮮とさまざまな連携をとっていると考えられ、そういう意味から
も、今般の韓国に対する日本の輸出規制やホワイト国外しは、米
国と連携をとっているものと考えられます。
──[中国経済の真実/062]
≪画像および関連情報≫
●韓国では「単なる報復ではなく、韓国潰し」と戦々恐々
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2019年7月4日、日本政府は韓国に対する輸出規制の
強化策を発動した。「報復はけしからん」と息巻く韓国人が
多い中で「そんな生易しいことでは終わらない。日本は我が
国を潰すつもりだ」と見切る韓国メディアが出てきた。(鈴
置高史/韓国観察者)
7月4日のウォン相場は前日比2・70ウォン高の1ドル
=1168・60ウォンで引けた。1日から3日まで、韓国
向けIT製品の素材の輸出規制強化――いわゆる「日本の対
韓報復」を嫌気し売られていたウォンが、少し持ち直した。
今年第1四半期のGDPが、マイナス成長と判明した4月
25日以降、ウォンは売られ、一時は1200ウォンに迫っ
た。ただ、ドルの利上げ観測から、6月24日以降は、11
50ウォン台に落ちついていた。しかし日本が「大韓民国向
け輸出管理の運用の見直しについて」を発表した7月1日以
降、再びウォンは売られた。7月1日は、前日比、4・10
ウォン安の1158・80ウォン、2日は7・20ウォン安
の1166ウォン、そして3日は・30ウォン安の1171
・30ウォンと下げ続けた。IT製品の素材が円滑に日本か
ら入らなくなると、半導体など主力産業がマヒすると韓国は
焦っている。だが、その心配の前に、韓国経済の持病たる資
本逃避を懸念せざるを得なくなった。
https://bit.ly/2T61dXy
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文剤寅韓国大統領