バタしています。7月10日、文大統領は、大手財閥のトップを
緊急招集し、「官民緊急体制」を構築しようとしています。この
文在寅大統領は、何事でもそうですが、本質と向き合おうとはせ
ず、姑息な対応に終始する人です。
この会合に、サムスン電子の李在鎔(イ・ジョヨン)副会長と
ロッテの辛東彬(シン・ドンゴン)会長は日本出張のため、欠席
しています。サムスン電子の李在鎔副会長は今週はじめから日本
に滞在し、銀行をはじめ、日本で関係者と協議を重ねています。
大統領と話しても解決する問題ではないからです。この会議への
出席者の本音も次の通りです。
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政府が話し合うべきは、われわれではなくて、日本政府では
ないのか。 ──大手財閥トップ
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韓国の文在寅政権と北朝鮮の金正恩政権はおかしい──このよ
うに考える人が多くなっています。文大統領は、2018年9月
に金正恩委員長の招きで訪朝し、首脳会談のあと、マスゲームに
招待されて、大歓迎され、完全に舞い上がってしまったのです。
もともと、この大統領は、着任当初から北朝鮮に融和姿勢をとっ
てきた人ですが、この訪朝で、完全に金委員長に取り込まれてし
まったといえます。
実は、このことと、昨年末からの数々の韓国の日本に対する不
可解な対応とは重要な関係があるのです。先日、朝鮮問題に関す
る次の新刊書を購入し、現在読んでいます。
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元公安調査庁調査第2部長/菅沼光弘著
『金正恩が朝鮮半島を統一する日/
日本にとって恐怖のシナリオ』/秀和システム
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著者の菅沼光弘氏は、1959年に公安調査庁に入庁し、35
年間にわたって、ソ連、北朝鮮、中国の情報収集の仕事に従事し
た諜報関係のプロです。この本のなかに、韓国海軍のレーダー照
射事件のことが書かれています。
その真相は、一般にいわれているものとは、まるで違うもので
す。それは、北朝鮮の内部事情がわかっていないと絶対に書けな
い内容であるので、EJのスタイルでご紹介することにします。
期日は2018年12月20日、午後3時頃、場所は能登半島
沖の日本の排他的経済水域内に、韓国警備救難艦「サンボンギョ
5001」と北朝鮮の漁船2隻、それに加えて少し離れたところ
に、韓国海軍駆逐艦「クアンゲト・デワン(広開土大王)」がい
たのです。このとき、海上自衛隊P・1哨戒機が、能登半島沖の
海上で警戒監視中だったのです。
この状況において、P・1哨戒機は、異様な船舶が集結してい
るので、監視しようとしたのです。そのとき、いきなり、韓国海
軍駆逐艦から、火器管制レーダーの照射を受けたのです。ここか
らすべてが始まっています。
この火器管制レーダーの照射は、ミサイルや砲弾を命中させる
ために、目標にレーダー波を継続的に照射して、その位置や速度
などを正確に把握するために行うものです。したがって、レーダ
ー照射を受けた航空機は、急遽退避行動を取ります。
そもそも、なぜ、日本の排他的経済水域に、2隻の北朝鮮の漁
船、韓国の警備救難艇、それに韓国の駆逐艦がいるのかです。韓
国側の説明によると、北朝鮮籍の漁船が遭難したので、それを救
助に来たというのです。しかし、当日の天候は悪くなく、遭難す
るような状況ではないのです。それに救難にしては、あまりにも
大袈裟です。2隻の小さな漁船に対して、5000トン級の警備
救難艇、さらに駆逐艦まで現場に駆けつけているからです。
後でわかったことですが、漁船からはSOS信号は発信されて
いないのです。もし、無線でSOS信号が出ていれば、当然日本
も気が付くはずです。海上保安庁は無線をキャッチしていないの
です。それなら韓国は、どのようにして、漁船の遭難を知ったの
でしょうか。
もうひとつ、表に出ていない情報があります。漁船は2隻で、
漁船に乗っていたのはたったの4人であるということです。それ
を助けるために、警備救難艇と軍艦が駆け付ける──きわめて異
常な状況です。
推測ですが、それは、韓国から北朝鮮への「瀬取り」の現場で
あったとするものです。しかし、この説には難点があります。そ
れは、なぜ、日本の排他的経済水域というリスクの多い場所をわ
ざわざ選んだのかということです。もっと安全な場所がいくらで
もあるはずです。まして人数が4人ということになると、瀬取り
は考えられません。
これに関して、菅沼光弘氏の推理はさすがです。これは、現在
の韓国と北朝鮮の親密度をよくあらわしています。
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ここからは、私の推測ですが、どうも北朝鮮から韓国政府に対
して、ひそかに依頼があったのではないだろうか。
北朝鮮から外に出ることになると、北にとって大変不都合な人
がその船に乗っていたのではないか。軍艦を派遣するというのは
武装している可能性があったからではないか。普通の巡視艇では
撃沈されるかもしれない。それでは、誰がその漁船″に乗って
いたのか。結果論から言うと不明です。韓国は、誰が乗っていた
かも、漁民であったかどうかも、一切発表していません。救出し
た人たちをただちに北朝鮮に送り返してしまった。
──菅沼光弘著の前掲書より
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場所から考えて、4人は、漁船を使って日本に逃げ込もうとし
たと思われます。どういうことが考えられるかについては、来週
のEJでお話しします。 ──[中国経済の真実/045]
≪画像および関連情報≫
●なぜ韓国艦はレーダー照射したのか/長谷川幸洋氏
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韓国海軍の駆逐艦が、海上自衛隊P1哨戒機に対して火器
管制用レーダーを照射した問題が長引いている。問題そのも
のは、あまりに韓国が子供じみていて、まともに論じる気に
もならないが、この際、「韓国とどう付き合うべきか」は考
え直してみる必要がある。
私は「もはや韓国は友好国ではない」という前提で対応す
べきだと思う。韓国人に対する「90日間のビザなし入国措
置」も見直すべきだ。簡単に問題を振り返ると、韓国駆逐艦
は昨年12月20日午後、日本の排他的経済水域(EEZ)
である能登半島沖で、海自哨戒機に対し、複数回、数分間に
わたって火器管制用レーダーを照射した。当初、韓国海軍は
レーダー照射を認めていたが、24日になって照射の事実を
否定した。
これに対し、防衛省は哨戒機が撮影した当時の映像を公開
したが、韓国側は「威嚇的な低空飛行をした」として日本に
謝罪を求めた。火器管制用レーダーを照射すれば特有の電波
が記録されるので、日本側は証拠を握っている。防衛省が公
開した動画でも、「間違いなく向こうのFC系(火器管制レ
ーダー)です」「記録がとれているかどうか確認してくださ
い」「データはとれています」という機長とクルーの冷静な
やりとりが公開されている。 https://bit.ly/2LhBdra
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韓国海軍の駆逐艦「広開土大王」