2019年07月08日

●「韓国への輸出規制は報復ではない」(EJ第5042号)

 少し話の流れからは外れますが、G20大阪サミット以後、米
朝、日韓の間で、重要な動きがあり、それらは、いずれも中国に
関係する出来事であるので、それについてしばらく書くことにし
ます。この事実を知ると、現在、テレビに出て、これらの問題に
ついて語るキャスターやコメンテーターのレベルが、いかにひど
いかわかると思います。
 日本と韓国との関係はいまや最悪の状態です。レーダー照射問
題に始って、徴用工に関する最高裁判決の問題、慰安婦財団の解
散など、常識的にはありえないことばかりを韓国は、このところ
ずっとやっています。レーダー照射問題などは、最初は認めてい
たにもかかわらず後で否定し、自衛隊機の異常接近への非難に切
り換えたリ、理解できないことばかりです。
 メディアは報道しませんが、これには明白な理由があります。
文在寅政権になってからの韓国には、実は重大な疑惑があるので
す。疑惑とは何か。それは、ズバリ、北朝鮮に対して、さまざま
な物資を支援していることです。これは明白な国連安全保障理事
会制裁決議違反です。韓国は、いわゆる「瀬取り」を熱心に行っ
ています。その品目は、石炭の輸入や食糧支援だけではなく、日
米などから輸入する戦略物資も含まれていると考えられます。
 現在、「瀬取り」の監視チームは、日本、米国、オーストラリ
ア、ニュージーランド、カナダ、英国、フランスの7ヶ国ですが
どういうわけか、一番力を入れなければならないはずの韓国は参
加していないのです。
 韓国の軍艦からのレーダー照射は、瀬取りの現場を自衛隊機に
発見され、緊急措置として、慌ててやったものです。そうだとす
れば、その後の韓国の支離滅裂な言い訳は理解できます。表沙汰
になったら、韓国にとって大きなダメージになるからです。そう
いう事情は、すべて米国はわかっています。もはや米国は韓国を
一切信用していないはずです。
 このような前提事実に立って、今回の3品目の戦略物資の韓国
への輸出に関する手続きの見直しについて、世耕経産相の発言を
読んでいただきたいのです。
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 まず、半導体関連について申し上げたいと思いますが、今回の
見直しは、安全保障を目的に輸出管理を適切に実施するという観
点から、運用を見直すというものであります。一部報道、あるい
は韓国側の反応にあるような、いわゆる対抗措置といったもので
は全くありません。
 輸出管理制度というのは、国際的な信頼関係を土台として構築
されているものであります。韓国との信頼関係の下に輸出管理に
取り組むことが困難になっていることに加えて、韓国に関連する
輸出管理をめぐって不適切な事案が発生したこともありまして、
厳格な制度の運用を行って、万全を期することにいたしました。
見直し内容の詳細については、昨日のプレスリリース及び事務方
から御説明をさせていただいたとおりであります。引き続き、適
切な輸出管理制度の運用を行うため、必要な見直しを行ってまい
りたいというふうに思います。
         ──2019年7月2日、世耕経済産業大臣
                  https://bit.ly/309fGEG
─────────────────────────────
 今回の韓国をホワイト国から外すという日本政府の措置につい
て多くのメディアは、韓国によるレーザー照射や徴用工をめぐる
最高裁判決などへの日本政府の報復措置として報道しています。
それは明らかに違います。今回日本政府が韓国に対して、輸出規
制を強化した戦略物質は、次の3品目です。
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 1.   フッカ水素 ・・・    半導体の洗浄に使う
 2.フッ化ポリイミド ・・・    スマホの画面に使う
 3.    レジスト ・・・ 半導体の基板に塗る感光材
─────────────────────────────
 これらの物質はいずれも兵器に転用させることが可能です。だ
から、戦略物資といわれるのです。たとえば、フッカ水素はエッ
チングガス(高純度フッカ水素)といわれ、毒ガスや化学兵器な
どに転用できます。
 7月5日のことですが、この件について、萩生田光一幹事長代
行は、ある放送番組に出演し、次のように述べています。
─────────────────────────────
 今回の対韓国輸出規制措置の背景について、特定の化学物質の
行き先がわからない事案が発見されている。特定の時期にエッチ
ングガスに関連した物品の大量発注が急増した後、その韓国企業
の行方がわからなくなっている。これに関して韓国に問い正して
も、明確な回答が得られない。このような状況に対してわが国と
して措置をとるのは当然である。  ──萩生田光一幹事長代行
                  https://bit.ly/2RWTj2p
─────────────────────────────
 この萩生田幹事長代行の発言が、世耕大臣のいう「韓国に関連
する輸出管理をめぐっての不適切な事案の発生」という抽象的な
言葉の意味を解き明かしてくれます。徴用工問題に対する報復策
ではなく、もっと深刻な問題なのです。要するに、毒ガスなどを
含む兵器に転用できる戦略物質を、韓国は北朝鮮へ流しているの
ではないかという恐るべき疑惑があるのです。
 実は、米国は当然この事実を掴んでおり、今回の日本政府の措
置も米国からの要請があったのではないかといわれています。そ
もそも自衛隊機に慌てて火器管制レーダーを照射したのも、重要
物質の瀬取りの現場を写真に撮られ、動かぬ証拠にされないよう
にするための苦肉の策であったとすると、それ以後の韓国の行動
は十分納得に値するものです。
 韓国としては、あくまで徴用工問題への日本の報復というよう
にしないと、大変なことなってしまうことになります。
              ──[中国経済の真実/041]

≪画像および関連情報≫
 ●韓国への輸出規制の強化措置の狙い
  ───────────────────────────
  A:半導体製造に使われるフッ化ポリイミド、レジスト、エ
   ッチングガス(高純度フッ化水素)の3品目の軍事転用を
   防ぐためで、経産省幹部は詳細は明らかにしないが、「刑
   事告訴するレベルではないが、最近、韓国側に3品目の輸
   出管理をめぐる不適切な事案があった」と説明している。
  A:軍事転用される恐れのある部材については、部材の進化
   や国際情勢のめまぐるしさから国同士で2年に1度は最低
   でも取り扱い方法などを協議する必要がある。だが、20
   16年以降に協議は1度だけで、文在寅政権になってから
   はゼロ。徴用工訴訟や慰安婦問題、自衛隊機への火器管制
   レーダー照射など、文政権が執拗に繰り返す反日的な行動
   に対し、信頼関係が損なわれ、今後も協議ができないと判
   断した。
  A:これまで韓国に輸出する企業に日本政府への個別の輸出
   許可申請を免除する優遇措置を取っていた。原則3年間は
   個別の輸出ごとの申請が不要だったが、4日からは外国為
   替および外国貿易法(外為法)に基づいて、優遇措置をな
   くすことにした。これから個別の出荷ごとに政府への申請
   が必要になる。審査の標準的な期間は90日程度だが、企
   業や品目で違いが出る見込み。禁輸措置ではない。
                  https://bit.ly/2XRK2hn
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世耕経済産業大臣.jpg
世耕経済産業大臣
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 中国経済の真実 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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