おける中国の立場を詳細に記述した白書を発表しています。
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【北京=西見由章】中国国務院(政府)新聞弁公室は2日、米中
貿易摩擦をめぐる中国の立場を詳述した白書を発表し、中国の核
心的利益に関わる「重大な原則的問題」については決して譲歩し
ない立場を改めて強調した。また貿易協議において米側が「中国
の主権に関わる強制的な要求を合意に盛り込むよう固執し、双方
の溝が埋まらなくなった」と非難した。
白書は貿易協議に曲折を生じさせている原因を「米国の言行不
一致」と主張。中国側が既に約束した合意から後退したとのトラ
ンプ米政権の批判については「米側も要求を何度も変更した」と
反論した。さらに「対話のドアは開かれているが、戦いは徹底的
に受けて立つ」と言及。中国の内需は巨大で、「経済の見通しは
非常に楽観できる」とし、持久戦にも自信をみせた。
中国当局は米物流大手フェデックスが中国の通信機器大手、華
為技術(ファーウェイ)の書類を無断で米国に転送したとされる
問題をめぐり、フェデックスの調査・立件を決定。また中国企業
に差別的措置をとった外国企業を「信頼できない組織」としてブ
ラックリスト化する方針も公表し、米企業を狙い撃ちにする姿勢
を強めている。 https://bit.ly/2KksW4t
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この白書は、今後の米中関係について、きわめて重要なことを
訴えています。こういう白書が休日に発表されることはきわめて
珍しく、それだけ重要さを意味しています。中国のいわんとして
いることをまとめると、次の4つのポイントになります。
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1.中国の体制変換に関わる重要な原則的問題については中
国は絶対に譲らない。
2.交渉決裂の原因は、要求を何度も変更し、エスカレート
させた米国側にある。
3.中国としては対話の窓口をつねに開けているが、戦うと
いうなら受けて立つ。
4.持久戦になっても、中国の内需は巨大で、経済の見通し
は非常に楽観できる。
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これによって大阪でのG20のさいの米中首脳会談の実現性は
きわめて困難になったといえます。首脳会談が実現できるかどう
かのボールはこれまで中国側にあったのですが、この白書の発表
で、ボールは米国側に戻されています。米国が首脳会談を求める
場合、白書の原則を認めることになり、会談が行われるかどうか
不透明な情勢です。
しかし、2018年9月末にも中国は似たような白書を出して
おり、「関税のこん棒で脅されながらの交渉はできない」と王受
文商務次官は、エラソーに発言していましたが、その後中国経済
が悪化すると、11月には習近平国家主席がトランプ大統領に直
接電話を入れ、12月1日にブエノスアイレスで米中首脳会談が
行われたのです。10月に上海株が急落し、多くの中国企業が倒
産したからです。
昨年末の会談の結果、数ヶ月の時間稼ぎができた中国は、増値
税(日本の消費税)を下げるなどの景気対策によって、一応経済
の減速が止まると、またしても白書によって自国の体面を保つ宣
言を行ったのです。しかし、4月の経済指標は軒並み悪化し、5
月の製造業の量況感は3ヶ月ぶりに50ラインを割っています。
とてもじゃないが、「経済の見通しは非常に楽観できる」という
状況ではないといえます。
しかし、これとは別の見方があります。今回の白書はあくまで
国内向けであり、表向きの強気の姿勢のウラで、水面下で米国と
話し合い、米国寄りにかじを切る「プランB」を模索するという
ものです。何しろ相手は予測不能の行動を取るトランプ大統領で
あり、このまま抵抗を続けると、とことん最後まで追い詰められ
る恐怖を感じているからと思われます。
中国は、最初は単なる貿易問題であると思っていたのです。そ
こで、習近平国家主席はトランプ大統領を国賓として中国に招待
し──どこかの国と似ていますが──米国から巨額の買い物をす
れば問題は解決できると簡単に考えたのです。
しかし、そのこととは別ルートで、米国はファーウェイとの間
でいろいろトラブルになっていたのです。それがたまたまである
か、あえてであるかは不明ですが、18年12月1日の米中首脳
会談と同じ日に、ファーウェイ副会長の孟晩舟氏が、カナダで逮
捕されたのです。米国の要請のもとでの逮捕です。この時点で、
米中の貿易摩擦問題とファーウェイの問題が一緒になり、問題が
大きくなって、現在に至っています。ところで、ファーウェイの
孟晩舟容疑者は、何の容疑で逮捕されたのでしょうか。
米国司法省は、孟晩舟副会長が、ファーウェイの秘密の子会社
「スカイコム」に米国が制裁措置を課しているイランとの取引を
実行させ、制裁逃れのために、米国の金融機関に虚偽の事実を告
げたとされる容疑です。現在も孟容疑者の身柄は、カナダにあり
ますが、米国に移送されると、30年の実刑をいい渡される可能
性があります。米国家経済会議のクドロー委員長は、これについ
て、次のようにコメントしています。
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対イラン経済制裁に関連してわれわれはファーウェイに、いく
ども警告してきた。アメリカはイランに経済制裁を課している。
イランはわれわれわの政策に反した行動を行っている。アメリカ
が制裁を課するのは当然だ。ただし、この(逮捕)がトランプ大
統領が決定した90日間の(対中制裁の)延期に影響を及ぼすと
は思わない。 https://tcrn.ch/2YWFC5Q
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──[中国経済の真実/017]
≪画像および関連情報≫
●ファーウェイ副会長、カナダで逮捕 米当局が要請
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カナダ司法省によると、孟容疑者は2018年12月1日
にヴァンクーヴァーで逮捕された。米当局が孟容疑者の身柄
引き渡しを求めているという。ファーウェイは、容疑に関す
る情報はほとんどなく、「孟氏のいかなる不正も把握してい
ない」と述べた。
孟容疑者は、ファーウェイを創業した任正非氏の娘。同社
によると、孟容疑者は航空便の乗り継ぎ中に拘束された。カ
ナダ司法省の報道官は、7日に孟容疑者の保釈聴問会を開く
としている。ただ同報道官は、孟容疑者からの要請を受けて
裁判所が報道禁止を命じているとし、詳細については発言し
なかった。
米メディアは、米国のイラン制裁に違反した疑いでファー
ウェイが捜査を受けていると伝えている。また、ファーウェ
イの技術はスパイ目的で中国政府に利用される可能性があり
米国の国家安全保障の脅威になるとして、米議員らも同社を
繰り返し非難してきた。
ファーウェイは声明で、「事業展開している地域の輸出規
制や制裁に関する法律、さらに国連(UN)や米国、欧州連
合(EU)の法規を含む、あらゆる関連法を」同社は順守し
ていると述べた。「当社は、カナダおよび米国の法制度が最
終的に公正な結論に至ると信じている」
https://bbc.in/2XmFH26
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中国国務院/米中貿易摩擦問題のスタンス表明