2019年03月15日

●「社会信用スコアという制度が始動」(EJ第4968号)

 英国のジョージ・オーウェルという作家の作品に、『1984
年』というのがあります。全体主義国家によって分割統治された
近未来世界の恐怖を描いた作品です。ちなみにこの作品は、19
48年に執筆されており、近未来とされている1984年とは、
「4」と「8」と入れ替えたアナグラムという説があります。
 現代はジョージ・オーウェルのいう社会が既に存在します。そ
れが現代の中国であり、いみじくもそれを指摘したのは、米国の
ペンス副大統領です。2018年10月4日、ペンス副大統領は
ハドソン研究所における演説で、次のように述べています。
─────────────────────────────
 今日、中国は、他に類を見ない監視国家を築いており、時に米
国の技術の助けを借りて、ますます拡大し、侵略的になっていま
す。彼らが「グレートファイアウォール(インターネット検閲)」
と呼ぶものも同様に厳しくなり、中国人への情報の自由なアクセ
スを大幅に制限しています。
 そして2020年までに、中国の支配者たちは、人間の生活の
事実上すべての面を支配することを前提とした、いわゆる「社会
的信用スコア」と呼ばれるジョージ・オーウェル式のシステムを
実施することを目指しています。同プログラムの公式青写真によ
れば「信用できない者が一歩も踏み出せないようにしながら、信
用できる者が天下を歩き回ることを許可する」というものです。
   ──ペンス米副大統領演説より https://bit.ly/2OPqMwq
─────────────────────────────
 中国という国家にとって一番大切なものは、中国共産党という
政治体制です。人民解放軍は、中国という国を守る軍隊ではなく
中国共産党を守る軍隊なのです。そのため、中国という全体主義
国家にとって一番警戒すべきものは、他ならぬ中国の国民であり
そのため、過度の監視体制を敷いています。最先端のICT技術
を使い、国民を監視しているのです。中国の軍事費は日本の4倍
といわれますが、それ以上のお金をかけて、約14億人の中国国
民の動向を監視しています。
 その具体的なシステムのひとつが、2014年からスタートし
た「社会信用スコア」という制度です。ペンス副大統領が、ジョ
ージ・オーウェルの世界と呼ぶのがこの制度です。この「社会信
用スコア」について遠藤誉氏は、自著のなかで、次のように述べ
ています。
─────────────────────────────
 中国では「社会信用システム」という制度が2014年から動
いている。正確には2014年6月14日に国務院が「社会シス
テム構築の計画概要(2014〜2020年)」という通知を発
布している。
 これは所得やキャリアあるいは日常の社会的言動などからすべ
ての国民を評価してランキングを付けるもので、評価基準は「公
務の誠実性」「商業の誠実性」「社会に対する誠実性」だ。一見
「社会責任」に似ているように見えるが、実は似て非なるもの。
すべての人民および中国大陸に居住する外国人と外国企業を含め
たすべての「人間」と「組織」を一部始終監視するためのシステ
ムなのである。中国の商店ではどこでも電子決済が進んでいると
日本の一部のメディアでは中国を褒めている情報が散見されるが
顔認証も徹底的に進展させて、中国大陸上に居住するすべての人
間が「中国共産党に忠実であるか否か」「反政府的行動をしてい
ないかどうか」を完璧に監視するためのシステムなのだ。このよ
うな恐ろしいものが動き始め、中国に進出する日本企業とその従
業員も、監視の対象となっていく。喜んでいる場合ではない。
                   ──遠藤誉著/PHP
              『「中国製造2025」の衝撃/
            習近平はいま何を目論んでいるのか』
─────────────────────────────
 この遠藤誉氏の記述で注意すべきは、この制度が適用されるの
は中国人だけではないことです。その対象は「すべての人民およ
び、中国大陸に居住する外国人と外国企業を含めたすべての『人
間』と『組織』」となっている点です。中国から見て、外国人も
外国企業も対象になるのです。実際にこの制度で、どんなことが
起きるのでしょうか。
 2018年5月2日付の「ニューズウィーク」に掲載されたク
リスティーナ・チャオ氏による次のレポートがあります。
─────────────────────────────
 14億人を格付けする中国の「社会信用システム」本格始動
 へ準備           ──リスティーナ・チャオ氏
                 https://bit.ly/2jmQ03V
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 このレポートでは、中国で調査報道記者として活動している劉
虎(リウ・フー)氏は、自分の名前がブラックリストに載ってい
ることを知ったのは、航空券を買おうとして、航空会社から拒否
されたときです。劉氏は、航空会社が保有するリストに、中国政
府が航空機への搭乗を禁止する「信頼できない人物」として自分
の名前が載っていることを知って愕然としたといいます。
 その原因は、2016年に公務員の腐敗を訴える記事をSNS
で発信し、中国政府と衝突しています。中国政府から罰金の支払
いを求められ、劉氏はそれに従っています。劉氏としては、これ
で一件落着すると思ったからです。
 しかし、劉氏はその後も「不誠実な人物」として格付けされ、
航空機の切符が買えないだけではなく、その他にも多くの制約を
受けています。このように一度スコアを落とされると、なかなか
回復できないことが劉氏のケースでわかります。
 しかし、中国政府は、このシステムについて「このシステムの
目的は、調和のとれた社会を推進することである」としています
が、一方において、この制度は市場や政治行動をコントロールす
るツールに過ぎないとの批判も存在します。
           ──[米中ロ覇権争いの行方/049]

≪画像および関連情報≫
 ●中国を変えた"信用格付けシステム"の怖さ
  ───────────────────────────
   広大な領土に多大な人口を擁する中国では、むかしから統
  治者は「いかに秩序をもたらすか」に頭を悩ませてきた。長
  い年月の中で、恐怖による圧政、寛容による仁政、教育によ
  る統制などさまざまな統治が試みられてきたが、ここにきて
  ついに統治者は画期的な方法を手に入れつつあるようだ。そ
  の方法とは、「予測アルゴリズム」という情報テクノロジー
  のことである。
   中国では、長年にわたり食品生産や医薬品製造の安全性は
  保たれておらず、偽装や偽造、詐欺、脱税に官僚の腐敗、学
  術上の不正も横行し、治安当局の取り締まりも十分な効果を
  発揮してはいなかった。そのため、企業や消費者の取引コス
  ト、経済秩序に関する行政のコストも大きく、人びとの規範
  意識を高めることは切迫した課題であった。
   そうした中で、新たな統治手法として注目されるのが「予
  測アルゴリズム」だ。これは、オンライン上の購買や、閲覧
  ・行動の履歴といったパーソナルデータや、企業の信用取引
  データなど、いわゆる「ビッグデータ」を分析し、対象とな
  る人物や企業の動向を予測する情報テクノロジーだ。中国政
  府は、いま、こうした技術を統治能力の改善に役立てようと
  している。           https://bit.ly/2VWNHG4
  ───────────────────────────

ジョージ・オーウェル.jpg
ジョージ・オーウェル
posted by 平野 浩 at 01:42| Comment(1) | 米中ロ覇権争いの行方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
【新元号は太平平安からとって太安】阿修羅
http://www.asyura2.com/19/senkyo258/msg/300.html#c74

東大が一番日本語を知らない。
小学生が一番漢字をよく知っている。
宮内庁は東大卒の厚労省次官が腸管食を独占しているが、
かつて岡光までは厚生省次官は霞ヶ関で最低の不可触賤民だった,
文学もない科学も無い技術も無いの世界中から日本が経済一流政治三流と認知されてた三流政治の更にどん底の、
三重苦ヘレンケラーより無知無能で心のねじけたルサンチマンが厚生官僚医系技官だった。
東大卒も官僚になっても厚生官僚は官僚のセントヘレナと読んで毛嫌いしてたくらいだからな。
その時岡光のもとに稀代の出来損ない小泉純一郎がでもしか大臣になってやってきた。
ブタもおだてりゃ木に登る。
岡光は小泉の阿呆を利用して汚職の巣窟ゴールドプランを練り上げて慶応のバカを金で釣ってだまくらかしたのだ。
慶応はアタマ空っぽなアホの欲ボケで金にめがないからすぐ竹中もほいほい釣れた。
まあ後は衆知の通り岡光が仕掛けた霞ヶ関への下剋上で日本はあっというまに100年の計を失ったのさ。
そして漢字が読めないのは安倍総理じゃない、振り仮名原稿書いてる厚労省出身ドバカ東大卒官僚なのさ(笑い)
だから言霊漢字の国でアルファベットを避けるなどとおよそ日本人にあるまじき無教養なメリケンヤンキーの方針を立てざるをえなくなるだけだよ(笑い)
今度の元号は安倍晋三総理と麻生太郎副総理の二人から文字をとって平安時代より更に太平な太平平安の最初と最後の文字をつなげて【太安】とする。
東大卒のバッカにはつくれないからおれがつくってやったよ。
このM3から総理官邸へメールしておくさ(笑い)
Posted by 豊岳正彦 at 2019年03月16日 07:31
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