・タイムズ」が次の趣旨の報道をしたのです。
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アリババのマー会長が10日にも会長を退任する
──2018年9月8日付、ニューヨーク・タイムズ紙
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しかし、翌日の9日、アリババ傘下の香港メディアがこの報道
を否定します。これによって、少なくとも日本では誤報と判断さ
れ、騒ぎにはならなかったのですが、中国メディアは、万一に備
えて、Xデーの10日に向けて臨戦態勢をとったのです。
そして10日午前、マー氏が1通の手紙を公表します。その趣
旨は次の通りです。
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2019年9月10日に私はアリハバの会長を退任する
──ジャック・マー氏
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2018年9月11日、マー会長はロシアのウラジオストクに
姿を現しています。同地で開催された「東方経済フォーラム」に
出席したのです。その席には、ロシアのプーチン大統領も同席し
ており、プーチン大統領は、マー氏に対し、次のように質問して
います。
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プーチン:そこに座ってロシアのお菓子を食べている若い方に質
問したい。馬雲さん、あなたは、まだ若いのに、なぜ引退する
のか。
J・マー:大統領閣下、私は若くありません。昨日ロシアで54
歳の誕生日を迎えました。私は創業して19年間、一生懸命働
いてきました。でも、もっと多くの好きなことを、やりたいと
思っています。例えば、教育や慈善事業です。
プーチン:あなたは私よりも若い。私はすでに66歳。なぜ、現
役を退くのか。 https://bit.ly/2SnRz5P
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プーチン大統領の疑問は当然です。アリババは3万6000人
もの従業員を抱え、時価総額4200億ドル(約46兆円)の巨
大企業です。その企業のトップが、そんなに簡単に辞めてもいい
のか──誰でもそのように考えるからです。
ジャック・マー氏の退任にはいくつもの説があります。アリバ
バの創業は1999年3月。今年はちょうど19年目。マー氏は
創業19年のうち、できるだけ早く後継者を発見し、約10年間
を後継者育成に充てるという方針を立て、後継者づくりを行って
きたといいます。そして、実際に現在のCEOダニエル・チャン
(張勇)氏に経営を任せてきています。
コラムニストの浦上早苗氏は、後継者のチャンCEOについて
次のように紹介しています。いまわれわれの知っているアリババ
は、既にチャンCEOのアリババだと、マー氏はいうのです。
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チャンCEOは、米会計事務所プライスウォーターハウスクー
パース(PwC)の上海拠点やゲーム会社のCFOを経て、20
07年にアリババに入社した。今やブラック・フライデーを上回
る世界最大のセールに成長した11月11日の「独身の日」セー
ルを2009年に始めたのも、日本の大企業が多く出店する、B
toCサイトの「天猫」の立ち上げを担ったのもチャン氏。20
13年にはマー氏からアリババグループのCEOを引き継ぎ、最
近では、スターバックスとの提携など、マー氏が提唱する「新小
売」のコンセプトの具現化に手腕を発揮している。
https://bit.ly/2SrgepV
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それでは、ジャック・マー氏は、退任したら何をやるのでしょ
うか。マー氏の手紙には次のようにあります。
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私は教育に戻りたいと思う。私が最もやりたいことをするのは
私を非常に興奮させ、この上もない幸福を感じさせるのである。
私は皆さんに請け負うことができる。アリババは馬雲だけに属す
るものではないが、馬雲は永遠にアリババに属していることを。
──馬雲/2018年9月10日
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しかし、これは表面上の理由であると思います。教育ビジネス
をやりたいのであれば、アリババとしてやってもいいし、アリバ
バから離れる必要はないと思います。では、どうして退任するの
でしょうか。
「マー氏は逃げている」──ジャーナリストの相馬勝氏はいい
ます。何から逃げているのでしょうか。それは、中国政府、すな
わち、中国共産党から逃げているという指摘です。
というのは、このところ、党中枢の幹部と関わりを持つ有能な
若手経営者が、次々と職を追われているからです。ジャーナリス
トの相馬勝氏は、これについて、次のように述べています。
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例えば、中国最高指導者だったケ小平の孫娘と結婚した安邦保
険の呉小暉元会長は、のちに離婚したものの、その関係を利用し
て同社を巨大化させた。呉氏は派手な海外投資でニューヨークの
著名なホテルなどを買収していったが、いまや詐欺と職権乱用な
どの罪で懲役18年の実刑判決を受け、個人資産105億元(約
1800億円)を没収された。
また、曾慶紅元国家副主席と親しいとされる政商の郭文貴氏は
現在、米国に事実上の亡命状態だ。同じく、曾氏と親密な関係に
あった実業家の肖建華氏は香港の最高級ホテルのスィートルーム
に滞在中、何者かによって拉致され、中国大陸に連れていかれた
と伝えられる。 https://bit.ly/2BvnRRU
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──[米中ロ覇権争いの行方/027]
≪画像および関連情報≫
●沈みゆく船を見切ったジャック・マーが電撃退任
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馬雲(ジャック・マー)といえば、中国ビジネス界の超大
物。英語教師を務めていたが、ネット通販最大手アリババ・
ドットコムのカリスマ創業者となり、アマゾン・ドットコム
の創業者ジェフ・ベゾスの中国版とも呼ぶべき存在に上り詰
めた。そんな中国の起業家精神を象徴するマーが、来年9月
にアリババの会長を退任すると表明した。このニュースは投
資家を驚かせただけではない。中国に築いた輝かしい地位を
投げ出す理由は何なのかと、さまざまな臆測を呼んでいる。
マーが語った退任の理由を、軽く考えるべきではないだろ
う。推定380億ドル以上の資産を持つ54歳の大富豪は、
退任後は慈善活動、特に教育事業に、時間と精力を注ぐとい
う。中国の教育環境を向上させるのは結構だが、この言葉を
額面どおりに受け取るわけにはいかない。優れたビジネスマ
ンが想定外の行動を取るとき、凡人には分からない何かを見
据えていることがある。
例えば、香港の著名な実業家である李嘉誠(90)がそう
だった。彼が13年に中国から資産を引き揚げたとき、表向
きには売却が必要という説明だった。だが今にして思えば、
中国経済が浮き沈みの激しい段階に入ると見越して早めに撤
退を図ったのだ。その後の展開は、李の判断が正しかったこ
とを示している。マーがアリババを離れる理由は自分の評判
を守ることかもしれない。会社が順調なうちに側近も社員も
残して去れば、サクセスストーリーに傷が付かない。
──「ニューズウィーク」 https://bit.ly/2Dv5lZQ
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アリババ会長/ジャック・マー氏


