2019年02月08日

●「墨汁事件は海航集団と関係がある」(EJ第4944号)

 墨汁女子について、近藤大介氏は、次の3つの点が気になると
しています。
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         1.撮影場所が上海である
         2.海航集団ビル前である
         3.海外組織に対しSOS
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 第1は「撮影場所が上海である」ことです。
 上海は、習近平主席の最大の政敵といわれる江沢民元主席のお
膝元であることです。上海では、習近平主席に対して反感を持つ
人が多いといいます。近藤大介氏が旧知の上海人の社長に米中貿
易戦争の感想を求めると、次のように述べたというのです。
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 皮肉な話だが、トランプ大統領に対する支持者が最も多いのは
ラストベルト(錆びた地帯)と呼ばれるアメリカ中西部ではなく
て、上海ではないか。中米貿易戦争が勃発して以降、「特朗普、
加油!」(トランプ頑張れ)という声をよく耳にするからだ。上
海ディズニーランドも南京路にある世界最大規模のスターバック
スも、連日大盛況だ。7月10日には、上海市政府と米テスラ社
とが、上海新工場の建設に関する調印式を行った。
 習近平政権は政治的な締めつけが厳しく、上海人が望む自由な
ビジネスができない。上海が「自由貿易区」に指定されたのは、
習近平政権が発足した2013年のことだったが、5年経った現
在でも、ほとんど恩恵を受けていないのだ。現政権は明らかに、
過去の江沢民政権や胡錦濤政権ほどの経済的センスを持ち合わせ
ていない。そこにトランプが、ドカンと雷を落とし、中国を真の
開放に向かわせるかもしれない。だからわれわれは、トランプの
外圧に期待しているのだ。今年は改革開放40周年なのだから、
本来ならもっと経済を開放したらよいのだ。
           ──近藤大介著/NHK出版新書568
    「習近平と米中衝突/『中華帝国』2021年の野望」
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 第2は「海航集団ビル前である」ことです。
 犯人の女性が習近平主席のポスターに墨汁をかけたのが海航集
団の前であったことは象徴的です。偶然であったかもしれないし
何か意味があったとも考えられます。海航集団は、習近平政権と
浅からぬ関係があるからです。
 まず、海航集団とは何かについて知る必要があります。ちょう
どこの時期(2018年7月)、海航集団は中国国内で、大きな
話題になっていたのです。海航集団については、ネット上に次の
解説があります。
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 海航空集団は航空運輸業務を主力とするが、それ以外に空港サ
ービス、ホテル、小売業、物流、金融など多くの事業に携わって
いる。同集団傘下の海南航空は、中国の航空会社として異色だ。
中国では中央政府系の中国南方航空、中国東方航空、中国国際航
空が「中国三大航空会社」とされる。
 保有する運用機材(航空機)で見ると、前記三大航空会社はい
ずれも400機台〜500機台。海南航空は200機強と半分程
度の規模だ。ただし、三大航空会社の場合、購入を予約している
機材が現保有機数の半分程度なのに対し、海南航空は260機以
上と、機材の倍増計画を明確にしている。しかも、予約機のうち
200機が、中国が「大型旅客機」として開発中のC919であ
るなど、「チャレンジング」な姿勢が目立つ。
                  https://bit.ly/2UHhmCs
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 この時期において、海航集団に大変なことがあったというのは
2017年7月のことですが、海航集団の王健会長が出張先のフ
ランスで客死したからです。トップが亡くなっているのです。公
式には、「事故死」ということになっていますが、そのことを額
面通りに受け取る人は少ないといいます。なぜかというと、海航
集団は、この時点での負債総額が6000億元(約10兆円)に
達し、事実上の破綻状態にあったからです。そのため、自殺では
ないかともいわれたのです。
 それに「海航集団は習近平政権の政商である」といわれており
王健会長の突然の死に強い疑いの目が向けられていたのです。そ
れを暴露したのは、中国の元富豪といわれる郭文貴という人物で
す。彼は、米国に亡命し、ニューヨークから習近平政権のスキャ
ンダル情報を暴露し、流していたのです。郭文貴氏のバックには
江択民元主席がいるといわれててます。
 海航集団と習近平政権の関係──というよりも習近平主席の盟
友である王岐山副主席と海航集団との関係ですが、郭文貴氏は、
米国からユーチュープを使って暴露情報を流したのです。王岐山
氏は、党中央紀律検査委員会(中紀委)を率いて汚職摘発で辣腕
を振るい、とくに、江沢民派の幹部の多くを刑務所に送っている
ので、大きな恨みを買っています。
 近藤大介氏は、上海での墨汁事件は、郭文貴氏と何らかの関係
があるのではないかと推測しています。
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 墨汁事件では、「郭文貴全世界フォロワーチーム」なる名義の
アカウントから、ユーチューブを通じていくつもの「スクープ報
道」がなされていた。例えば、8月2日には、菫瑶けい(墨汁を
かけた女性)の父・菫建彪が「娘は精神病などではない」とする
声明を発表したと報道していた。郭文貴が滞在するニューヨーク
といえば、トランプ大統領のお膝元であり、そのトランプ大統領
は、墨汁事件が起こった2日後の7月6日に、習近平政権に対し
て貿易戦争を「開戦」したのだ。この2日間の近似は、単なる偶
然だろうか。          ──近藤大介著の前掲書より
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           ──[米中ロ覇権争いの行方/025]

≪画像および関連情報≫
 ●海航集団をめぐる2つの事件
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   数日前ドイツ銀行の話題を振った際、海航集団が同行の株
  主だと申し上げました。また同集団は12兆円とも言われる
  負債で経営危機に陥っており、背後に中国ナンバー2の王岐
  山副主席がいるとも申し上げました。
   さて、今日のニュースをみていると海航集団に関する新た
  な2つの事件が報じられています。
   1つは韓国アシアナ航空で一部航空機が機内食を提供でき
  なくなり、大混乱に陥った事件。そして、もう一つは、海航
  集団の傘下の海南航空の王健会長がフランス出張中に「事故
  死」したことであります。
   まず、アシアナ航空の事件ですが、これには背景がありま
  す。アシアナはもともと機内食提供会社をLSG社と契約し
  ていました。しかし、アシアナが海航側と取引をし、1年半
  ほど前に海航と4:6の比率で機内食提供会社、ゲートグル
  メコリアを設立します。ところが新工場建設中の今年3月、
  その現場が火事となり、6月30日のLSG社との契約終了
  に機内ケータリングが間に合わないことが判明します。その
  ため、LSG社に短期契約更改交渉をするものの決裂、アシ
  アナはやむを得ず、小さなシャープDo&Coという会社に
  委託をします。残念ながら、初日から供給がうまくできず、
  大きな混乱を招いたとうストーリーです。更にシャープ社の
  社長は自殺するという痛ましい展開になっています。
                  https://bit.ly/2DfEK2Q
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米国から放送する郭文貴氏.jpg
米国から放送する郭文貴氏
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 米中ロ覇権争いの行方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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