2019年01月24日

●「中国経済の真相について検証する」(EJ第4933号)

 2019年1月22日付の日本経済新聞は、その第一面トップ
に次の記事を掲載しています。
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◎中国経済の減速鮮明/18年成長率28年ぶり低水準
 【北京=原田逸策】中国経済の減速が鮮明だ。2018年の実
質成長率は6・6%と28年ぶりの低水準で18年10月〜12
月期は6・4%に落ちた。7〜9月期比での低下幅は0・1ポイ
ントに過ぎないが、消費などの主要指標は米中貿易戦争の影響が
本格化した秋以降に急変している。
         ──2019年1月22日付、日本経済新聞
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 中国の実質成長率には不思議なことがたくさんあります。最近
はほとんど6%成長で、6%前半か後半かで、コンマひとつ上下
するだけで大騒ぎになります。いつも6%の世界での上下です。
 6%といえば高い成長率です。ちなみに天安門事件直後の19
90年が3・9%成長で、2018年度が6・6%というならよ
くわかりますが、このところ、6%台の成長率がほとんどです。
なぜ、6%台なのでしょうか。
 それは、習近平主席が、国民に対して「2020年までに国民
の収入を2倍にする」という約束をしているからです。2010
年対比で2倍にするというのです。そうすると、10年間、毎年
7%成長しないと、実現できないのです。
 しかし、中国の経済はかなり深刻であり、7%成長は維持でき
ない。といって、7%から遠く離れることもできないので、実際
は6%以下であっても、6%以下にはできないのです。
 中国の経済成長率に対して疑問を持ち、『中国GDPの大嘘』
(講談社)という著書もある高橋洋一氏は、中国のGDP成長率
の「微動状態」について、次のように述べています。
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 世界との輸出入取引が大きい中国経済が、世界経済の大きな変
動と無縁のはずはないのに、このような小刻みな動きをみると、
統計改竄と推定せざるを得ない。中国GDPの変動が小さいこと
は、GDP成長率の「変動係数」を各国と比較してみればよくわ
かる。変動係数とは、ばらつきを表す標準偏差を平均値で除して
比較可能にした統計量である。
 2000年以降のGDP成長率について、統計が取れる180
ヶ国の変動係数を見ると、中国は0・21と小さい方から7番目
だ。そのあたりにはベトナムやラオスなどの独裁社会主義国が多
い。ちなみに日本は2・00で156位だ。
 なお、先進国のGDP成長率の変動係数はどうだろうか。平均
が小さく、変動係数が2桁になったものを異常値として除いた堅
めの平均で1・26である。これをみると、中国GDP成長率は
異常に変動しないことがわかるだろう。    ──高橋洋一氏
                  https://bit.ly/2CI4uVg
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 現在、日本では、「毎月勤労統計」の不正調査が問題になって
いますが、統計というものは実態をできるだけ正確に表すもので
なければならないのです。この不正によって、「毎月勤労統計」
をもとに給付水準が決まる雇用保険や労災保険に、大きな影響が
出てしまっているのです。
 高橋洋一氏によると、中国の統計システムは、社会主義国家の
「先輩」である旧ソビエト社会主義共和国連邦(ソ連)に学んで
いるといいます。それは、国家目標との関連で、統計に改ざんに
改ざんを繰り返した揚句「ソ連崩壊」をもたらした統計手法であ
り、中国はそれを教わっているといいます。
 中国、すなわち、中華人民共和国は1949年に誕生しました
が、それと同時に経済的な大改革を実行に移しています。そのと
き司令塔になって指導に当ったのはソ連大使館です。ソ連から、
1万人を超える顧問団が北京にやってきて、4万人のロシア語を
マスターした中国人と一緒に、中国の産業育成に取り組んだので
す。そのときの目標は次の通りです。
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 中国経済は、10年以内にイギリスを追い越し、15年以内
 にアメリカに追いつく。       ──中国の国家目標
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 このとき、ソ連から密かに持ち込まれたものが「ソ連式統計シ
ステム」です。国家目標が達成できなかったときにどのように統
計を操作するかの手法です。高橋洋一氏は、中国は、このソ連の
統計システムを使っているのではないかというのです。この統計
システムは非常に巧妙に作られていて、米国のノーベル経済学賞
受賞経済学者であるポール・サミュエルソン教授は、ソ連のデタ
ラメの経済統計値を信じて、「ソ連は成長している」といってし
まったという話は有名です。
 ソ連が崩壊してはじめてわかったことは、1928年から19
85年までの国民所得の伸びはソ連の公式統計によると90倍、
平均成長率は8・3%ということでしたが、実際にはその倍率は
6・5倍、平均成長率は3・3%でしかなかったのです。
 それなら、現在の中国の統計数値は、本当のところどうなので
しょうか。これについて高橋洋一氏は、中国の数字のデタラメさ
について、次のように述べています。
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 中国の成長率が誇張されていることは誰もが知っている。社会
主義の中国では、国家が発表する統計は国有企業の「成績表」と
いう意味がある。そして、その統計を作っているのは、「中国統
計局」という国家の一部局である。言ってしまえば、自分で受け
たテストの採点を自分でしているようなものなので、信頼性はど
こにも担保されていない。          ──高橋洋一氏
                  https://bit.ly/2sKa5Wt
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           ──[米中ロ覇権争いの行方/014]

≪画像および関連情報≫
 ●世界景気をけん引した中国経済に陰り!/田中徹郎氏
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   ここのところ中国経済の成長性に陰りが見え始めました。
  振り返りますと、中国の全盛期はリーマン・ショックから昨
  年あたりまでではなかったでしょうか。
   金融ショックで先進国の経済が危機に陥る一方、元気のよ
  かった中国は4兆元にもおよぶ経済対策を実施し、世界の救
  世主ともてはやされました。「世界を救った中国」という称
  賛と、4兆元効果による経済的実利・・・。2009年から
  昨年あたりまでの中国は、順風満帆だったといえるのではな
  いでしょうか。一時は近々中国が世界の覇権を握るという見
  方もあったものです。
   自信過剰になってしまうのは当然かもしれませんね、なに
  しろアヘン戦争以来イギリスやフランス、ドイツ、日本など
  にやられっぱなしで、その間、悔しい思いをし続けてきたわ
  けですから。150年という年月にも及ぶ我慢のあと、やっ
  と訪れた反転攻勢のチャンスです。
   仲裁裁判所の判決を「紙くずだ」と切り捨てる。国家の元
  首が軍事目的ではないと言いながら、着々と人工島を軍事拠
  点化する。小国に多額の貸付を行い、返済不能に陥るや、港
  を租借する。海外の企業が中国に進出する際、技術の移転を
  強要する。著作権の侵害を厳しく取り締まるといいながら野
  放しにする・・・。このように中国がここ数年とってきた行
  動は、私たちから見れば粗暴にも見えますが、逆に言えば、
  彼らはそれほどまで自信を深めていたということではないで
  しょうか。           https://bit.ly/2sFvC2y
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経済学者/高橋洋一氏.jpg
経済学者/高橋洋一氏
  
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 米中ロ覇権争いの行方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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