商上の措置の発表直後に、経済政策担当の閣僚ら4人が相手国で
ある中国に赴いて、その旨を伝える──これは外交上のマナーで
す。問題は、中国で使者である4人の意見が合わず対立し、混乱
したのですから、驚いたのは中国側です。「トランプ政権は分裂
している」と習近平国家主席が考えても不思議はないのです。
これについて、日高義樹氏は、トランプ大統領に近いといわれ
る経済専門家の意見として、次のように述べています。
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「トランプ政権では大統領がすべてを決める。したがって、対
立しようが、混乱が起きようが、周りで騒いでも意味がない。政
治的に無意味だといえる」 実際にトランプ大統領は、重大な決
定をあっという間に行っている。(何をやったのか)
政府から25パーセント以上の資金援助を受けている中国の国
営企業をアメリカから締め出すこと、アメリカ企業の中国への進
出を制限すること、WTOの重要な組織を事実上崩壊させてしま
うことなど、すべて強力な政治力がなければ出来ない措置を、瞬
く間に実現してしまった。習近平政権からすると信じられない出
来事が起きてしまったのである。 ──日高義樹著
「アメリカに敗れ去る中国/安倍外交の危機」
徳間書店刊
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ムニューチン財務長官は最初から中国寄りの人物であり、本人
もそれを隠そうとしないし、意見の違う人を外す傾向の強いトラ
ンプ大統領としては珍しく、気にしていないように見えます。
ムニューチン財務長官は、宣誓式においては、具体的な構想を
述べていないのですが、宣誓式に立ち会ったトランプ大統領は、
次のように発言しています。
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不当に利益を得る者から、米製造業の雇用を守る。
──トランプ大統領
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ここで、「不当に利益を得る者」とは、明らかに中国を指して
います。トランプ大統領は、就任のときから中国に対して強い問
題意識を持っていたのです。それにもかかわらず、中国寄りと知
りながら、ムニューチン氏を財務長官に任命しています。
ムニューチン財務長官は、現在でも中国との貿易戦争をやめる
べきだと主張しています。
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【ワシントン/17日/ロイター】ムニューシン米財務長官が中
国の輸入品に課されている関税の一部または全部を撤廃すること
を提案した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)
が17日、内部事情に詳しい関係者の話として報じた。
報道によると、財務長官は1月30〜31日に予定されている
米中通商協議において、関税引き下げを提案する考えを示したが
ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表は、この考えに反
対。またトランプ大統領にはまだ提案されていないという。
財務省報道官は報道を否定したが、米中通商問題解決への期待
から米株式市場は上昇した。財務省報道官は「ムニューシン長官
もライトハイザー代表も、関税やその他の件に関する中国との交
渉について誰にもいっさい提言を行っていない」とし、「中国と
の交渉は継続中で、完了には程遠い」と語った。
https://bit.ly/2sAN3kX
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米国の大統領選挙の場合、選挙に関わるあらゆること──資金
集めから、テレビによる宣伝・広報、作戦計画、イベントの開催
投票日に有権者を投票に駆り出すことにいたるまで、多くの機関
や組織や企業が関わっています。
そして大統領が首尾よく当選すると、ホワイトハウスのスタッ
フには、選挙戦に参加した組織からの関係者が送り込まれ、大統
領の政治を仕切ることになります。それは、政権としてどのよう
な政策を行うかにまでに及びます。大統領は、そういうスタッフ
が作り上げた政治的提案、政策のなかから、何をやるかを決定す
るのです。問題は、そういうホワイトハウスに入ってくるスタッ
フは、多くの場合、企業や団体の利害を持ち込んでくる場合が多
いのです。そうすると、どうしても政治に「色」がついてしまう
ことになります。
しかし、トランプ大統領の場合、そういう今までの慣習という
か、やり方を踏襲せず、自分がやりたいようにホワイトハウスを
仕切ったのです。日高義樹氏は次のように述べています。
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トランプ大統領はそうした(ホワイトハウスの)仕組みを一切
受け付けず、すべての政策を自らが決め、実施を要求する。この
ためにホワイトハウスが混乱し、閣僚やスタッフが相次いでやめ
るという事態になった。アメリカのマスコミはそうした事態を見
て、トランプのホワイトハウスが大混乱していると伝えている。
しかしながら大統領がすべての決定を行うことが、トランプ政
権の強さ、ホワイトハウスの強さで、アメリカ経済を短期間のあ
いだに拡大させた原動力となっているのである。アメリカのマス
コミが「ホワイトハウスの混乱」、と伝えている状況は、トラン
プのホワイトハウスの強さの象徴なのである。
──日高義樹著の前掲書より
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「何でも自分で決める」──これがトランプ大統領のスタンス
です。しかし、これは大変よいことである反面、米国の大統領と
もなると、独断は大きなリスクがはらんでいます。
第2回の米朝首脳会談が2月末に行われることに決まりました
が、これに関してトランプ大統領が「北朝鮮攻撃」の計画を密か
に練っているのではないかという奇怪な情報が出ています。明日
のEJで取り上げます。──[米中ロ覇権争いの行方/012]
≪画像および関連情報≫
●2回目の米朝首脳会談、トランプは何をたくらむのか?
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金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の側近の1
人である金英哲(キム・ヨンチョル)同党副委員長は、昨年
6月1日にホワイトハウスを訪問し、ドナルド・トランプ米
大統領に金委員長の親書を手渡しました。その後、2週間足
らずで1回目の米朝首脳会談が開催されました。
ただ、今回は事情がまったく異なります。金英哲氏が1月
18日にワシントンを訪問し、トランプ大統領と会談を行い
ましたが、開催時期は2月末になりました。同大統領にとっ
て、2回目の米朝首脳会談の緊急性が本当に高ければ、1月
末ないし2月上旬になったかもしれません。
いまトランプ大統領の最優先課題は、2016年米大統領
選挙における「公約の中の公約」である米国とメキシコとの
「国境の壁」建設と、連邦政府機関の一部閉鎖の再開である
ことは間違いありません。米メディアによれば連邦政府機関
の一部閉鎖により、約42万人の政府職員が無給で仕事を続
けており、約35万人が自宅待機を余儀なくされています。
これらの内政問題の目処が立ってから、2回目の米朝首脳
会談に取り組もうとするトランプ大統領の思惑が透けて見え
ます。つまり、「国境の壁」建設予算及び政府機関の一部閉
鎖の問題が、首脳会談の日程に影響を及ぼした可能性が高い
といえます。 https://bit.ly/2RTRDct
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ムニューチン米財務長官


