2019年01月11日

●「選挙に使われていたFBデーター」(EJ第4925号)

 昨日のEJで、米中貿易戦争のさなかで、フェイスブックが苦
境に陥っていると書きました。フェイスブックは、GAFAの一
角を占める米国大企業の一つであり、なぜ、苦境なのかについて
ネットから情報を集めて書くことにします。
 米国のインターネット企業にとって、中国は実に魅力ある国で
あるといえます。それは何といっても約14億人という巨大な人
口を持つ国だからです。「多くの人とつながる」というのが、イ
ンターネット企業の目標であることを知るとき、中国ほどそれを
満たしてくれる市場はないのです。
 しかし、中国は民主主義国家ではなく、進出するにはさまざま
な情報統制を受け入れる必要があります。その結果、米国のイン
ターネット企業は、中国で一敗地に塗れているのです。作家で、
起業家のエミリー・パーカー氏は、ブログで次のように書き出し
ています。2016年10月19日の記事です。
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 米国のインターネット企業にとって、中国は事実上の敗北の地
だ。西洋のテック企業が中国の情報統制を緩めることを多くの人
が願った。だがそれらの企業は中国市民の発言の検閲に積極的に
参加した。ヤフーは民主化活動家に関する情報を中国当局に提供
し、活動家は投獄された。マイクロソフトはメディアの自由を求
める著名な活動家、マイケル・アンティのブログを閉鎖した。
 グーグルは中国で政治的にデリケートな検索結果を検閲した。
2006年、3社は米国議会小委員会委員長から、中国政府への
「嫌悪を催すような協力」について非難された。グーグルは中国
本土の自社検索エンジンを2010年に停止し、検閲とサイバー
セキュリティについて公式に抗議した。
 フェイスブックは、2009年から中国で規制されており、買
収した写真共有サービス、インスタグラムも2014年に規制さ
れた。かつてソーシャルネットワークの中国進出は破滅的である
か不可能だと考えられており、中国専門家の中には現在もそう信
じる人がいる。だが、フェイスブックの中国進出は今や有望に見
える。               https://bit.ly/2LWX054
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 フェイスブックが現在苦境に陥っているのは、2016年の2
つの選挙に深い関係があります。
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      1.EU離脱の可否を問う国民投票
           2016年06月23日
      2.2016年の米国の大統領選挙
           2016年11月08日
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 結論からいうと、この2つの選挙にフェイスブックは深く関与
している疑いがあるのです。もう少し正確にいうと、この2つの
選挙には、次の英国の企業が関わっています。
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  ケンブリッジ・アナリティカ/本社イギリス/ロンドン
                  Cambridge Analytica
                https://bit.ly/2C7li7R
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 ケンブリッジ・アナリティカは、一口でいうと、データマイニ
ング、データ分析を手法とする選挙コンサルティング会社です。
この企業の事務所は、英国と米国にありますが、米国の事務所に
は、ドナルド・トランプ大統領のかつての盟友スティーブン・バ
ノン氏が出入りしていたと言いわれます。役員会のメンバーでも
あったからです。
 それでは、このケンブリッジ・アナリティカとフェイスブック
は、どういう関係なのでしょうか。
 いうまでもなく、フェイスブックは、その分析すべきデータの
提供者です。これはとんでもないことです。多くの人は、フェイ
スブックのデータが流出し、マーク・ザッカーバークCEOが米
国議会に呼ばれて喚問されているということは知っているでしょ
うが、まさか2016年の2つの選挙に深く関わっていることを
知る人は少ないと思います。
 企業のデータ流出事件は、枚挙にいとまがないほど多発してい
ます。そのため、そういうことに不感症になっているユーザーは
少なくないと思います。しかし、フェイスブックのデーター流出
だけは絶対にあってはならないことだと思っています。実害があ
まりにも大きいからです。
 ちなみに私は、最初からフェイスブックをやっていませんし、
これからもやるつもりはありません。SNSでやっているのは、
ツイッターのみです。ツイッターは、2010年1月4日からば
じめており、毎日ツイートしています。ツイッターは匿名は許さ
れますが、私は実名でツイートしています。
 なぜ、フェイスブックのデータ流出が、問題なのかというと、
フェイスブックのアカウントを獲得するには、氏名、メールアド
レス、生年月日、顔写真などの多くの個人情報を登録する必要が
あるからです。公開範囲を設定した上で、電話番号や居住地も登
録している人は少なくありません。
 それは、絶対に情報が流出することはないという厳重なセキュ
リティへの信頼感があるからこそ、そうするのです。何しろフェ
イスブックは世界で16億5000万人のユーザーがいるし、日
本でも2500万人のアクティブユーザーがいるのです。私のよ
うに、ICT機器が使えるのにフェイスブックをやっていない人
を探すのが、困難なほどフェイスブックは普及しているのです。
 それでも人間のやることですから、データの流出事故は起きる
ものです。しかし、フェイスブックのデータ流出は、アクシデン
トて、起きたものではなく、フェイクブックが自ら流しているの
です。現実に米国と英国ではケンブリッジ・アナリティカによっ
て、選挙に利用されていたのです。事件の詳細は来週のEJでお
伝えします。     ──[米中ロ覇権争いの行方/006]

≪画像および関連情報≫
 ●「微博」など中国SNSから個人情報30億件流出
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   「微博(ウェイボー)」など中国の主なSNS(会員制交
  流サイト)から、30億件もの個人情報が不正アクセスによ
  り盗まれたことが、このほど明らかになった。中国の店頭市
  場に上場するIT関連企業の実質的なトップが犯行を首謀し
  たとみられ、インターネット利用の広がる中国において「過
  去最大」の情報流出として衝撃を広げている。(フジサンケ
  イ・ビジネスアイ)
   報道によると、一連の不正アクセスは、中国のSNSユー
  ザーから自分のアカウントで身に覚えのない操作が繰り返さ
  れている、という通報が相次いだことで、浙江省のサイバー
  警察が捜査を進めて判明した。
   複数のIPアドレスを特定して調べた結果、インターネッ
  ト広告を手掛ける北京瑞智華勝科技公司など3社の介在が浮
  上。警察はこれまでに容疑者6人の身柄を拘束した。
   さらに、これら企業の実質的な経営権を持つ人物が、犯行
  を首謀していたとみて行方を追っている。不正アクセスによ
  り抜き取られた可能性のある個人情報が30億件に達したの
  は、中国のネット犯罪で「最大規模」という。被害を受けた
  のは、バイドゥ、テンセントなど、大手を含む中国のインタ
  ーネットサービス企業96社の利用者。電子商取引大手アリ
  ババのセキュリティー部門が警察の捜査に協力したという。
                  https://bit.ly/2QxPgXN
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マーク・ザッカーバードCEO.jpg
マーク・ザッカーバードCEO
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 米中ロ覇権争いの行方 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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