て、ジェット戦闘機を搭載した護衛艦「いずも」の模型を見せて
もらったといいます。2017年11月のことです。その模型は
現行の「いずも」がフラットな甲板を持つのに対して、やぐらの
ようなスキージャンプ台状の甲板を備えていたそうです。ちょう
ど、中国の空母「遼寧」のような形と思われます。
少なくとも現在の「いずも」とは形が異なるのです。ジャンプ
台がついているということは、見た目はより「空母」らしく見え
るので、設計が変更されたのではないかと思われます。しかし、
就役時点では、野党の政治家の追及は、ほとんどなかったという
のです。彼らはこの問題に関心が薄いのです。
「いずも」が就役したのは2015年3月25日のことです。
第3護衛艦隊群(舞鶴基地)に編成替えとなった「ひゅうが」に
代わって、「いずも」は第1護衛艦隊群第1護衛隊に編入されて
います。定係港は横須賀です。初任務は、2016年4月に発生
した熊本地震による災害派遣です。被災地支援にあたる陸上自衛
隊を輸送する任務です。
あくまで「いずも」は、DDH=ヘリコプター護衛艦、すなわ
ち、「護衛艦=駆逐艦」として就役したのです。しかし、「いず
も」は明らかに駆逐艦には相応しくないのです。そして2017
年のクリスマスの時期に、「いずも」が空母に改修されるという
情報が拡散されたのです。
なぜ、2017年暮れかというと、2019年度から新しい中
期防衛力整備計画が始まるからです。これによって、1番艦「い
ずも」と2番艦「かが」を「いずも」型として、戦闘機の発着が
可能なものに改修するというのです。
問題は、「いずも」が、日本の憲法の制約上、保有が認められ
ないとされている「攻撃型空母」に該当するかどうかです。とこ
ろで、空母の定義というものはあるのでしょうか。
1921年のワシントン軍縮会議において、空母の定義は決め
られており、それは次のようになっています。
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水上艦船であり、専ら航空機を搭載する目的を以って計画され
航空機はその艦上から出発し、又その艦上に降着し得るように整
備され基本排水量が1万トンを超えるものを航空母艦という。
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ところが、1930年のロンドン海軍軍縮条約では、基本排水
量が1万トン未満でも空母に含まれることになります。ところで
「基本排水量」とは何でしょうか。
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基本排水量とは、船舶の重量を表す数値で、排水量の計測方法
のひとつである。満載の状態から、燃料と予備缶水(水)の重量
を差し引いた状態を示したもの。
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この定義にあてはめると、「いずも」型は建造費が1139億
円で、基準排水量は1万9500トンであり、十分に「空母」と
いえるサイズです。しかし、サイズ、その大きさから、空母を定
義するのは問題があります。
「ナショナル・インタレスト」という米防衛誌は、空母は、単
に攻撃力だけでなく、防衛にも役立つと指摘しています。
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空母の能力は、攻撃的役割に限定されているわけではない。空
母は、味方の水上艦と基地を敵の攻撃から守るために戦闘機を展
開できるし、敵の船や潜水艦の位置を把握するために偵察機とヘ
リコプターを発進させることもできる。
──「ナショナル・インタレスト/電子版」
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理屈から考えても、日本のような島国が、数隻の空母を運用し
離島を守り、領海をパトロールするのは理にかなっており、専守
防衛に反しないと思います。攻撃と防御は表裏一体であり、防御
に重点を置く「防御型空母」というものがあってもおかしくない
と思います。とくに、尖閣諸島の防衛には、空母はきわめて有効
な手段です。
「いずも」型DDHに搭載される戦闘機についても述べておく
ことにします。F35という戦闘機には次の2種類があります。
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F35A ・・・ 通常離着陸/ CTOL
F35B ・・・ 短距離離陸・垂直着陸/STOVL
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「F35A」は、通常離着陸の戦闘機ですが、既に42機は三
沢基地に配備されることに決まっています。これに対して「F3
5B」は200メートルほどの短距離で発進し、着陸するときは
垂直に降りるのです。したがって、「いずも」型護衛艦には「F
35B」が搭載されることになります。
「いずも」型DDHを空母化し、F35Bを搭載する考え方に
対して、香田洋二元海上自衛隊司令官は、日米同盟の役割分担を
守るためには効果があるとしています。日米同盟の役割分担とは
日本が盾(日本の防衛)、米国が矛(相手国への攻撃)を守るこ
とです。これについて香田氏は次のように述べています。
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日本は矛の機能を論じる前に、いまだ十分でない盾の機能を高
める必要があると考えます。まずは、日本の防衛作戦(盾)に米
軍を巻き込まないですむようにすることです。巻き込めば、その
分、米軍の打撃力を削ぐことになります。そうならないようにし
て、米軍には得意の打撃作戦(矛)で力を発揮してもらうように
するのです。その前提が、米軍の安全な来援を確実ならしめるこ
とであり、自衛隊は我が国の直截的な防衛に加え、米軍来援を支
援する力を養う必要もあります。 https://nkbp.jp/2UVeT8l
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──[フリーテーマ/010]
≪画像および関連情報≫
●日本に空母は必要か/米メディアが分析
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米防衛メディア『ディヘンス・ワン』も、中国の脅威が増
すなか、特に離島防衛が鍵となる現状では、日本が空母を保
有することには一定の妥当性があると見ている。ただし、日
本政府は運用面と財政面の2点において、果たして空母がベ
ストな選択なのか、よく考えるべきだとしている。
運用面では、尖閣諸島に比較的近い無人島などに無人機を
配備するという「より安く、人員も必要としない」オプショ
ンもあると指摘。ただし、「日本には無人機で制空権を確保
する技術はない」とし、その取得に莫大な予算と長い年月を
注ぎ込む必要があるとしている。そのため、短期的に見れば
空母の方が現実的ではあるが、「20機程度のF35Bで、
数で勝る中国空軍を相手に制空権を維持できるのかという疑
問は残る」とも言う。
「いずも」と「かが」をそれぞれ改修して計20機余りの
F36Bを新規に購入するのに必要な予算は、約40億ドル
だと言われている。安倍政権は、2019年度の防衛予算に
約5兆3000億円要求しているが、その約8%に当たる予
算を空母につぎ込めるのか。「ディヘンス・ワン」は、空母
部隊の維持費もかかるとし、「既に人口減で隊員の確保に四
苦八苦している自衛隊が新たな人員を確保できるのか」と人
材難の可能性にも言及している。 https://bit.ly/2GtBEgC
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香田洋二元海上自衛隊司令官


