2018年12月13日

●「ハイシリコンとクアルコムの関係」(EJ第4910号)

 連日ファーウェイの記事が新聞を飾っています。そこでファー
ウェイについて新聞には出ていない情報を中心に、もうしばらく
書くことにします。
 ところで、ファーウェイの呼び方について、中国分析の第一人
者である遠藤誉氏は次のように述べています。しかし、EJでは
「ファーウェイ」と表記することにします。
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 日本では、「Hua-wei」 を「ファーウェイ」と読ませているが
「Hua」は「ホァ」であって、「ファ」ではない。「ファ」 なら
「Fa」など、「F」の文字がなければならない。 慣用に反するが
ここでは発音に忠実に「ホァーウェイ」とした。 ──遠藤誉氏
                  https://bit.ly/2C4j7mS
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 クアルコムという企業について考察します。クアルコムは、カ
ルフォルニア州で、1985年に創業していますが、キッシンジ
ャー・アソシエイツを通して早くから中国に進出しています。中
国では「高通」という名前で知られています。
 しかし、1989年6月4日の天安門事件で、米国を中心とす
る西側諸国が中国に対して経済封鎖を始めると、クアルコムは中
国でのビジネスを中止したのです。
 2000年に当時の朱鎔基首相がWTO加盟のために清華大学
の経済管理学院に米国の財閥を中心に顧問委員会を設けたのです
が、クアルコムもそのメンバーになっています。そして1998
年には、北京郵電大学に共同研究所を設立しています。遠藤誉氏
によると、この大学はファーウェイの頭脳ともいうべきハイシリ
コン・テクノロジーズ社の何庭波総裁を輩出した大学なのです。
 遠藤誉氏は、ハイシリコンの何庭波総裁とクアルコムの関係に
ついて、次のように紹介しています。
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 ハイシリコンの何庭波総裁は女性で、まだ40代の若さだ。自
分を研究者と呼ばせない、生粋のエンジニアである。ビジネスに
煩わされたくないので、華為の研究部門から独立し研究開発に専
念した。(中略)クアルコムの北京郵電大学への力の入れようは
尋常ではなく、北京郵電大学内に「クアルコム杯(高通杯)」と
いうものまで設立したりして、人材養成のために巨額の研究投資
(ときには1億ドル)を行っている。      ──遠藤誉氏
                  https://bit.ly/2QqmhKl
─────────────────────────────
 遠藤誉氏は何庭波氏が北京郵電大学を卒業したのが、1996
年、クアルコムが同大学内に共同研究所を設立したのが1998
年であるので、何庭波氏がクアルコムの指導を受けていた可能性
は高いと指摘しています。そうすると、ハイシリコンの高度な半
導体の技術のベースには、クアルコムの技術が入っている可能性
は高いと考えられます。
 昨日のEJで、ハイシリコンがファーウェイにしか半導体を提
供しないと書きましたが、これは中国政府の指導によるものでは
なく、ハイシリコンのポリシーなのです。もし、政府主導である
ならば、クアルコムに半導体の提供を断られて窮地に陥っている
ZTEに対して、ハイシリコンに半導体を提供するよう命令する
はずですが、遠藤氏によると、ハイシリコンは政府のいうことも
頑として受け入れないだろうといっています。
 ファーウェイやハイシリコンと中国政府の関係について、遠藤
氏は、次のように述べています。
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 日本のメディアは、ホァーウェイ(華為技術、Hua-wei )を持
ち出すときに、まるで接頭語のように、「中国政府と癒着してい
る」とか、「中国政府と関係が深い」と書き立てているが、それ
がどれほど危険なことか、気が付いているだろうか。
 ホァーウェイの頭脳であるハイシリコンは、その研究開発した
半導体を、ホァーウェイにしか売らず、他社には売らない。まし
ていわんや、中国政府になど提供したり、いまこの段階ではまだ
していないのである。
 もし中国政府と癒着していたり、中国政府と関係が深かったり
するのであれば、習近平国家主席は中国共産党一党支配体制の命
運を賭けて国家戦略「中国製造2025」を推進しているのだか
ら、中国政府にハイシリコンが研究開発した最先鋭の半導体の成
果を提供するはずだろう。
 しかし、ハイシリコンもホァーウェイも、今のところ、まだそ
うしていない。それはハイシリコン立ち上げ時点で、ハイシリコ
ンの成果はホァーウェイにしか提供しないという約束しているか
らだろう。      ──遠藤誉氏 https://bit.ly/2Bg9gsm
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 なぜ、ハイシリコンは経営危機に瀕しているZTEに半導体を
売らないのでしょうか。それは、ハイシリコンのポリシーである
からと書きましたが、それだけではないはずです。
 今やハイシリコンは、クアルコムに対抗するための中国の先兵
です。これまでにもそういう戦いを繰り返しています。クアルコ
ムが「スナップドラゴン」という半導体の新製品を出すと、ハイ
シリコンは、それと同レベルの「キリン」という半導体を出すと
いうように競っているのです。
 そのようなハイシリコンに、ZTEをはじめとする多くの中国
のハイテク企業に半導体を提供する余裕はないのです。両社全力
で壮絶なチップ戦争を繰り広げているからです。
 しかし、米国から半導体の提供を断られてしまうと、そうした
ハイテク企業が潰れかねない。そういうわけで、白羽の矢が立っ
たのが、日本なのです。日本はクアルコムやハイシリコンのよう
な高性能チップを作る能力はありませんが、中国企業に半導体チ
ップを提供できる力はあるのです。そこで中国は、日本との関係
を改善させ、その役割を担わせようとしているのです。
               ──[フリーテーマ/004]

≪画像および関連情報≫
 ●李克強訪日、中国が関係改善を進める3つの事情
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   習近平政権は、尖閣諸島の「国有化」問題が起こってから
  程なくして発足し、日中関係の改善が難しい状況であっこと
  から、どうしても「日本に対して厳しい」というイメージが
  つきまとう。
   だが、5月8日から4日間、中国の李克強首相が日本を訪
  問し、天皇陛下を始め、安倍晋三首相や与野党関係者と会談
  し、両国関係の改善を印象づけた。李の訪日は、5月9日付
  けの『環球時報』に発表された評論も、2010年以来の釣
  魚島問題、歴史問題などで最悪の状態に陥った日中関係が、
   大幅に改善しつつあることを示していると指摘している。
  歴史問題や領土問題など長年の課題こそ解決はしてはいない
  ものの、日中関係がここまで改善してきたのは、日本国内に
  対中関係改善の動きが出てきたこともあるが、中国の政治・
  経済情勢も関係している。
   だが、「中華民族の偉大なる復興」を強調しすぎると、ナ
  ショナリズムを刺激する恐れもあり、外交でそれを前面に押
  し出すと諸外国の誤解を招きかねない。そのため中国外交は
  「人類運命共同体」を前面に押し出した「国際主義」的な外
  交に方向転換する。中国の提唱する「一帯一路」構想は、中
  国の発展計画と沿線諸国との発展計画の“ドッキング”を目
  的とし、中国外交の「国際主義」的側面を反映したものであ
  る。              https://bit.ly/2EqhZMI
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スナップドラゴン.jpg
スナップドラゴン
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(1) | フリー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
遠藤誉は、政治のことしかわからない。経済の話は全然当たらなかった。 今回もそうで、企業の中に中国共産党の委員会が設置されている。中国の法律で義務化されているからだ。ファーウェイは、自社の製品の中に中国軍の命令に応じてスパイチップを仕込んでいた。この犯罪的なチップの仕込み作業はファーウェイの下請けの中小企業で行われてきた事も判明している。

また、最後の人が、日本側の事情が変わって日中関係が改善したというのはウソだ。米中貿易戦争になって米国にバッシングされているので、中国側が日本にすり寄ってきたに過ぎない。こんなことも分からずに、あるいは、意図的に真相を隠した、この人も、中国に買収されたのではないだろうか。
Posted by 足打 at 2018年12月13日 21:13
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