2018年12月05日

.●「雫石衝突事故の裁判は冤罪である」(EJ第4904号)

 雫石空中衝突事故について、佐藤守氏は、この事故の真因につ
いて、「100%全日空機側の過失である」と断定し、次の3つ
の理由を上げています。
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      1.全日空機の見張り義務違反である
      2.全日空機が航路の逸脱をしている
      3.全日空機が航空法違反をしている
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 「1」は、「全日空機の見張り義務違反」です。
 B727のクルーは明らかに見張り義務違反を行っています。
もし、見張っていれば、事故は100%回避できたはずです。問
題は、なぜ、見張り義務違反を怠ったかです。
 それは、当日3回目という過酷なフライトにあります。それに
定刻よりも53分も遅れており、操縦クルーは、地上では昼食を
とることができず、28000フィートの巡航速度に達して水平
飛行に移った後に、自動操縦装置に依存して、昼食の準備、もし
くは昼食中だったため、見張り義務に違反したものと考えられま
す。こういう過酷な勤務状況については、会社に対して乗員組合
から改善要求が出されています。
 他の情報によると、当時全日空の操縦クルーは、自動操縦装置
に切り換えた後は、チェスをしたりするなど、見張り義務につい
ての義務意識は薄かったものと考えられます。
 「2」は、「全日空機の航路の逸脱」です。
 全日空58便は、ジェットルートJ11Lを飛行するという飛
行計画書を提出しています。しかし、58便はこの区間に慣れて
いたし、その日3回目の飛行であったので、函館NDB通過後、
近道である仙台VORに針路を取り、自動操縦で漫然と飛行して
自衛隊側の訓練空域に侵入したのです。
 これに関する証拠は、航空自衛隊のBAGDEシステムに残さ
れている航跡と、接触場所の目撃情報、さらに民事裁判に提出さ
れた8ミリフィルムのアジア航測の解析結果など、たくさんあり
ます。どのように考えても全日空機は航路を逸脱しています。
 「3」は、「全日空機の航空法違反」です。
 全日空58便は、申請した航空路を恒常的に無視して別の航空
路をとるという航空法違反を繰り返していた疑いがあります。事
故当日、58便は千歳/羽田間を3往復することになっていまし
たが、朝の「千歳/羽田」と昼の「羽田/千歳」も、いずれも飛
行計画書にはJ11Lを申請していたものの、仙台VORを飛行
していたものと思われます。
 この日本の空の危険について、須藤朔/阪本太朗共著の本では
次のように書かれています。
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 昭和51年9月に、全運輸労組が発表した航空黒書『空の安全
を点検する』によって、国内航空3社のパイロットのアンケート
の結果、雫石事故の後でも、「多数の民間旅客機がルートからは
ずれ(やむを得ず、との但し書きがあったが)、防衛庁管轄の訓
練空域や試験空域へ入っていること」「ルートを変えて防衛庁管
轄空域に入る際に、機長がとるべき規定の手続きを知らないパイ
ロットが過半数あったこと」を知ったが、事故以前には、旅客機
のルート逸脱は日常茶飯事と言われていた。
                  ──須藤朔/阪本太朗著
     『恐怖の空中接触事故/空の旅は安全か』/圭文社刊
─────────────────────────────
 佐藤守氏の上記3点の指摘によって、雫石空中衝突事件は、全
面的に全日空側の過失によるものであることは明らかです。佐藤
氏は、次のように結論づけています。
─────────────────────────────
 本裁判は、政府事故調査報告書の不備と、全日空機側の100
%過失によって起きた事故であり、自衛隊操縦者に対する判決は
「無罪」が妥当であり、現状は「冤罪事件」に相当する。
 事故原因が曖昧なまま、行政罰を受けた防衛庁側関係者に対し
て国側は速やかに謝罪・補償し、その名誉を回復しなければなら
ない。なお、本事故の犠牲者に対する補償は、国ではなく、当該
事業者が支払うべきものである。また、民間航空を指導する立場
にあつた運輸省の責任も免れない。  ──佐藤守著/青林堂刊
          『自衛隊の「犯罪」/雫石事件の真相!』
─────────────────────────────
 ところがです。この衝突事故についての刑事における最終判決
は、次のように決着がついています。昭和58年(1983年)
9月22日の最高裁判決です。
─────────────────────────────
  隅太茂津一(教 官) ・・・ 禁固3年執行猶予3年
  市川良美二(訓練生) ・・・ 無罪
─────────────────────────────
 佐藤守氏の本を精読する限り、上記判決は不当そのものであり
この事件は冤罪です。裁判所はあらゆる証拠を踏みにじり、無視
し、最終的には最高裁判官の「自判」という異常な手段をもって
自ら裁判に決着をつけています。本来は、高裁に差し戻すべきと
ころを強引に裁判を終了させたのです。
 雫石空中衝突事故を調べていてわかったことですが、この事故
の14年後に起きたJAL123便事件と、強い関係があること
がわかってきました。確かに、2つの事件は、航空会社も事故の
状況も異なりますが、雫石衝突事故の幕引きが、最終的には、政
府の思い通りの結果になったことで、それが123便の決着にも
影響を与えたものと思われます。
 どちらの事故も、自衛隊出身のパイロットが機長であったこと
に共通性があります。中途半端な時期ですが、今回のテーマはあ
と2回で終了する予定です。その2回において、それについての
真相について述べることにします。
         ──[日航機123便墜落の真相/074]

≪画像および関連情報≫
 ●書評「自衛隊の犯罪 雫石事件の真相」/宮崎正弘氏
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   雫石衝突事件の真実は「自衛隊機に全日空機が追突した」
  悪いのは全日空機だった。全日空機より速度の遅い自衛隊機
  が、追突できる筈がなく報道は非科学的で杜撰。
   若い人には記憶すらないだろうが、評者(宮崎)は、この
  「事件」のことを鮮明に覚えている。第一報は、「全日空機
  に自衛隊機がぶち当たって」、162人が犠牲になったとい
  う。世の中、自衛隊が悪いというヒステリックな大合唱が起
  こった。真実は「自衛隊機に全日空機が追突した」のだ。悪
  いのは全日空機だった。
   そもそも全日空機より速度の遅い自衛隊機が、追突できる
  筈がなく、報道は非科学的で杜撰なものだった。ところが、
  なぜ、こんな誤報がまかり通ったのだろう?
   第1は全日空側の事情。全日空が悪いとなれば倒産は免れ
  なかった。第2に「自衛隊機が悪い」と言った以上、マスコ
  ミはメンツにかけて訂正しなかった。第3は背後に政治が絡
  みつき、ようするに弁護者を持たない自衛隊が冤罪という貧
  乏くじを引かされる。後日、自衛艦「なだしお」に体当たり
  した釣船があった。しかし、これさえも自衛隊が悪いとされ
  た。救急車にぶちあって救急車が悪いとは誰も言わないだろ
  う?しかし東日本大地震で災害救助に出動した自衛隊には悪
  罵を投げかけるマスコミはなかった。問題はむしろ国防の本
  義から逸れて、いつまで自衛隊に現場の瓦礫処理までやらせ
  るのか、ということだった。結論的に言えることは「航空自
  衛隊は情報戦に脆弱である」というポイントである。
                  https://bit.ly/2rg1dYb
  ───────────────────────────

雫石空中衝突事故/場所.jpg
雫石空中衝突事故/場所
posted by 平野 浩 at 00:00| Comment(0) | 日航機123便墜落の真相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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